沖縄独立を主導する者は中国の工作員だろう。 「沖縄独立や沖縄自立を求める声が高まっている」などというのはごくごく一部の声に過ぎず、大多数の沖縄県民は独立など望んでいない。 狙いは日米分断 中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書 沖縄の反米軍・独立運動、韓国を巻き込んでの対日歴史糾弾はやはり中国が裏で煽っていた! 衝撃報告 2016年8月 沖縄では中国が米軍基地反対運動を煽り、米軍へのスパイ活動を展開しているーこんなショッキングな警告がアメリカ議会の政策諮問の有力機関から発せられた。中国は長期戦略として日米同盟を骨抜きにすることを図り、その具体策として沖縄での米軍基地反対運動への密かな支援や米軍の活動への秘密裡の軍事諜報工作を展開しているのだという。 アメリカ側の政府や議会の関連機関が日米同盟の光や影、虚や実について論じ、内外への注意を喚起するという作業は長年、続いてきた。だが沖縄での米軍基地問題に関して中国の干渉を正面から指摘したという実例は極めて珍しい。アメリカ側としてはそれだけ沖縄での中国の動きを危険視するに至ったということだろう。日本側としては日米同盟の堅固な保持を望む限り、その警告を真剣に受け止めざるを得ないであろう。 提起された「中国」の沖縄工作 日米同盟はこのところ全体として一段と堅固になりながらも、なお沖縄での在日米軍基地への反対運動は複雑な振動を広げている。まるで強壮な人間のノドに刺さったトゲのように、全身の機能こそ低下させないまでも、中枢部につながる神経を悩ませ、痛みをさらに拡大させかねない危険な兆候を見せていると言えるだろう。 沖縄の米軍基地の基盤が揺らげば揺らぐほど、日米同盟の平時有事の効用が減る。日本への侵略や攻撃を未然に抑えるための抑止力が減ることになるからだ。また朝鮮半島や台湾海峡という東アジアの不安定地域への米軍の出動能力を落とし、中国に対する力の均衡を崩すことにもつながるわけである。 沖縄あるいは日本全体を拠点とするアメリカの軍事力が弱くなることを最も歓迎するのは誰か。今や東アジア、西太平洋の全域でアメリカの軍事的な存在を後退させようとする中国が米軍弱体化の最大の受益者であることは明白である。 中国がそのためにソフト、ハード両面での多様な措置を取っていることは既に歴然としているが、これまで沖縄での反米軍基地運動への中国の関与は提起されることはまずなかった。しかも中国の対沖縄工作の最終目的は日米同盟分断だというのだ。 「沖縄と中国」というこの重大な結びつきを新たに提起したのはアメリカ議会に設置された「米中経済安保調査委員会」という機関である。この委員会は2000年に新たな法律により、「米中両国間の経済と貿易の関係がアメリカの国家安全保障にどう影響するかを調査して、議会と政府に政策上の勧告をする」ことを目的に常設された。議会の上下両院の有力議員たちが選ぶ12人の委員(コミッショナー)が主体となり、米中関係を背景に中国側の軍事や外交の実態を調査するわけだ。 各委員たちは中国の軍事、経済、外交などに詳しい専門家のほか、諜報活動や安保政策の研究者、実務家が主になる。最近まで政府や軍の中枢部に就いていた前官僚や前軍人、さらには上下両院で長年活躍してきた前議員たちも委員を務める。そしてその時その時の実際の中国の動き、米中関係の変動に合わせて、テーマを絞り、さらなる専門家を証人として招いて、公聴会を開くのである。 同委員会は毎年、その活動成果をまとめて、年次報告書を発表する。その内容は詳細かつ膨大となる。最終的にはアメリカの政府と議会に対中政策に関する提言をするわけだ。 同委員会の事務局も中国や軍事、諜報に関する知識の豊富なスタッフで固められ、特定テーマについての報告書を委員たちとの共同作業で定期的に発表している。 アメリカの中国研究はこのように国政レベルで極めて広範かつ具体的なアプローチが多いのである。中国の多様な動向の中でもアメリカ側が最も真剣な注意を向けるのはやはり軍事動向だと言える。この米中経済安保調査委員会はまさに中国の軍事動向と経済動向の関連を継続的に調べているのである。 そんな委員会が沖縄と中国の絡みに関しての調査結果をこのほど明らかにしたのは「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する報告書の中だった。 米国の軍事能力を削ぐことに主眼 米中経済安保調査委員会の「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する合計16ページの報告書が警告する沖縄での中国の動きをアメリカの戦略全体の中で位置づけるために、まずこの報告書の主眼についての記述を紹介しよう。 「中国は東アジア、西太平洋地域でもし軍事衝突が起きた場合の中国人民解放軍の米軍に対する脆弱性を減らすために、その種の衝突へのアメリカ側の軍事対応を抑える、あるいは遅らせるための『接近阻止』または『領域否定』の能力を構築することを継続している。中国側は同時に軍事衝突が起きる前の非軍事的選択肢を含むその他の措置も推進している。それらの措置とはアメリカ側の戦略的な地位、行動の自由、作戦の余地を侵食することを意図する試みである」 要するに中国はアジアでの米軍の軍事能力を削ぐことに最大の努力を傾けていると言うのだ。その米軍能力の削減のための工作とは必ずしも軍事手段には限らない。一連の非軍事的な措置もあるというのである。同報告書がその非軍事的措置としてあげるのが以下の3種類の動きだった。 ・関与 ・威圧 ・同盟分断 以上、3種の中国側の戦術はみなアジアでの米軍の弱体化、同時に中国軍の相対的な強化を狙いとしている。その戦術の標的はアメリカと同時に日本などその同盟諸国により鋭く照準が絞られている。本稿の主題である沖縄に対する中国の工作はその中の「同盟分断」の戦術に含まれていた。 では中国はなぜアジアでの米軍の能力の弱体化にこれほど必死になるのか。その点については同報告書は以下の骨子の理由をあげていた。 「中国人民解放軍幹部が軍科学院の刊行物などに発表した論文類は中国がアジア、西太平洋で『歴史上の正当な傑出した立場』に戻るためには、アメリカがアジアの同盟諸国とともに、有事に中国の軍事能力を抑え込もうとする態勢を崩す必要がある、と主張している」 以上の記述での中国にとっての「歴史上の正当な傑出した立場」というのは明らかに「屈辱の世紀」前の清朝以前の中華帝国王朝時代のグローバルな威勢、ということだろう。 その過去の栄光の復活というわけだ。この概念は習近平国家主席が唱える「中国の夢」とか「中華民族の偉大な復興」というような政治標語とも一致している。「平和的台頭」という表面は穏やかなスローガンの背後には今の中華人民共和国を過去の王朝時代のような世界帝国ふうに復活させようというギラギラした野望が存在している、とアメリカ側の専門家集団による同報告書は見ているのである。 この「野望」は最近、南シナ海での中国の海洋覇権追及に関して国際仲裁裁判所が「根拠なし」と裁定した「九段線」にもあらわとなっていた。「南シナ海は古代から九段線の区画により歴史的に中国の領海だった」という時代錯誤の中国政府の主張は、「歴史上の正当な傑出した立場」の反映なのだ。ただし現代の世界ではその正当性はないのである。 しかし中国側からすれば、その「歴史上の正当な傑出した立場」の構築や達成にはアメリカ、特にアジア駐留の前方展開の米軍の存在が最大の障害となる。この点の中国側の軍事的な認識を米中経済安保調査委員会の同報告書は以下のように総括している。 「中国軍幹部たちは、アメリカが中国の正当な進出を阻もうとして、その中国封じ込めのためにアジアの北地域では日本と韓国、南地域ではオーストラリアとフィリピンを拠点とする軍事基地システムを築き、グアム島をその中核とし、中国深部を長距離の戦略兵器で攻撃ができるようにしている、とみている」 だからこそ、中国にとってはアメリカがアジアで構築してきた一連の同盟関係とその軍事態勢は有事平時を問わず、敵視や反発の主対象となるわけである。 「関与」と「威圧」の具体的中身 同報告書は中国側のそのアジアでの米軍の能力を弱めるための対米、反米そして対アメリカ同盟諸国への非軍事的手段の基本的な特徴について以下のように解説していた。 「中国人民解放軍の最高幹部たちは各種の論文で『戦争は単に軍事力の競合ではなく、政治、経済、外交、文化などを含めての総合的な競い合いだ』と繰り返し主張している。つまり政治、経済、外交、文化などの非軍事的要因が軍事作戦を直接、間接に支えなければ勝利は得られないという考え方なのだ。だから米軍のアジアでの中国の関わる紛争への介入を阻むためには単に軍事力だけでなく、アメリカの政治システムや同盟相手の諸国の対米依存や対米信頼を弱めるための外交、情報、経済などのテコが必要となる。その種のテコには貿易協定や友好外交などから賄賂的な経済利権の付与も含まれてくる」 つまりは非常に広範で多様な手段による米軍の能力削減、そして同盟の骨抜きという意図なのである。中国側のその種の意図による具体的な活動が前述の三戦略「関与」「威圧」「同盟分断」だというわけなのだ。 その三戦略のうち対沖縄工作が含まれた「同盟分断」を詳述する前に「関与」と「威圧」について紹介しておこう。 【関与】 「中国はタイやパキスタンとの経済協力を深め、軍事協力へと発展させ、中国海軍の現地での港湾使用などで、米軍に対する軍事能力を高めている。オーストラリアやタイとの合同軍事演習を実施して、両国のアメリカとの安全保障協力を複雑にする。韓国との経済の絆を強めて、安保面でも韓国のアメリカとの密着を緩める」 【威圧】 「中国はフィリピンとのスカボロー環礁での衝突の際、フィリピン産バナナの輸入を規制した。日本との尖閣諸島近海での衝突の際はレアアース(希土類)の対日輸出を規制した。いずれも経済的懲罰という威圧行動だった。尖閣付近では海警の艦艇の背後に海軍艦艇を配備し、軍事力行使の威圧をかける。中国はベトナムの排他的経済水域(EEZ)での一方的な石油採掘作業でも軍事的な威圧をした。この種の威圧はいずれも米軍の抑止力を減らす意図を持つ」 同盟分断の主要策「沖縄」の中身 同報告書はその上で三戦略の最後の【同盟分断】に触れて、その中の主要項目として「沖縄」をあげていた。 注目されるのは、同じ「同盟分断」の章ではアメリカの同盟諸国の国名をあげて、国別の実態を報告しているのに対し、日本の場合は、日本という国名ではなく「沖縄」だけを特記している点だった。中国の日本に対する同盟分断戦術は今のところ沖縄に集中しているという認識の反映のようなのである。 その記述は以下のような趣旨だった。 「中国は日本を日米同盟から離反させ、中国に譲歩させるための戦術として経済的威圧を試みたが、ほとんど成功しなかった。日本へのレアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず、日本は尖閣諸島問題でも譲歩をせず、逆にアジア諸国との安保協力を強め、アメリカからは尖閣防衛への支援の言明を得た」 中国はだから沖縄への工作に対日戦術の重点を置くようになったというわけだ。 「中国軍部は特に沖縄駐留の米軍が有する遠隔地への兵力投入能力を深刻に懸念しており、その弱体化を多角的な方法で図っている」 沖縄には周知のように米軍の海兵隊の精鋭が駐留している。第3海兵遠征軍と呼ばれる部隊は海兵空陸機動部隊とも称され、空と海の両方から遠隔地での紛争や危険にも対応して、展開できる。多様な軍事作戦任務や地域の安全保障協力活動が可能であり、有事や緊急事態へスピーディーに出動できる。米軍全体でも最も実戦的な遠征即応部隊としての自立作戦能力を備えているとも言われる。 まさに中国側からすれば大きな脅威というわけだ。だからその戦力、能力をあらゆる手段を使って削ぐことは中国にとっての重要な戦略目標ということになる。 同報告書は次のようにも述べている。 「中国は沖縄米軍の弱体化の一環として特定の機関や投資家を使い、沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入している」 報告書はこの中国側による沖縄の不動産購入について脚注で「中国工作員が米軍基地近くに米軍関係者居住用のビルを買い、管理して、管理者用のカギで米軍関係者世帯宅に侵入して、軍事機密を盗もうとしている」という日本側の一部で報道された情報を引用していた。 アメリカの政府や議会の報告書では米側独自の秘密情報を公開することはまずないが、一般のマスコミ情報の引用とか確認という形で同種の情報を出すことがよくある。つまり米側の独自の判断でも事実と認めた場合の「引用」となるわけだ。 そして報告書は今度は引用ではなく、同報告作成者側の自主的な記述としてさらに以下の諸点を述べていた。 「中国は沖縄に米軍の軍事情報を集めるための中国軍の諜報工作員と日本側の米軍基地反対運動を煽るための政治工作員を送りこみ、日米両国の離反を企図している」 「沖縄での中国の諜報工作員たちは米軍基地を常時密かに監視して、米軍の軍事活動の詳細をモニターするほか、米軍の自衛隊との連携の実態をも調べている」 「中国の政治工作員は沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動することに努める。そのために中国側関係者が沖縄の米軍基地反対の集会やデモに実際に参加することもよくある。その結果、沖縄住民の反米感情をあおり、日米同盟への懐疑を強め、日米間の安保協力をこじれさせることを企図している」 同報告書は中国側の沖縄でのこうした動きをはっきりと「スパイ活動(Espionage)」とか「扇動(Agitation)」と呼び、そうした行動が将来も続けられるという見通しを明言していた。このへんはこの記述以上に詳細で具体的な情報こそ示されないものの、明らかにアメリカ当局独自の事実関係把握に基づく報告であり、警告だといえる。 沖縄独立への驚くべき言及 米中経済安保調査委員会の「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する報告書はさらに中国側の沖縄領有権の主張や沖縄内部での独立運動についても衝撃的な指摘をしていた。要するに中国は自国の主権は尖閣諸島だけでなく、沖縄全体に及ぶと主張し、その領土拡張の野望は沖縄にも向けられている、というのだ。 報告書の記述をみよう。 「中国はまた沖縄の独立運動をも地元の親中国勢力を煽って支援するだけでなく、中国側工作員自身が運動に参加し、推進している」 「中国の学者や軍人たちは『日本は沖縄の主権を有していない』という主張を各種論文などで表明してきた。同時に中国は日本側の沖縄県の尖閣諸島の施政権をも実際の侵入行動で否定し続けてきた。この動きも日本側の懸念や不安を増し、沖縄独立運動が勢いを増す効果を発揮する」 確かに中国政府は日本の沖縄に対する主権を公式に認めたことがない。中国が沖縄の領有権を有すると政府が公式に言明することもないが、中国政府の代表である学者や軍人が対外的に「沖縄中国領」論を発信している事実はあまりに歴然としているのだ。同報告書はこうした点での中国側のトリックの実例として以下のようなことも述べていた。 「中国の官営ニュースメディアは『琉球での2006年の住民投票では住民の75%が日本からの独立を望むという結果が出た』という報道を流した。しかし現実にはその種の住民投票は実施されてはいない。沖縄住民の多数派は日本領に留まることを欲している」 中国側の官営メディアがこの種の虚報を流すことは年来の中国のプロパガンダ工作ではよくある事例である。この虚報の背後に透けて見えるのは、中国がやがては沖縄も自国領土だと宣言するようになる展望だといえる。 日本も硬軟織り交ぜた反撃を 米中経済安保調査委員会の「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」という題の同報告書は中国の沖縄に対する活動について以上のように述べて、中国側のその目的はすべて日米同盟にくさびを打ちこみ、日米の離反を図って、米軍の沖縄などでの軍事能力を骨抜きにすることだと分析していた。 特に中国側の領土拡張の狙いが単に尖閣諸島だけでなく沖縄本島などにも及んでいるという指摘、さらには中国側がすでに沖縄の内部に工作員を送りこんで、軍事、政治の両面で日米の連携をかき乱しているという警告は日本側としても重大に受け止めねばならないだろう。 中国による日米同盟への揺さぶり工作では同報告書が日韓関係についても警鐘を鳴らしている点をも最後に付記しておこう。中国がアジアでのアメリカの存在を後退させる戦術の一環として日本と韓国との対立をも煽っている、というのだ。 日本も韓国もいうまでもなく、ともにアメリカの同盟国である。アメリカを中心に日韓両国が安保面で緊密な連携を保てば、米軍の抑止力は効果を発揮する。日韓両国が逆に対立し、距離を置いていれば、米軍の効用も減ってしまう。中国にとっては東アジアでの米軍の能力の減殺という目的の下に、日本と韓国との間の摩擦や対立を広げる戦略をも進めてきたというのはごく自然だろう。同報告書は以下の諸点を指摘していた。 「中国は日韓両国間の対立の原因となっている竹島問題に関して同島を軍事占領する韓国の立場を支持して、日本側の領有権主張を『日本の危険なナショナリズムの高揚』などとして非難してきた」 「中国は日韓両国間の慰安婦問題のような第二次大戦にかかわる歴史認識問題に対して韓国側の主張を支持し、日本側の態度を非難する形の言動を示して、日韓間の歴史問題解決を遅らせてきた」 「中国は日本の自衛隊の能力向上や役割拡大への韓国側の懸念に同調を示して、韓国側の対日不信を煽り、アメリカが期待するような米韓両国間の安全保障協力の推進を阻もうとしてきた」 アメリカの議会機関が指摘する中国の日韓離反工作も中国の沖縄への介入と目的を一致させる反日、反米のしたたかな謀略活動だとも言えるだろう。日本側としても硬軟両面でのそれ以上にしたたかな反撃が欠かせないであろう。
[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文
|