http://www.asyura2.com/16/senkyo212/msg/593.html
Tweet |
北朝鮮核実験 ならず者の蛮行に安倍首相という運のつき
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189652
2016年9月10日 日刊ゲンダイ 文字お越し
外遊三昧の能天気(C)AP
「断じて許容できない」「厳重に抗議し、最も強い言葉で非難する」「さらなる独自制裁を考えていきたい」――。9日、今年2回目、通算5回目となる核実験を強行した北朝鮮に対し、安倍首相が厳しい口調で非難声明を読み上げた。
北は5日に日本の排他的経済水域に到達した弾道ミサイル発射に続き、初めて弾道ミサイルに搭載できる核弾頭の爆発実験に成功したと発表した。北の言い分通りなら、いつでも核ミサイルを発射できる体制が整ったわけだ。日本どころか、東アジア圏全体にとって最大の脅威である。
安倍がいきり立つのは当然とはいえ、自身の慢心が、かの国のクレージーな3代目にツケ入る隙を与えてしまったとも言えるのではないか。
安倍は8月中旬に今年2度目の夏休み入り。山梨の別荘に滞在し、ゴルフに明け暮れた後は外遊三昧。リオ五輪の閉会式で、スーパーマリオに扮して世界の嘲笑を浴び、8月25〜28日には初の現地開催となったアフリカ開発会議への出席のため、ケニアを訪れた。
9月に入ると、北方領土返還実現という“歴史的偉業”へのスケベ心を抱き、ロシアに急接近。8項目の経済協力をぶら下げ、極東ウラジオストクに向かって意気揚々とプーチン大統領との首脳会談に臨んだ。
当然、ロシアを敵視する米国のオバマ大統領にすれば、安倍の動きは面白いはずがない。そのためか、8日のASEAN関連首脳会談に合わせて調整していた日米首脳会談は急きょ見送られた。このタイミングで、北が核実験を強行したのは、日米関係にスキマ風が吹き始めたことと無縁ではないだろう。
北の狂ったような暴走は、能天気首相の“身から出たサビ”が招いたものだ。衆参ともに改憲勢力で3分の2を制し、国内に敵ナシのうぬぼれと、偉業達成へのスケベ心に満ちた外交に入れあげたツケで、したたかな北朝鮮にまんまと見透かされた格好である。
フィリピンまで中国に接近(C)AP
終わりなき軍拡競争の巻き添えを食うポチ外交
自らの軍事力を誇示する北朝鮮の大暴走に、安倍ひとりが逆上し、独自制裁を強めたところで何も進展はない。金正恩に狂った判断を改めさせるには、周辺諸国の一致団結が不可欠である。
各国がスクラムを組んで強く北を非難し、軍事強硬路線を深く後悔させるだけの制裁を加えなくてはなるまい。あるいは6カ国協議を再開させ、挑発の狙いと要求をハッキリと問いただしたうえで、落としどころを見極めることも必要だろう。
ところが、現実は北を除いた日・米・中・韓・露の5カ国の思惑はテンでバラバラ。足並みが乱れ切ったのは米国のアジア戦略と、それに唯々諾々と従う安倍のポチ外交が元凶なのである。
「オバマ政権のアジア戦略は大失敗です。アジア太平洋地域の軍事プレゼンスを高めるため、とにかく視野狭窄的な手段しか選んできませんでした。特に北朝鮮に対しては強行策の一本やりで、米韓合同軍事演習は年々エスカレート。ついには北朝鮮への先制打撃、金正恩体制の転覆と領土占領、吸収統一を狙った演習に成り変わってしまった。この北風路線が、北朝鮮にミサイル開発や核実験などの軍備拡張競争の口実を与えているのです」(国際ジャーナリストで早大客員教授の春名幹男氏)
米国のアジア戦略の失敗によって、今の朝鮮半島一帯は完全に「安全保障のジレンマ」に陥ってしまった。自国の安全を高めるため軍事同盟を強め、軍拡に走れば、それを脅威に感じた相手国も同じように軍拡に走るという終わりなき競争だ。こうして互いに緊張を高め合っていれば一触即発。ついには双方ともに望まない戦争に突入してしまう恐れもあるのだ。
■遠くからしか文句が言えないヤツと軽蔑される
当面、北の暴発を食い止めるには、日米韓に加えて中国やロシアを巻き込み、周辺国が一枚岩となるしか道はないのに、前出の春名幹男氏はこう嘆くことしきりだ。
「今年1月に北朝鮮が核実験を強行した際は、中国も制裁強化に同調する気配でしたが、そのムードに水を差したのもオバマ政権です。7月に米韓両国が最新鋭迎撃システム『THAAD(高高度防衛ミサイル)』の在韓米軍への配備を決めると、中ロ両国は猛反発。今や同調ムードはすっかり消え、北朝鮮に対する共闘路線は望めるはずもなく、金正恩をますますツケ上がらせる悪循環です。視野狭窄的な愚策の連続で、東アジア情勢を悪化させたオバマ政権に黙って従っているだけの安倍外交は何もやっていないのと同じなのです」
安倍も北の暴走を本気で止める覚悟があるのなら、中国の習近平国家主席に「今は大局に立ち、周辺国は一致団結すべきだ」と呼びかけるべきだろう。しかし、最近ではアジアでの安倍の存在感は薄れるばかりで、習近平には歯牙にも掛けられていない印象だ。元外交官の天木直人氏はこう言った。
「8日に閉幕したASEANに参加した際の安倍首相の態度も“情けない”のひと言に尽きます。中国の南シナ海進出について、李克強首相が不在の会議だと、中国の権益主張を退けたオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断を持ち出し、強気の意見の一辺倒。ところが、李首相が出席した会議では仲裁判断には一切、触れようとしない。杭州G20でセットされた日中首脳会談も同様で、いざ習主席の目の前に立つと、仲裁判断の順守を求めもせず、お得意の『法の支配の徹底』も呼びかけることもなかった。年内に日本で日中韓首脳会談を行う予定があるという事情は理解できても、こんな態度では“日本のトップは遠くからでしか文句を言えないヤツ”というレッテルを貼られるだけ。中国にはますますナメられ、ASEAN諸国からも軽蔑されますよ」
■この非常時に地球の反対側に向かう現実逃避
習近平の習近平による習近平のためのビッグイベントだった杭州G20に続き、今回のASEANも中国の独壇場だった。会議は終始、中国ペースで進み、安倍は端役に追いやられていた。
安倍が外交戦略の柱に打ち立てた「中国包囲網」の構築もすっかり形無しだ。中国とは弧を描くように対峙するASEAN加盟の10カ国のうち、もともと経済援助や投資などで関係の深いカンボジアやラオスを通じて、中国はASEAN切り崩しに成功。南シナ海問題の当事国で中国と対立していたはずのフィリピンの暴言大統領まで対中軟化に転じてしまって、日米両国ははしごを外されかねない情勢である。
「中東もダメ、欧州もダメで、世界の覇権国家の座を失った米国が残るはアジアのみとばかりに乗り出してきましたが、もはや行き詰まり。それに従うだけのポチ政権は、北朝鮮の暴発で一触即発危機の東アジア情勢に直面し、右往左往です。その対応を巡って肝心の近隣諸国と対話ひとつできないのは、訪問国数は歴代トップを誇りながら、安倍首相が何ら外交成果も挙げていないことを物語っています。ましてや今月末には、はるばるキューバに足を延ばそうとしているのですから、現実逃避もはなはだしい。この非常時にキューバを訪問して得られるのは、『日本の現職首相として初』という称号のみ。首相の軽挙妄動をいさめようとしないメディアも同じレベルでトチ狂っています」(天木直人氏=前出)
この混沌の時代に夜郎自大の無能首相をいただく国民は己の不運を呪うしかないのだろうか。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK212掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。