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プーチンは一筋縄ではいかない(C)AP
北方領土問題 プーチンの怖さをどこまで分かっているのか 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/189379
2016年9月8日 日刊ゲンダイ
よみうり時事川柳欄に「北方領カネがもの言う事有りや」という一句があったが、お見通しの通り、仮にも安倍晋三首相が盛んに口にしている「新アプローチ」が、ロシア極東地域の開発を中心とする経済協力「8項目」を並べ立てればさしものプーチンも領土問題で少しは柔軟な姿勢に転じるのではないかという「淡い期待」にすぎないのであれば、12月の日ロ首脳会談の失敗は避けられない。
日ロ関係に詳しい筋に聞くと、「いや、まさか安倍さんはそんな幼稚なことを考えていないと思いたいのだが、私たちにもその“新”の中身が伝わってこないのが不安だ。下手をすると、歯舞・色丹の主権は返還するが、ロシアによる2島への実効支配は認めろとか、その下で日本人の居住や日本企業の進出は基本的に自由にしてやってもいいぞとか、ただし米軍や自衛隊が基地をつくるのは絶対に認めないぞとか、限りなくややこしい話になっていって、気が付くと、経済協力のおいしいところはごっそり持っていかれている……ということにならなければいいのだが」と、相当心配している。
案の定、プーチンは5日、中国・杭州でのG20で記者団に「56年の日ソ共同宣言には2島を返還すると書いてある」と述べ、その2島の返還方式や主権の在りかが「検討課題」だと明言した。この発言を引用したモスクワ発時事電は、つまり「国後・択捉は領土交渉の対象外との考えを示した」と説明を付け加えている。
周知のように、日本側ではこれまでも、2島+国後の「3島返還」とか、さらに択捉の西部4分の1を付け足した「面積均等割り」とか、小手先の策を繰り出したこともあったが、5日のプーチン発言を聞く限りそれは通用しない。また仮にそれが交渉に上ったとしても、主権の所在やその後の実効管理方式については気の遠くなるほどの難しいせめぎ合いを余儀なくされることに変わりはない。
この問題の第一級のプロである佐藤優も「どのような腹案が日本政府にあるのかが全く見えてこない」と言っている(2日付東京新聞コラム)。
12月のプーチン来日を自分の地元=山口県で迎えるという、いかにもの演出だけが先走っているけれども、中身でコケたら、それが安倍政権急失墜のきっかけとなることも十分にあり得よう。安倍は、オバマをも手玉にとる当代随一の戦略家プーチンの怖さを、どこまで知っているのだろうか。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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