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2016年09月05日
既得権益内で不貞腐れている準与党化した「民進党」に、何か明るい兆しがあるのだろうか?鳩山由紀夫・小沢一郎路線の、旧民主党(本来の民主党)のシンパであった筆者としては、何とかなって貰えないかものかと、僅かな光を頼りに観察してきたが、この政党は、日本維新の会と合併しても、当然のことだが、「連合」と云う集票マシンの影がついて回る。根本的に、「連合」と云う組織は、日本社会のエリート層の末端にある組合組織であり、決して“弱者”ではないと云う現実である。原則、官公労、大企業製造業(経団連)の正社員によって組織されている労働組合であり、一部で、権力層と対立点は持っているが、同じ船に乗っている、生命共同体意識下においては、日本社会のエスタブリッシュメントの末端にある人々の組織である。つまり、準権力構造内の組織と云うことだ。である限り、民進党も権力政党内にある政党と見ることが出来る。
全国5紙+東京新聞の民進党代表選に関する“社説”を読み比べてみた。日経新聞は、民進党代表選など歯牙にもかけないと、無視を決め込んでいる。完全に、馬鹿にされたも良いところである。が、しかし、筆者が社説担当の論説委員であっても、書かなかったかもしれない(笑)。理由は、上述の通りで、安倍自民党と、国民生活において、大差ないのだ。本人たちは、お猪口の中の嵐でも、大変な違いくらいに思い込んでいるが、見ず知らずの人間から見たら、同根から生えた枝ぶりの違い程度で、根こそぎ、その木を倒して薪にでもしてしまえば、同時に消えてゆく存在と云うことだ。これでは、野党ではないだろう?根本が同じで、その政策の強弱を“政権選択の争点”そんな、微細な差異を、日本の有権者が理解する筈もない。そんなことは、鼻糞ほじりながらでも判ることだ。
毎日新聞が、岡田前代表が、東京都知事選投票の前夜に不出馬表明したことに触れて、民進党(旧民主党)の無責任体質に触れているが、ことは、そんな直近の無責任体質云々以前の問題が横たわっている。09年、国民の熱狂的支持、大いなる期待を背に、堂々登場した鳩山民主党政権が、1年も経ずに、瓦解し、もっと酷い奴らが、とっかえひっかえ出てきて、国民の期待の逆さまを演じたことに関して、真摯な「総括」も、血の出るような「反省」そして、「改革」を何ひとつせずに、あたら時間を経過させただけである。要は、ここの部分が有権者に伝わり、本気で、その生まれ変わった「政党」を、有権者に提示できるか、そのスタート時点を間違っているのだから、幾ら一番にテープを切っても、失格になるのだ。ビデオニュースドットコムのニュースコメンタリーは以下のように論じている。
≪ 民進党は政策論争をしている場合なのか
民進党の代表選挙が公示された。
立候補した蓮舫参院議員、前原誠司衆院議員、玉木雄一郎衆院議員の3候補は、9月2日に行われた討論会で、「党の立て直し」を共通認識としてたうえで、野党共闘やTPPに対する姿勢やアベノミクスへの評価などの政策での違いをアピールした。
台湾人の父を持つ女性候補者の蓮舫氏や、元財務官僚で当選3回の若手である玉木氏が、若手の自分らが代表になれば民進党が変わったことが証明でき るとアピールしたほか、民主党政権失敗の「戦犯」を自認する前原氏は、失敗を認めた上で土下座して出直すと語るなど、それぞれの立場から代表選への抱負を語った。
候補者が出揃い、9月15日の投開票に向けて論戦を繰り広げることになるが、どうも世間の目は民進党に向いていない。それは一重に、民進党が有権者から、再び政権を担える政党に生まれ変わったとは思われていないからだ。
過去3年あまり選挙に負け続けてきた旧民主党、そして民進党では、選挙に負けるたびに解党的出直しの必要性が叫ばれてきた。しかし、実際に解党的 な出直しが断行された様子は一向に見えてこない。酷な見方かもしれないが、ともすれば二大政党制を前提とする現在の選挙制度の下で、常勝ならぬ常敗野党としての地位に安住しているかのようにさえ見える。
確かに今回の代表選は過去の民主党の代表選挙と比べると、新しい顔ぶれが目立ち、清新な印象が際立つ。鳩菅、小沢、岡田の時代から時計の針が大きく進んだ感は強い。3人の中では古顔に属する前原氏でさえ、まだ53歳だ。蓮舫氏は48歳、玉木氏は47歳だ。
3候補はいずれも政策に通じているし、弁も立つ。しかし、どんなに素晴らしい政策を訴えても、それを信用してもらえなかったり、そもそも話を聞い てもらえなければ、何の意味もない。とすると民進党代表選の真の争点は、民進党が再び真に受けてもらえる政党になるために、新代表は何をするつもりなのかにかかっている。
2日の記者会見でも、代表3候補は口を揃えて、民進党が安倍政権の対立勢力になれていないことへの悔しさを訴えた。しかし、では民進党が再び自民 党のオルタナティブになるために何が必要で、自分が代表になった時、それをいかに実現するかを明確に答えられた候補は、残念ながらいなかった。
8年前の総選挙で日本は戦後初めて、選挙の投票による政権交代を実現させた。これは日本の民主主義にとっては歴史に残る快挙であり、また賭けでも あった。これまで日本という国の舵取りを自民党一党に任せてきた日本の有権者が、初めて全く別の勢力に日本を託した。その裏にはとても言葉では言い表せないほどの大きな期待と、そして不安があった。
日本の有権者は、そのあまりにも大きな期待が裏切られた時の心の傷から回復できていない。民進党は有権者のその傷を癒し、日本の民主主義や政党政 治に対する自信を回復させる、とてつもなく重い責任がある。自分たちが再び信用されるように努力するなどと言っているだけではまったく不十分なのだ。
その意味で民進党にとって致命的なのは、旧民主党政権の失敗の総括が不十分なことだ。政党名を変えただけで過去の失敗が洗い流されるわけではない。失敗を厳しく総括した上で、その失敗が起きた原因や構造を改めて問い直し、その背後にあるガバナンスの仕組みや組合依存体質といった党の構造を根本か ら変革する。それができて初めて解党的出直しとなる。
この代表選挙で、少なくともその認識と方向性を見せることができるかどうか。それは誰が今回の代表選に勝つかなどという枝葉末節よりも、遥かに大きな、日本の民主主義の根幹に関わる問題だ。それが今、民進党に問われている。
政権から転落して3年経った今も、まだ民進党が有権者の信頼を回復できない理由を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。 ≫(ビデオニュースドットコム>ニュースコメンタリー:神保哲也・宮台真司)
安倍一強に歯向かう前に、民進党は、ホンマ物の「解党的出直し」をするのかしないのかと云う問題に、正面から挑まない限り、政権交代可能な野党としての存在感はゼロだろう。今回の代表選で、誰が勝つか負けるかなど、まさに枝葉末節だ。有権者の興味ある政治テーマは、景気・雇用、社会保障がメインであり、後は、その都度考える程度の有権者なのだ。まあ、多少の知識があり、真っ当な市民であっても、日米同盟、普天間基地、日米地位協定、安保法制、エネルギー問題(原発問題)、地方の活性化、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)における、安倍自民党政権との違い。対抗軸たり得る「政策論」を持っているのか?持っていない。辺野古移設を決定したのも「民主党」、消費増税を決めたのも「民主党」、TPPを持ちだし、道筋をつけたのも「民主党」、大犯罪企業・東京電力を救済したのも「民主党」原子力規制委員会と云う鵺のような機関を作ったのも「民主党」、東日本大震災の復旧復興で、中央集権体制を強化したのも「民主党」、“コンクリートから人”の党是を、“人からコンクリート“に変えたのも「民主党」‥等。悪政の限りを尽くしたのが「民主党」。代表選に出ている顔ぶれも「民主党」。
上記のように、民進党(旧民主党)の根本問題を数え上げるとキリがない。こてほど、酷い政策を断行し続けた「政党」が、仮に「解党的出直し」が出来たとして、有権者は、何を期待したら良いのだろう。現時点では、三候補から、目新しい党のビジョンは語られていない。99.99%今後も語られることはないだろう。つまりは、社交辞令で「頑張ってね」と言うのが関の山で、虚しい応援歌に過ぎない。筆者は、「民進党」に、これっぽッチも期待してない。むしろ、公明党や、自民党のリベラル勢力の蜂起(謀反)の方に期待する。場合によれば、共産党を中心にした「左派リベラル政党」の出現の方が、余程政権交代の可能性を感じる。
上述のような政治的ダイナミックが起きるためには、「アベノミクス」のパンデミック的な大クラッシュ。朝鮮半島における戦争、南シナ海、東シナ海における紛争ぼっ発と自衛隊員の戦死。米露開戦に引き摺り込まれる自衛隊‥等だが、後者二つの場合、緊急事態発生を理由に、民主主義的手続きを一時停止して、その時現在の政権が、白紙委任的に“立憲主義の治外法権”に至るだろうから、好ましい選択をさせて貰えず、地獄がロックする。やはり、望ましい政治的ダイナミックは、「アベノミクス」のパンデミック的な大クラッシュと云う事になるようだ(笑)。
正直、各紙の社説等々も、これといった提言が書かれてはいなかった。わざわざ、参考引用するレベルのものは見当たらなかった。あぁ、全国紙ではないが、一社だけ、こんなボロ糞な「民進党(旧民主党)」に対し、愛情を感じる「社説」を載せていたのが、野党共闘で大きな成果を上げた、東北選挙区にある河北新聞の社説だったので、参考引用しておく。
≪ 民進党代表選告示/土俵際の覚悟で再生論争を
3月の結党後初となる民進党の代表選がきのう告示され、蓮舫代表代行(48)、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の三つどもえの争いになった。
「アベノミクス」一本やりの安倍政治に、野党第1党としてどんな対立軸を構築していくのか。女性、ベテラン、新鋭が独自のビジョンを掲げて論戦を交わし、旧民主党政権の失政で地に落ちた国民の信頼を取り戻す機会にしなければならない。
党を取り巻く情勢は極めて厳しい。民主党時代に下野して以降、支持率は10%前後に沈んだまま。現在の安倍政権に衆院選2回、参院選2回の4連敗を喫している。
安倍政権は、その数の力で特定秘密保護法や安全保障関連法を押し通した。国民に強い懸念があったにもかかわらず、なぜ民意の受け皿になり得なかったのか。その猛省なくして再生の道はない。
まず求められるのは、民主党時代から染みついた、旧態依然としたままの体質の変革である。選挙は風頼み。逆風が吹くと、路線対立が激化してごたごたした揚げ句、離合集散を繰り返す。こうした「寄り合い所帯」の悪弊から決別しなければならない。
改憲勢力が衆参両院で、発議に必要な3分の2を確保した。今月召集の臨時国会の憲法審査会で、本格的な論議が始まる。問われるのは憲法改正に対するスタンスだ。
3氏は9条などで温度差があるものの、改憲そのものには反対していないようだ。しかし、どこを見渡しても、経済・財政・外交の諸課題を後回しにして、今、緊急に手を付けなければならない憲法上の課題は見当たらない。
安倍晋三首相の執念ともいえる改憲路線に歯止めをかけるのが、むしろ民進党の重要な役割ではないか。初めに改憲ありきのような「お試し改憲」の論議に、安易にくみするべきではない。
岡田執行部がかじを切った野党共闘路線を踏襲するかどうかも争点の一つだ。 先の参院選では、32ある1人区全てに共産、社民、生活の3党と候補者を一本化。東北の5選挙区をはじめ11勝し、一定の効果を発揮した。ただ、党内や支援組織には保守層の離反への懸念や、政権選択につながる衆院選での共闘に疑問の声がある。
こうした党内事情を反映して3氏は共産党との連立には否定的だ。共闘について蓮舫氏は4党の枠組みを維持する姿勢をにじませる。前原氏は「いったんリセットした方がいい」、玉木氏は「共産とは一線を画す」と距離を置く。
いずれにしても、民進党の単独では与党の強固な壁を突き崩すには力不足。どのように政権を奪取していくのか、その道筋を明確にすべきだ。内向きの論理の説明では国民が納得すまい。
今回の代表選は、土俵際に追い込まれた党の再生に向けて、最後のチャンスといっていいのではないか。
「顔」を変えただけと受け止められる結果に終われば、次期衆院選でも、さらに厳しい民意を突き付けられるだろう。3氏はその覚悟を持って戦ってほしい。 ≫(河北新報社説9月3日付)
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