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小林節「自民党改憲草案を糺す」 <第13回> 憲法尊重義務を負う国民を政権が管理する異常
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188996
2016年9月1日 日刊ゲンダイ 文字お越し
小林節氏(C)日刊ゲンダイ
自民党の改憲論者が口を揃えて語ることのひとつに、現行憲法の前文は「悪文」だという主張がある。確かに、あの翻訳調の前文が日本語として美しいか否かは議論のあるところであろう。しかし、法文としての価値はまず何よりもその内容について問われるべきものである。
そういう観点から自民党改憲草案前文を一読してみると、その不当性は自明である。
まず、国家統治の基本法として、前半で、天皇制、国民主権、三権分立、平和主義を明記しているところは、まっとうである。
ところが、後半には「国民道徳」としか呼びようのない事項が列記されている。つまり、「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる」と、まるで私たち国民が自らを律する「決意表明」のようなことが書かれている。
これは大切な点なので繰り返しておくが、憲法とは、一時的に権力を預かっているにすぎない政治家以下の公務員がフライングをしないように、主権者国民が課した規範である。にもかかわらず、自民草案前文には、主権者国民自身が「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」「和を尊び」「家族や社会全体が互いに助け合って」と、法的内容というよりもむしろ「道徳的事項」について自ら誓う、場違いな文章が掲げられている。
それは、「憲法の有権解釈権を有する政権が、憲法擁護業務として、『憲法尊重義務を負う国民大衆』を管理する」(草案102条)という異常な憲法観の下で起草された前文だからであろう。
以上に説明したように、現に絶対多数の議席を有する政権が、今、憲法を改正して、それにより、自分たちの権力を固定する選挙制度を作り、その新憲法の下で、国民に、日の丸・君が代に敬意を払え、家族仲良くせよ、国防に協力せよ……と命じようとしている。私たちは、愚民でなければ怒るべきである。
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