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先の参院選結果を「惨敗」と認識すべし(C)日刊ゲンダイ
重要テーマで曖昧なままの民進党に「再出発」は無理だ 永田町の裏を読む
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188903
2016年9月1日 日刊ゲンダイ
民進党の代表選が迫ってきたが、マスコミが書くのは「何グループがどちらについた」といった話ばかりで、同党がこれを通じて、どういう理念・政策を再構築して政権奪還を目指すのかという肝心要がいっこうに見えてこない。そうなってしまうのは、そもそも同党が、先の参院選結果を「惨敗」と認識しておらず、従ってその原因を真剣に分析して再出発しようとしていないからである。
惨敗の最大の理由は、理念・政策の貧弱さゆえに、「争点形成」にことごとく失敗したことである。失敗の第1は、岡田代表が先走って「消費増税再延期」に賛成し、自分の方からこれを参院選の争点から外したことである。アベノミクスが失敗したからこそ再延期せざるを得なくなったのだから、その責任を徹底追及すべきだったし、その上で、もともとこれは野田政権時の3党合意「税と社会保障の一体改革」のための財源措置だったわけで、上げる上げない、いつ上げるかという問題以前に、ガタガタに老朽化した社会保障制度全体を改革して「日本型高度福祉社会」をつくり上げるためのプランを示して、その論争に与党を引き込む知的イニシアチブが必要だったろう。
失敗の第2は、昨夏に国会前をはじめとしてあれだけ盛り上がった安保法制反対、立憲主義擁護の市民的パワーを参院選につなげることができなかったことである。確かに、1人区すべてで「安保法制反対」を基本的な一致点にして野党統一候補を立て、そのうち11の選挙区で勝利したことは、重要な成果である。しかし、共産党が9月に野党共闘を提起してから民主党(当時)は党内および連合の反共主義との調整に何カ月も手間取って、そのタイムラグが、安保・憲法を参院選の争点に仕立て切れない結果を生んだ。「共産党はシロアリだ」とか言って足を引っ張ってきた張本人である前原誠司が、今さら野党協力を是認するかのことを言っているのは噴飯ものである。
第3に、野党統一候補が勝った11区では「安保・憲法」が中心争点ではなかった。沖縄はもちろん辺野古移設が唯一の争点であったし、東北・甲信越での8勝1敗には農家や消費者のTPPへの怒りが大きく影響した。福島や、同時に行われた鹿児島県知事選では原発がテーマだった。ところが民進党は、この3つの重要なサブテーマすべてで曖昧で、その勝利にろくな貢献はしていない。安保・憲法でも、基地・TPP・原発でも党内を政策的に整理できないようでは、永遠に政権交代はない。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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