龍作さん相変わらず頑張ってるな。戦争法案が国会で審議されている頃、国会の周りでは市民が抗議の声をあげていた。したがって大量の警察官が動員されていた。私は国会審議の傍聴が終わったので地下鉄に乗って帰ろうとしたが警察官にここから先には行ってはいけないと制止された。緊迫した状況は何もないので、理由や法的根拠を問いただしたが、そのように指示されているというだけ。
当然責任者呼んでこいということになる。何も応えないのでそのまま突破しようとしたが、周りを見ると私服でイヤホンをつけている人たちが大勢いる。顔はあっちこっちを見ているが視線だけはこちらを注視している。もし私が警察官を押しのけ制止を振り切ろうとした瞬間この人たちが襲い掛かってくるのは目に見えている。それは以前経験したことだからだ。羽交締めだの首絞めなどえらい目にあったことがある。
ヘタレの私はすごすごと逆方向に歩き出した。すると「横断歩道ぐらい渡らせろ」と怒鳴りながら警察官の制止を振り切って歩いてくるオヤジがいる。田中龍作だった。
この法案審議の傍聴で二回龍作さんを見かけた。しかも二回とも立ち見で傍聴している私の横に現れた。尊敬しているジャーナリストなので何か声をかけようとしたが緊張してできなかった。ところが二回目の時、龍作さんから声をかけられた。前の席が空いたので座りませんかと言われた。あなたこそ、いやあなたこそという大人の儀礼的な会話の後、龍作さんが座ることになった。
小沢一郎と政治とカネなどとマスコミが騒いでいた頃、森ゆうこや市民活動家などが憲政会館でマスコミの偏向報道糾弾集会を開催した。入れない人もいたが、後ろで立ち見をしている人も大勢いた。通路を挟んで私の右側にいた人が立ち上がり、席が一つ空いているので誰か座りませんかと立ち見の人に呼びかける人がいた。当時IWJという名称があったかどうか定かではないがIWJの岩上安身だった。
私は物事の判断基準の根底を人間性に置いている。その人間性を見分ける方法は主義主張や議論の内容などから判断するのはなかなか難しい。なぜなら人は誰でも自分を良く見せようとしてあらゆる工作をするからだ。選挙に立候補するときに、私はパンツ泥棒ですとか、ドリルで証拠隠滅しましたとかということは言わない。SMの趣味があるとか、ホモですとかもあまり言わない。ホモが悪いわけではないが。
人間性を判断するにはその主題に関わることよりも、それとは無関係な何気ない日常の一挙手一投足を観察することの方がよく分かる。田中龍作も岩上安見も反社会的な事柄には厳しいが、人には優しい。これが人間の基本的な条件である。
多くの国民が何かの政治的判断をするときに全ての学問的知識を身につけて判断することなどできない。特に政治、経済、伝統などの事柄はどんな学問の権威だと言っても真逆の判断をすることがよくある。なぜそうなるのか。それは主に人間性の問題である。ある政策を立案するときに、それが他者や社会全体にとって良いことなのかということを考える人と、自分にとって都合がいいのは何かということを考える人とは方向が真逆になるのは当然なことである。
稲田朋美は自民党が野党の時には、TPPは売国法案などと言っていたが、今はTPP賛成である。自民党が野党だとか、与党だとかによって、TPPが売国になったり国益にかなうものになったりするわけがない。交渉を主導したのも甘利だし。TPPの良し悪しは細かな条文の内容を理解していなくても判断することができるだろう。
辺野古や高江の基地建設に賛成しているのは、安倍政権、自民党と補完勢力、売国官僚、経団連、カルト、似非右翼、レイシスト、ネオナチ、障害者殺人犯、マスコミの言うことを信じる思考停止したバカ国民といった社会のクズやゴロツキである。
一般の国民は政策や立法の中身の全てを把握していなくても、それに反対、賛成する人の人間性を見れば相当の確率で正しい判断をすることができるのである。

４＞さま
文章が非常に読みやすく、
15＞さまへの同感の時間が著しく短縮されました。
きゃははっ (^o^)