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日銀とGPIF 「官」が上場企業の大株主という異常事態 金子勝の「天下の逆襲」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188835
2016年8月30日 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授 日刊ゲンダイ 文字お越し
9月にアメリカの利上げはあるのか(イエレン米FRB議長)/(C)AP
3年半も「異次元の金融緩和」を続けた結果、日本銀行の国債保有額は400兆円に近づき、ETFと株式の保有額も8兆9000億円に達している。問題は、そのために、国債市場も株式市場も機能不全に陥りつつあることだ。
マイナス金利を導入したために、民間の金融機関は国債を安定資産とは見なさなくなっている。満期まで保有すると損失が生じるからだ。その結果、ますます日銀が購入するシェアが大きくなり、民間の取引が減っている。
株式市場も本来、株価は企業業績や日本経済のパフォーマンスの指標なのに、いまや株式市場は、アメリカの利上げと日銀によるETF買いを見て動くありさまである。
しかも、株価が下落すると、株式を大量に持つ日銀は巨額の“含み損”を抱えてしまうため、損失が生じないようにETFを買い続けなければならない。その結果、日銀が大企業の筆頭株主になるという異常事態まで起きている。すでにヤマハの筆頭株主は日銀である。来年にはセコムやエーザイ、電通の筆頭株主にもなりそうだ。日銀だけではなく、GPIFも、三菱UFJFGや三井住友FGの筆頭株主になっている。
中央銀行やGPIFといった「官」が筆頭株主になると、株主チェック機能が失われてしまう。もし日銀やGPIFが大株主として企業に口出しすれば、日本の一流企業が事実上、国有企業になってしまう。口出ししなければ、企業経営者は政府の顔色をうかがいながら、それに反しない限り、やりたい放題になってしまう。企業が経営破綻すると、大株主である日銀やGPIFは大損するので、最後には救済されるというモラルハザードも起きかねない。官製相場は、株式市場から経済指標という機能を奪っただけでなく、株主による経営監視機能もマヒさせようとしているのだ。
そもそも、90年代末、企業同士の“株の持ち合い”を批判され、日本は持ち合いを解消し、個人株主を増やそうとしたはずだ。なのに、いまや「官」が大量に株を保有しているのだ。
安倍首相の祖父、岸信介は統制経済の先導者だった。安倍首相は、日本を戦前のような統制経済にするつもりなのだろうか。
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