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年金損失桁外れ 日銀の爆買いなければ株は14000円
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188714
2016年8月27日 日刊ゲンダイ 文字お越し
高いゲタを履いた株価(C)日刊ゲンダイ
また大損だ。国民年金や厚生年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が26日、2016年4〜6月期の運用結果を発表したが、5兆2342億円の赤字だった。16年1〜3月期も4兆7990億円の赤字だったから、2四半期連続のマイナス。半年間の損失額は10兆円に膨らんだ。
14年10月から株式比率を大幅に引き上げた結果がこのザマだ。
「長期運用だから、長いスパンで見て」とGPIFは言い訳するが、運用資産が130兆円と巨額なのをいいことに、株高維持の邪な思惑に利用させられ、強制的にリスクを取らされているのが、我々の年金だ。
今の安倍政権には、年金が庶民にとって“老後の虎の子”だという感覚が完全に欠落している。ETF(上場投資信託)をジャンジャン買い増し続ける日本銀行同様、株価を下支えしてくれる「クジラ」のひとつとしか思っていないのだ。
もっとも10兆円の損失では済まない衝撃の事実がある。異次元緩和の一環で日銀がETFの買い取り枠をどんどん広げていった結果、現在の日経平均株価は高いゲタを履かせてもらっているというのである。
それを暴露したのは日経新聞(23日付)の「スクランブル」というコラム。「日銀のETF買いによって、相場に経験則が効かなくなっている」というものだが、中にこんな記述がある。
〈13年以降の株価と為替相場の関係から試算すると、1ドル=101円なら日経平均は1万4000円台半ばになるはず。今の株価との約2000円の差は「日銀効果」といえる〉
■適正価格が不透明になった
これは、どういうことなのか。経済評論家の斎藤満氏に解説してもらった。
「安倍政権になって2013年以降、株式と為替の連動が色濃くなりました。外国人投資家がアベノミクスを利用して日本株を買い、為替ヘッジで円を売るようになったからですが、その連動から見ると、確かに1ドル=101円の時の株価は1万4000円台でした。その後、1ドル=125円時の株価2万700円をピークに、再び円高になり株価は下落しています。ところが、26日は1ドル=100円なのに、日経平均株価の終値は1万6360円。つまり2000円分が底上げされていることになります。日銀のETF買いが株価を支えているからであり、その日銀の威力を信じてマーケットも買いに入る。その結果が、2000円の差となっているわけです」
つまり、日銀によるETF買いがなければ、株価はもっと暴落し、年金資産はもっともっと莫大な損失を出していてもおかしくないのである。株価下支えのクジラがいてよかった、などとごまかされてはいけない。これはマトモじゃない。
「日銀がマーケットの需給を歪めた結果、株の正当な価値が不透明になってしまった。適正価格がわからない商品なんて、投資家は怖くて買えません。だから日銀がせっせとETFを買っても、日本株から手を引く外国人投資家が出てきているのが現状です」(斎藤満氏=前出)
前代未聞の官製相場は今、この国の経済を根幹からむしばみつつある。
歪んだ市場に誰がした?(C)日刊ゲンダイ
日銀が超有名55社の筆頭株主という異常
日本の金融市場で起きている異常事態。日銀が筆頭株主という大企業が激増しているのも、そのひとつだ。
今月15日のブルームバーグの記事によれば、8月初旬時点で日経平均株価を構成する225銘柄のうち、ナント75%で日銀が大株主上位10位以内に入っているというのである。
加えて、日銀が先月29日の金融政策決定会合で、ETFの購入枠を従来の倍の6兆円に広げたことで、17年度末には55銘柄で日銀が筆頭株主に躍り出るという。ヤマハ、セコム、カシオ計算機、エーザイ、京セラ、三越伊勢丹HDなど超有名企業ばかりで業種も多岐にわたる。
中国じゃあるまいし、筆頭株主が日銀だなんて、それでも純粋な民間企業と言えるのか? 事実上の“国有化”だが、ETFを信託銀行や証券会社を通して買い入れている日銀は直接、企業の経営に口出しすることはない。そうなると、おかしな歪みが生じる恐れがあるという。
シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏がこう言う。
「本来、株式は企業の将来性を期待して買うものです。しかし日銀は、将来性に関係なく金融政策のためにETFを購入し、その結果、日経平均株価を構成する225社のうち代表する55社の筆頭株主になる。これはとんでもないモラルハザードを起こします。業績に関係なく株式を保有し続け、経営者に何も要求せず、お金だけ出してくれる。そんな沈黙の筆頭株主がいたら、経営者はまともに経営しなくなり、規律が緩み、会社は腐ってしまいますよ」
そんなことは無関係とばかりに、即物的なマーケットは日銀の株価買い支えを見越して、儲けに走る。前場のTOPIXが一定割合下がれば、後場に日銀が買い出動すると見られていて、それを見越して“先回り”して買う「日銀トレード」がいまやマーケットの常識になっているという。
日銀を中心に株式市場が回る。これを異常と言わずして何と言うのか。
■高値づかみのGPIFでは損失拡大必至
クジラがいなけりゃ、本当の株価は大暴落―─。だから安倍政権は、そんな恐ろしい現実に国民の目を向けさせないよう必死で、ますますクジラに頼るという悪循環に陥っている。だが、むちゃくちゃな経済政策が永遠に続くわけがない。歪んだ官製相場はいつか破綻する。
「日銀がETFを売れば株価が暴落してしまうでしょうから、簡単には売れません。一方で、日銀が買い取ってくれるからと、投資家は気兼ねなく売って利益確定できます。株式市場に最後に残るのは、日銀と、日銀にコバンザメのようにくっつく二流の機関投資家だけでしょう。日銀が国債を買い尽くし、ETFを買い尽くすのも時間の問題です。そんな狂った金融市場から外国人投資家が逃げ出していくのも当然です」(田代秀敏氏=前出)
狂った金融市場……。まさにそう断じるしかないのが今のこの国の現実であり、マトモな投資家はさっさと手じまいを始めている。
だいたいGPIFが運用する年金資産にしたって、株価を下支えするために株式市場にムリヤリ投入され、それでも株価が下がれば、年金資産は減っていく。まるで自分の足を食べて、生きながらえるタコみたいなもんだ。どう考えてもおかしな話なのである。
「外国人投資家は12年末ごろから、日本株を買い出しましたから、GPIFが株式比率を引き上げた14年10月には、かなり株価が上がってしまった後でした。とんでもない高値づかみをしているのですから、株価が下がれば損失がどんどん膨らむのは当然です。このままでは、掛け金の分の年金ですら払ってもらえなくなりますよ。今はマイナス金利で債券の評価額が上昇していますから、これまで通り国債主体の運用をしていれば、この4〜6月期は2兆円近くの運用益が出ていたはずです。債券比率を下げてしまいましたから9383億円にとどまりました。専制君主のような安倍首相が、支持率を上げるために株価を上げるという不純な動機にGPIFを使った結果、国民が痛い目を見る。バカなことをしてくれました。早く止めないと悲惨なことになります」(斎藤満氏=前出)
これが亡国政治の恐ろしい結末だ。支持率と政権維持しか眼中にない安倍政権と、その手下となって動くGPIFに全てを任せていたら、我々の年金はいつか底をついてなくなる。これは冗談ではないのである。
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