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小林節「自民党改憲草案を糺す」 <第7回>改憲は不要 天皇の生前退位は難しい問題ではない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188423
2016年8月24日 日刊ゲンダイ 文字お越し
「改憲は不要、法律改正でいい」と語る小林節氏(C)日刊ゲンダイ
この連載では自民党の改憲草案の問題点や私なりの対案を書くつもりだったが、その途中でにわかに浮上してきたのが天皇陛下の生前退位の問題だ。内閣法制局は生前退位には改憲が必要と指摘し、この問題が一部の改憲派を勢いづかせている。しかし、そんなことは断じてないのであって、そこをこの連載でも指摘しておきたい。
◇ ◇ ◇
今上天皇陛下が生前退位のご意向を表明した。その内容はもっともな話である。生身の人間として、高齢により、代わりの利かない象徴としての公務を十分に果たせなくなってきている。現行制度のままでは、天皇の代替わりの際、皇室には前天皇の喪に服す期間と新しい時代(元号)の始まり(慶事)が重なり、大きな負担になる等。
それを実現するためには、いくつかの難点があると指摘されている。まず、天皇は皇室典範(法律)の改正という政治にかかわってはならない(憲法4条)。また、前天皇の称号(例・上皇)と皇太弟の地位などについても、法改正が必要になる。前天皇が天皇以上の権威性を持ってしまったり、生前退位の強要が行われたら困る等。しかし、いずれも問題ではない。
まず、皇位の継承は本来的に皇室という特別な家庭内の相続の問題である。現行憲法は、世界一長く続いた王家としての天皇制を、国民主権と象徴性という条件付きで受け入れている。だから、皇位の継承は、先例と当事者の意向に従って遂行されればいいはずである。となると、125代の歴史の中で生前退位の例はいくらでもある。また、上皇や皇太弟にも先例がある。しかも、前述のように、今上天皇陛下のご意向はもっともで、それは世論の共感も得ている。だから、内閣の判断として改正法案を提案し、国会では議論するまでもなく、全会一致で可決すればいい。
残る運用上の難点も杞憂であろう。まず、上皇が天皇以上の権威性を帯びて象徴天皇制と矛盾してしまう危険性であるが、昭和、平成と2代続いた象徴天皇制の実績の延長線上で、上皇は静かな老後に入るだけで、それが天皇以上の権威性を示し得る公的場面などありようがない。また、天皇に対する退位強制など、象徴天皇制の下では起こりようもない。仮に何かの間違いで退位強要を試みる者が現れたとしても、内閣と皇室会議が正常に機能している限り、それは必ず阻まれるはずである。
だから、この問題をいたずらに難題であるかのように構えて、結果的に今上天皇陛下の崩御を待つような愚は避けるべきであろう。
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