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小林節「自民党改憲草案を糺す」 <第6回>軍事大国目指す新9条案の三は徴兵制の根拠になる
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188340
2016年8月23日 日刊ゲンダイ 文字お越し
小林節慶大名誉教授(C)日刊ゲンダイ
自民党改憲草案9条は、「平和主義」というタイトルで、その1項で、「国権の発動としての戦争を放棄」し、かつ、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段(つまり、国際法上の用語として「侵略目的」)としては用いない」と規定している。要するに、侵略戦争の放棄と自衛戦争の留保である。だから続けて2項で「自衛権」を明記している。
これは、独立主権国家としては当然のことで、世界の常識にかなう。
ところが、次に9条の二の3項で、「国防軍は……法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動……を行うことができる」と規定している。これは、法律つまり国会における単純多数決で国際貢献(という名の海外派兵)ができる……という意味である。
しかし、海外派兵は、海外で戦争に参加するということで、それはわが国の命運にかかわる大問題である。だからこそ、現行憲法は、9条2項で、「軍隊」(つまり、国際法上の戦争の道具)と「交戦権」(同じく戦争の法的資格)を自らに禁じ、海外派兵を不能にしてある。それを自民党草案では、国会の多数派つまり時の政権の意向でいつでも海外派兵ができる国に変えてしまうことになる。しかし、海外派兵は「国連安全保障理事会の決議がある場合に限り、さらに国会の事前承認を得てから行う」(私案)のが責任ある平和大国日本としての矜持ではなかろうか。
自民草案は、さらに9条の三で、「国は、……国民と協力して、領土、領海及び領空を保全……しなければならない」と規定している。これは実は徴兵制の根拠になり得る。つまり、国(首相)が真剣に防衛努力をしようにも国民の非協力で兵員が不足した場合に、国は、前述の憲法に規定された国防「協力」義務を根拠に国民を強制的に兵役に就かせる徴兵制度を立法することができる。
このように、自民党の新9条案はわが国を普通の軍事大国にしようとするものである。しかし、それでは、第2次大戦における敗北の後に憲法9条の下で築き上げてきた世界で唯一の(自衛はするが)「戦争はしない」大国としての実績が台無しになってしまう。
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