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防衛庁に設置される「PAC3」/(C)日刊ゲンダイ
北朝鮮の弾道ミサイル迎撃は戦時中の“竹やり訓練”と同じ 日本外交と政治の正体
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188118
2016年8月19日 孫崎享 外交評論家 日刊ゲンダイ P7 文字お越し
北朝鮮による弾道ミサイル発射の兆候が事前につかみにくくなっているとして、政府が警戒・監視を強める方針を打ち出した。
自衛隊に対して「破壊措置命令」を発令し、迎撃ミサイル「PAC3」を防衛省に設置するとともに、高性能レーダーを備えたイージス艦を日本海に向け出港させた。
国民の中には、これで日本は北朝鮮のミサイルに対する防衛力が高まった――と思う人がいるかもしれない。しかし、それは全く違う。
まず日本への攻撃が可能な北朝鮮の中距離ミサイル「ノドン」は、山中などに200〜300発配備されている。落下する際の速度は、秒速2000〜3000メートル。移動式発射台の利用も可能で、ミサイル発射を事前に捕捉するのは不可能だ。
これに対し、防衛省に配備された迎撃ミサイル「PAC3」は、速度はマッハ5(秒速1700メートル)で、飛行距離は15キロメートル。つまり、迎撃ミサイルの方が、攻撃してくるミサイルの速度より遅いのである。さらに当然のことだが、迎撃ミサイルは上空に向かって発射される。飛行距離が15キロであることを考えると、地上でカバーできる範囲はミサイル配備場所の半径数キロ程度しかない。これでどうやって撃ち落とすというのであろうか。
仮に命中したとして、「ノドン」と「PAC3」の残骸はどうなるか。「ノドン」は大気圏に突入しても燃焼しないように作られているため、残骸は確実に地上に落ちてくるだろう。
要するに「PAC3」で「ノドン」を撃墜する――というのは机上の空論であり、第2次大戦中、米軍に対抗すると称して日本国民が強制的に竹やり訓練をさせられたのと同じ。いや、それ以上に愚策なのである。
それなのに米国はなぜ、巨費を投じて迎撃ミサイルを開発しているのかと言えば、核兵器を搭載する自国の大陸間弾道弾を狙うミサイルを撃ち落とすためである。つまり、同じ軌道で飛んでくるミサイルを守るための「拠点防衛」なら理論上、撃墜の可能性はあるが、日本政府が想定しているような軌道予測がつかないミサイルの防衛は不可能なのだ。それをさも意味のあるかのごとく宣伝する安倍政権は愚かというよりほかはない。
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