http://www.asyura2.com/16/senkyo211/msg/414.html
Tweet |
園部逸夫(右)(元最高裁判事、元「皇室典範に関する有識者会議」座長代理)そのべ・いつお/1929年生まれ。筑波大教授、成蹊大教授などを歴任。89年から最高裁判事に。小泉内閣で「皇室典範に関する有識者会議」座長代理、野田内閣で内閣官房参与。主著に『皇室...
「即位辞退の自由」も浮上 天皇陛下「生前退位」の諸問題〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160817-00000170-sasahi-soci
週刊朝日 2016年8月26日号より抜粋
8日、天皇陛下がお気持ちを表明し、「生前退位」を強く示唆された。これを受け、政権中枢で皇室典範の改正論議にかかわった園部逸夫氏と、皇室取材を長年続ける岩井克己氏が、天皇陛下の生前退位を実現する方策、退位後の課題を語る。
園部:陛下のお気持ちに応えるために、退位の道を開くのか。たとえば80歳になられたら、どの天皇も同じに退位いただく、定年制も一つの方法です。皇室典範に、「何歳に達したら」と補足すれば済みます。
岩井:僕は、典範改正に手をつけずに特別法で現天皇の譲位の道だけ開こう、とする楽なやり方は邪道では、との印象があります。陛下も「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」とおっしゃった。それでもご希望を通すため混乱を避けて「とにかく特別法」という場合、どういうケースがあり得ますか。
園部:時間が経てば自然に廃止される、時限立法的な特別措置法も枠組みとしてはあります。しかし政権が、国民の一人を取り上げて、何か措置をすることはできません。同じことで、天皇を対象にする対人法となると難しい。悩ましいところです。
岩井:こんな問題もあります。あと20年経ったらいまの皇太子さまは76歳。弟の秋篠宮さまは70歳。「皇位継承順位第1位の皇族として一生懸命やりますが、息子の悠仁親王がいるから70歳で天皇は勘弁してほしい」とお考えになったとする。退位の自由を認めるならば、即位辞退の自由も認められるべきだと。
園部:その議論はあると思いますよ。ご意思による退位を認めるならば、即位を拒否する権利はどうなりますか。ご本人の意思だけで拒否の理由とするのか、客観的な基準を設けるのか。さまざまなケースを想定する必要が出てきます。
岩井:譲位した場合、天皇と太上天皇という象徴の二重性といった衝突や摩擦も想定されます。僕は昭和の時代から皇室を取材してきました。いまの両陛下が東宮時代は、毎年夏に軽井沢に滞在されてお友達の学者や作家の別荘を訪ね、テニスを一緒になさった。これは静養であると同時にご自身の教養を高める経験でもあった。退位をなさっても、「太上天皇ご夫妻」の活動は最後まで続く気がします。それが象徴の二重性につながるとすれば、悩ましい。
園部:お住まいの問題もある。
岩井:両陛下は30年間暮らしたいまの東宮御所を懐かしがっておられるとも聞きます。テニスコートもありますし、戻るのもいい。
園部:小泉内閣の有識者会議から10年、野田政権の女性宮家の論点整理からも4年弱が過ぎました。時間を浪費してしまったという部分がある。内閣官房に研究のための部屋ができて、宮内庁の人たちとの接触の場所になっているとも聞きます。しかし、具体的な問題を考えることなく、皇族の減少にも有効な対策を打ち出せていない。女性宮家の問題も十分ではありません。
岩井:天皇の生前退位については、役人なり政治家が陛下に、「引退なさっては」とは言えない。ご本人がボールを投げたというのは、それしかなかったのだなという気がします。
園部:これからは、政府が対応して着地させなければならない。有識者会議を開くという意見があるが、人選が難しい。
岩井:私も有識者会議を取材して、園部さんが交通整理に苦労するのを見ました。専門家は皆さん信念があるから、コンセンサスをとるのが大変。有識者会議方式もよしあしです。
園部:皇室の専門家は、過去の自分の発言を曲げることが難しいので、柔軟な議論ができないのです。そうした場合は、政府が誰からも文句がつかない原案をつくり、形式的に有識者会議に出すのです。皆さんのご意見は承りました、という形で進めるほかはないですね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK211掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。