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安倍「働き方改革」小池「東京大改革」 大言壮語の共通項
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187190
2016年8月5日 日刊ゲンダイ 文字お越し
欺瞞に満ちた手法がソックリ(C)日刊ゲンダイ
「小池さんにはきつい一本を取られました」――早速、仲直りだ。4日午前、官邸で会談した安倍首相と小池新都知事の2人は笑顔でガッチリ握手。その足で自民党本部に向かった小池は新幹事長の二階俊博とも会談し、二階は都知事選で党都連と対立した小池に直接、寛容な処分を示唆した。
官邸も党本部も、すっかり和解ムードが漂っているが、それもそのはず。小池は超が付くタカ派で、ゴリゴリの改憲論者。思想信条に限らず、安倍とは外敵をつくる政治手法など、何から何まで似た者同士。安倍も首都に改憲賛成のタカ派知事誕生は大歓迎で、腹の底は破顔一笑だろう。
小池も選挙中の本紙インタビューで、「自民党とは戦っていない。官邸もわかっている」と断言していた。選挙中は自民と戦う姿勢を前面に出しても、選挙が終われば「あうんの呼吸」で安倍官邸と手を握るのは知れたこと。こんな「したたか」を絵に描いたような小池に、先の都知事選で民進支持層の約40%、共産支持層ですら約15%がなびいてしまったのは不思議でならない。
それだけ小池が有権者をケムに巻く、権謀術数に長けている証拠かも知れないが、この欺瞞に満ちた手法もまた、安倍とソックリ。大言壮語の大風呂敷で有権者を惑わすゴマカシ政治こそ、2人の類似点なのである。
■金看板を矢継ぎ早にすげ替え、失策ゴマカシ
それにしてもまあ、恥ずかしげもなく豪語できるものだ。今回の内閣改造後の会見で、安倍が言い放った「この内閣はいわば未来チャレンジ内閣」「最大のチャレンジは働き方改革」という幼稚な表現の数々。聞いている方が恥ずかしくなるほどだったが、空虚なキャッチフレーズは、打ち出す政策の中身のなさを物語る。
事業規模28兆円を上回る経済対策だって「財源措置」なる“裏ワザ”を駆使して見せかけの数字を増やしただけ。具体的には、国の信用で集めたカネを低利で民間に貸し付ける「財政投融資」を事業規模に含めた。これだと、財投を通じて民間の設備投資を補助した場合、民間企業の自己負担分も含めた額まで事業規模にカウントできる。
そのうえ、来年度以降の予算を充てる事業まで先取りして足しつけた。こうして見かけの事業規模をぶくぶくと膨らませるのは、安倍が市場にくすぶる「アベノミクス失敗」のムード払拭に必死なため。事業の中身より見かけの数字が大切で、さらに大事なのは株価というわけだ。
陳腐で薄っぺらなフレーズも似たようなもので、株価連動内閣の行き詰まり感を糊塗する“目くらまし”に過ぎない。「改革」の美名で、失政の責任をウヤムヤにしたいだけなのだ。
「安倍政権はこれまでも『女性活躍』『地方創生』『1億総活躍』など矢継ぎ早に政権の“金看板”を取り換え、実績が伴わないうちに、また次の繰り返しです。普通の政権なら1つの政策目標を掲げたら達成するまで努力するもので、それだけ安倍政権は政策実現に本気でない証拠です。スローガンを打ち出すことが自己目的化し、耳当たりのいい言葉で国民を言いくるめられれば、それでいい。『地球儀俯瞰外交』や『積極的平和主義』などの仰々しい言い回しも一緒で、国民をたぶらかしているだけなのです」(筑波大名誉教授・小林弥六氏)
女性初の都知事がブチあげた「東京大改革」も似たようなもの。安倍と小池が掲げる「改革」の2文字には邪な野望を隠す意図がある。
シャツがはだけすぎの野田特別秘書(C)日刊ゲンダイ
戦前回帰のキナ臭さをカキ消すイメージ操作
安倍と小池の共通点で捨て置けないのは、2人とも国内最大の改憲右翼団体「日本会議」のシンパであることだ。安倍は日本会議を支援する「国会議員懇談会」の特別顧問を、小池は副会長をそれぞれ務めた。
安倍と小池が「改革」のイメージを振りまき、押し隠そうとしているのはズバリ、日本会議が目指す「戦前回帰」への蠢動なのである。
現行憲法を米国からの「押しつけ」と完全否定し、戦後教育は「自虐的」と決めつける。先の大戦での敗北をいまだ受け入れられず、過去の侵略を「アジア解放のため」と正当化し、美化する――。こうした考えに根差して、日本会議は改憲や自衛隊の国軍化を目指しているが、今回の再改造内閣でも彼らのシンパが実に多いこと。
ウルトラタカ派の稲田防衛相を筆頭に、留任した麻生財務相、菅官房長官、岸田外相、高市総務相、初入閣の松野文科相や今村復興相、山本姓の3大臣など、19人の閣僚のうち13人が日本会議議員懇談会のメンバーだ。残る6人も石原経済再生相や丸川五輪相、金田法相など5人は、改憲に加えて靖国神社での国家儀礼の確立を目指す「神道政治連盟」の議員懇談会に所属している。
いわゆる「宗教右派」に属さない大臣は公明党の石井国交相のみ。今度の内閣は、戦前回帰の野望を秘めた極めて偏った思想の持ち主で固められた布陣なのである。
前出の小林弥六氏は今度の内閣を「準戦時内閣」と名づけたが、「未来チャレンジ内閣」より、よほどシックリくる。政治学者の五十嵐仁氏は「『未来チャレンジ』という名称には、改憲への挑戦の意図も込められているのかも知れません」と、こう続けた。
「『改革』という言葉には時代遅れの硬直した制度を改め、より良くするイメージがありますが、安倍首相や小池都知事が使うと、意味合いが微妙に違ってきます。彼らの好んで用いる『改革』は、単純に従来の制度を改め変えることだけを指すのでしょう。戦後70年守り抜いた平和国家から『戦争ができる国』につくり変える野望だって、彼らには『改革』と成り得る。キナ臭い野望を隠す常套句に有権者も気付かなければいけません」
■ムキ出しの野望に煙幕を張るメディアの愚
安倍はよりによって靖国神社を崇拝し、日本は核保有を検討すべきだと発言したこともある稲田朋美を防衛相に据えた。過去に「核武装の選択肢は十分あり得る」と言ってのけた小池だって負けていない。特別秘書に元都議の野田数氏を任命。この男、都議時代に現行憲法を無効とし、大日本帝国憲法は現存するとの決議を求める請願を議会に提出した自他ともに認めるナショナリストだ。小池自身、かつて国会で「現行の憲法を停止する、廃止する、その上で新しいものをつくっていく」と表明していた。
安倍と小池のロコツな人事は、もはや「戦前回帰」の野望をムキ出しにしているとさえ思えてくる。それでも彼らの歪んだ魂胆が有権者に浸透していないのはメディアの責任だ。安倍や小池の薄っぺらなキャッチフレーズを「見出しの立つ言葉」とありがたがっているのが、実情だろう。
「メディアの現状は、安倍首相や小池知事が連呼する『改革』の“拡声器”に成り下がり、危険な本性を隠すための煙幕を張る“印象操作”に率先して加担している印象です。その結果、欺瞞に満ちた『改革』なる言葉だけが巷にはびこり、為政者の内に秘めたドス黒い野望がデオドラントな雰囲気に覆い隠されてしまうのです」(五十嵐仁氏=前出)
恐らくメディアに期待するだけムダで、この先も舌先三寸のペテン政治家が跋扈する。
国政も都政も憂慮してもし足りない惨状である。
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