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戦争内閣の正体露呈 稲田防衛相とは背筋も凍るおぞましさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187085
2016年8月4日 日刊ゲンダイ 文字お越し
危険なナショナリスト(C)日刊ゲンダイ
3日、第3次安倍再改造内閣が正式に発足。パッとしない顔ぶれが並ぶ中、「目玉人事」とされるのが、稲田朋美前政調会長の防衛相就任だ。
稲田は当選4回にして、すでに行革担当相、政調会長を歴任するなど安倍首相に重用されてきた。再入閣で、小池百合子都知事に続く女性で2人目の防衛相に抜擢されたが、安保・防衛分野の経験は乏しい。
「本人はもちろん、秘書にも安保・防衛が分かる人がいない。そのため、党の政調会長室にいた職員が党本部を休職し、稲田大臣の政務秘書官として勤務することになりました。総理のお気に入りに傷をつけられませんから。ド素人の防衛大臣につつがなく務めてもらうよう、官邸、自民党が丸抱えということです」(自民党関係者)
稲田といえば、伊達メガネと網タイツにピンヒールというファッションがトレードマーク。ある防衛省職員は「もしミニスカ網タイツで登庁されたら、あまりに場違いだ」と嘆息していた。
「今回の改造内閣の顔ぶれを見ると、適材適所ということではなく、信頼できる人を重要ポストにつけて、残りを入閣待機組で埋めた布陣です。安保関連法が施行され、今後は集団的自衛権を行使していく。衆参で3分の2の議席を得て、憲法改正も視野に入った。そういうタイミングで、安倍首相と国家観を同じくする稲田さんなら、その道の専門家でなくても、安心して防衛相を任せられるということでしょう」(政治評論家・有馬晴海氏)
防衛相への起用については、さすがに大メディアも「(防衛は)得意分野とはいえない」「不安の声も上がる」などと疑問を呈していたが、この程度の論評で済ませるのは甘過ぎる。
■国民に「命を捧げる覚悟」を求める
就任当日に北朝鮮がミサイルを日本海に発射。治安悪化で在留邦人が退避した南スーダンでの自衛隊活動も、1日から再開されたばかりで、経験不足の大臣に対応できるのかという不安があるのは確かだ。しかし、経験・知識の多寡より、もっと根源的な問題がある。
過去の言動から、稲田は安倍を凌駕するタカ派とみられている。強硬なナショナリストを敢えて防衛相に据えたという事実に戦慄する。剥き出しになった戦争内閣の正体。これが目玉人事なんて冗談じゃない。目ン玉が飛び出るどころか、背筋が凍る思いがするのだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「彼女はタカ派というより、ゴリゴリの極右政治家です。憲法9条を変えて国防軍を創設することを主張しているし、『国民は国のために血を流すべし』などと発言してきた。ナントカに刃物じゃありませんが、こういう極端な思想の持ち主に自衛隊を預からせたら、すぐにも戦争を始めかねないと、自衛隊員の家族は大きな不安を感じているのではないでしょうか」
動画サイトのYouTubeでは、講演会などでの稲田の物騒な発言がいくつも確認されている。「自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならない」「この国のために命を捧げる覚悟をもう一回取り戻そう」「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います」――。本当にこんなことを言う政治家がいるなんて信じ難いが、演説の動画がしっかり残っている。
産経新聞(06年9月4日号)でも、〈(エリートの条件は)いざというときに祖国のために命をささげる覚悟があることと言っている。そういう真のエリートを育てる教育をしなければならない〉と主張していた。
国を守るために血を流し、祖国のため命を捧げろと訴える防衛相。その一方、〈私にも大学生の息子がいますが、赤紙で徴兵されるのは絶対に嫌です〉(「女性セブン」16年5月26日号)とも言っている。身内に対しては、「真のエリートを育てる教育」をする気がなかったのだろうか。
狂乱人事が止まらない(C)日刊ゲンダイ
「靖国神社は不戦の誓いをするところではない」と断言
安倍政権を支える右派組織「日本会議」の中で、思想的な中核をなす宗教団体「生長の家」との関係も深い。生長の家の創始者・谷口雅春氏の思想に傾倒しているという稲田は、「月刊『谷口雅春先生を学ぶ』平成二十四年七月号」に登場。〈私は、谷口雅春先生の教えをずっと自分の生き方の根本において参りました〉と語っている。
谷口氏の教えのひとつに、「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」というものがある。仮に戦争崇拝者が防衛相に就くとなれば、誰しも衝撃を受けるのではないか。世間はそれを許すのか。
「彼女を防衛相に起用したのは、ポスト安倍として経験を積ませるためという話もありますが、こんな神懸かり的な極右政治家が首相候補に育っていくなんて、考えただけでおぞましい。参院選で勝利した安倍首相は、ますます暴走してブレーキが利かなくなっているように見えます。秘密保護法に始まり、解釈改憲や安保法制の整備で進めてきた戦争準備の総仕上げが、稲田防衛相の誕生です。この狂乱人事を止める人はいなかったのでしょうか。諸外国から見たら、いよいよ日本は理性を失ってしまったと異端視され、警戒されてしまいます」(本澤二郎氏=前出)
稲田は14年、日本のネオナチ団体代表と国旗の前で一緒に撮った写真が、英紙「ガーディアン」など複数の海外メディアで報道された。同じくネオナチ団体代表と記念写真に納まっていた高市早苗総務相とともに、国際的に問題視され、物議を醸したのだ。
靖国神社にも毎年参拝してきた。就任会見で、今年の終戦記念日の対応を問われると、「心の問題であり、行くとか行かないとか、行くべきとか行かないべきとか、言うべきではないと思っている」と話したが、かつて月刊誌「WiLL」(06年9月号)では、こんな思いを吐露していた。
〈靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、「祖国に何かあれば後に続きます」と誓うところでないといけないんです〉
行革担当相の時も靖国参拝を決行し、周辺国の反発を招いた。
■戦争屋からすれば最高の防衛相
歴史認識をめぐっても、稲田は「歴史修正主義者」と批判されてきた。11年8月には、ヒゲの隊長こと佐藤正久参院議員らと竹島北西の韓国・鬱陵島視察を計画。混乱を懸念した韓国政府から、反韓活動者として「ペルソナ・ノン・グラータ(外交上好ましからざる人物)」通告を受け、金浦空港で入国を拒否された経緯がある。
そんな稲田の防衛相就任は挑発と受け取られ、周辺国との関係が、ますます悪化する可能性が高い。「それこそが真の狙いではないか」と、元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう分析する。
「昨年の安保関連法成立後、与党幹部で初めてワシントンを訪問したのが稲田氏でした。アジア太平洋担当のシアー米国防次官補をはじめ、アーミテージ元米国務副長官ら複数の米要人と会談した。その“面接”でお墨付きをもらい、米国の後押しで防衛相に就任したと考えられます。彼らは、稲田氏の言動が、中国との対立を深めることを期待しているのです」
もっとも、米国の北東アジア戦略の基本は、米日韓の連携にある。だから、稲田も韓国に対しては強硬な発言を控えることになるだろうと、孫崎氏はこう続ける。
「米国の希望で、韓国とは今後、軍事協力を強めることになるでしょう。一方で、中国とは一層の緊張をつくり出し、国民の中国に対する懸念を増幅させ、それによって集団的自衛権の行使をスムーズにしていく。中国の脅威をあおることで、防衛費の増額や沖縄の辺野古基地の建設、憲法改正なども進めやすくなる。つまり、安倍政権や米国の戦争屋からすれば、稲田防衛相は実に使い勝手がいい。最適の大臣なのです」
国民にとっては、最悪の閣僚人事だ。早晩、本当に血を流す覚悟を強いられかねない。
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