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死角はないのか? 怪しい「小池優勢」世論調査を徹底検証
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/186818
2016年7月30日 日刊ゲンダイ 文字お越し
本当にいいのか?(C)日刊ゲンダイ
東京都知事選の投開票日がいよいよ、31日に迫った。選挙戦を伝えるメディアの裏側では先週末に報道各社が実施した「情勢調査」の結果とされるデータが出回っている。その数値はおしなべて、小池百合子候補がぶっちぎりで他候補を引き離している。
この数値に基づき、大新聞・テレビは週明けに「小池候補一歩リード」とデカデカと一斉に報じたようだが、この「情勢調査」なるものが実に心もとないのだ。
東京都の有権者数は約1116万人に上る。朝日新聞の情勢調査の有効回答者数は1606人だ。この数字が最多で、毎日・共同・産経・TBS・フジ・テレ朝6社の共同調査は1026人。読売・東京両紙は1000人チョット。日経にいたっては258世帯からしか聞いていない。
1000人に聞いたところで有権者全体の0・01%足らず。そのうえ、各調査とも2〜4割の人が態度未定だから、実質的な回答者数はさらに減る。「世論調査なんてそんなモノ」と言えばそれまでだが、この程度のサンプル数で選挙情勢を決めつけられたら、その他大勢の有権者はたまらない。
有権者の投票動向に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)は、こう言った。
「今どき、固定電話のある世帯のみに調査を行うのも偏っていますし、いくら選挙中に調査結果の実数値を示すのは公選法違反(人気投票の公表の禁止)にあたるとはいえ、質問の仕方や設問内容まで公表しないのは問題です。まるで詳しい調査内容がさっぱり分からない“ブラックボックス”。加えて1人しか当選しない都知事選は、情勢調査でリードを許した候補に“判官びいき”で票が集まって逆転する『アンダードッグ効果』が起こりにくい。80年代以降の都知事選は全て情勢調査で先行した候補が勝っています。メディアの情勢調査は『リード』と伝えた候補の“逃げ切り”ムードを醸成させることになるのです」
何より選挙戦を伝えるメディアの報道が情勢調査の結果に引きずられていないか。今回のように小池が他候補を大きく引き離していると知れば、なおさらだ。選挙を伝える側に「小池で決まり」という雰囲気が高まれば、おのずと新聞記事やニュースにその空気が反映しかねない。少なくとも「そんなことは全くない」とは言い切れないだろう。
巷に溢れる「小池圧勝予想」は、各候補の選挙戦の現場をとらえきれてはいない。あくまで胡乱な情勢調査に惑わされた「目安」に過ぎないのだ。
鳥越き“醜聞”拡散に悩まされ…(C)日刊ゲンダイ
改憲勢力とカルト右翼の高笑いが鳴り響く
今月10日に行われたばかりの参院選東京選挙区の得票をみると、改憲勢力候補(自民、公明、維新、こころ)の獲得総数は約287万票。対する4野党候補は約296万票だった(生活の山本共同代表が推した三宅洋平氏、元旧民主の横粂勝仁氏を含む)。さらに安保法反対の憲法学者・小林節氏が率いた国民怒りの声の小林興起氏を加えると、野党系は軽く300万票を超える。
しかも今度の都知事選は保守分裂だ。数字の上では野党統一候補の鳥越俊太郎氏が圧勝してもおかしくないのに、最終情勢は「小池で決まった」かのような報道で溢れている。
むろん、鳥越にも出馬会見で「公約はこれから考える」と言い放った準備不足や、街頭演説の少なさ、政策をあまり語らず、討論会も繰り返し欠席するなど数々の非はあれど、参院選の票を足せば「小池圧勝」などあり得ないはずだ。
やはり鳥越にとっての致命傷は、選挙期間中に週刊文春と週刊新潮が報じた“女性醜聞”だろう。スキャンダルで離れた無党派層が小池に流れた展開である。
文春の中吊り広告には「淫行」とドギツイ言葉が躍ったが、中身は十数年前に当時20歳の女子大生に強引にキスした疑いがあるというもの。しかも、文春の記事には被害者とされる女性の証言もなかった。
ジャーナリストの斎藤貴男氏は「事実関係自体が曖昧な話を選挙の直前に記事化するとは政治的に過ぎ、〈非常に卑劣〉だ」と本紙コラムに書いたが、大メディアは大騒ぎ。鳥越側が名誉毀損と公選法違反の疑いで文春の編集発行人を刑事告訴すると、こぞって報じて“火に油”だ。鳥越スキャンダルを有権者に拡散させる結果を招いた。
新潮も13年前にボツにした被害女性の証言を文春報道を理由にいきなり解禁。記事では〈(被害女性の)Aさんと(交際相手の)男性が締切近くになって、「やはり、記事にしないでほしい」と強く要望したからだ〉とボツにした理由に触れていた。謀略とまでは言わないが、このタイミングで封印を解くことには違和感を覚える。
「腑に落ちないのは、大メディアの報道基準です。自分たちでロクに取材も検証もせず、当事者のみぞ知る鳥越氏の醜聞を繰り返し紹介しました。ところが、文春が2週にわたって小池氏の『政治とカネ』の問題を洗い出しても大メディアはなぜか黙殺し、こちらは完全にスルーです。2代続けて都知事が『政治とカネ』で辞めたのですから、明確な裏付けのない鳥越氏の醜聞より、よほど後追いする価値があります。大メディアは選挙期間中に鳥越氏のネガティブキャンペーンを展開し、小池氏を援護射撃したようなものです」(政治学者・五十嵐仁氏)
■参院選で野党に投じたのに小池を選ぶ愚かさ
大メディアの“後方支援”もあって、大激戦が予想された都知事選も終盤に差し掛かる頃には「勝負あった」の雰囲気が漂い、有権者もドッチラケ。そのうえ、候補者同士の政策論争も一向に深まらず、争点と言えるような対立軸も見当たらない。ますますシラケムードに拍車がかかる。
候補者の氏素性を徹底検証する大メディアも皆無だ。本当に都知事にふさわしい人物なのか、その正体も能力も最終盤まで有権者には知る由もない。奇怪な選挙だ。
最終情勢で優位に立つ小池の正体はハッキリ言って極めて危うい。選挙戦中は本性を隠しているが、彼女は超が付くタカ派でゴリゴリの改憲論者だ。過去の侵略戦争や“おしつけ憲法”を一切、否定するカルトまがいの右翼集団「日本会議」のシンパでもある。「日本会議国会議員懇談会」の副幹事長や副会長を歴任してきたが、その経歴は公式サイトでは触れず、メディアも一言も伝えようとしない。
小池は現・日本会議会長の田久保忠衛氏と「救う会」会長の西岡力氏との鼎談で「軍事上、外交上の判断において、(日本の)核武装の選択肢は十分ありうる」(PHP研究所「Vоice」03年3月号)と言ってのけたこともある。こんな物騒な政治家を都知事に選んでしまったら、戦前回帰を企む「日本会議」の面々をほくそ笑ませるだけだ。前出の五十嵐仁氏はこう警告した。
「彼女が当選すれば、改憲を目指す安倍首相も大喜びでしょう。都連会長の石原伸晃氏がいくら『小池氏は自民党の人間ではない』とわめいても、彼女の党籍はいまだ自民に残ったまま。小池氏も『自民党と戦っているわけじゃなく、都連の一部と戦っている』とホンネを漏らしています。公認候補の増田寛也氏より、むしろ彼女の極右思想の方が安倍首相の考えによっぽどマッチします。衆参で3分の2を制したうえ、首都のトップまで改憲派で押さえれば、安倍首相は万々歳。たった1カ月間の2度の選挙で、日本は改憲勢力にのみ込まれることになってしまうのです。今度の都知事選はこの国に漂うキナ臭さを断ち切るラストチャンスであることを都民は忘れてはいけません」
参院選で野党候補に投じながら、小池に貴重な票を入れようとしている人もいるだろう。本当にその判断は正しいのか、一晩かけて思い直した方がいい。
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