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自民党の「情報参謀を務めた男」が、都知事選「ネットの最終情勢」を徹底分析!ネットは「勝者」を知っている?B
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49321
2016年07月30日(土) 小口日出彦 現代ビジネス
■ネットの「口コミ」で優勢なのはこの人
激戦の都知事選。自民党の情報戦略立案に携わった経験をもち、『情報参謀』の著者である小口日出彦氏が、国政選挙でも用いた「ネット上の口コミ動向を数値化する」というまったく新しい手法で、都知事選の最新情勢を分析する――。ウェブ上の口コミ量、評判、評価は、一体どれだけ現実とリンクするのだろうか。
いよいよ明日、都知事選投票日である。都知事選最終版のテレビ報道やネット口コミの動向はどうなっているか? 都知事選分析第一回、第二回で見てきたネット口コミの累積量のトレンドは「小池氏リード」「鳥越氏追う」「増田氏地道に伸ばす」と、報道などで伝えられている優劣観測をそのまま反映した形になっている。(ネットチャート@)
(なお、今回の分析では精密さを増すため、
株式会社ルグランの泉浩人社長にネットデータの分析で協力していただいた)
しかしながら、テレビやネットのトレンドを総合的に分析すると、選挙戦最終週に入って都知事選への関心が急速に冷めていることも浮き彫りになってきた。公示から1週間ほどは、報道量トップ、ネットの口コミもどんどん増えた都知事選だったが、その後の1週間は、報道量も口コミ量も減少した。
そうした中で、主要3候補についてネット口コミの内容から評判分析をした結果も輻輳(ふくそう)している。選挙戦第2週末(23-24日)の世論調査結果もばらつきが大きい。
こうなると情報露出による空中戦よりも、街頭演説の説得力や声かけ・握手の回数、あるいは組織力を利した票の取りまとめ――といった地上戦が主力になる。小池候補が先行優位で確保した人気か、鳥越候補の直前立候補表明による注目力がスキャンダルも乗り越えるか、増田候補が組織力で底上げしていく地道さか――。本日を含め、都知事選は土壇場の3日が勝負を決める。
■「評判」では増田氏が急上昇
情報分析の視点から見た3つの事実がある。
1.7月18日(月)〜同22日(金)までテレビ報道量トップの位置にいた都知事選のトピックは、23日(土)〜25日(月)にかけては「ポケモンGO」のニュースに押し下げられ、26(火)からは「相模原市・障碍者施設殺人事件」に圧倒された。つまり人々の関心事の中で都知事選の印象は薄まった。
2.選挙戦前半の7月15日から同21日までと、後半の同22日から28日までの二つの期間について主要3候補者の口コミ量を比較すると、すべての候補の口コミ量が減少傾向である。前半と後半の境目の時期に、小池氏は「病み上がり」発言が取り沙汰され、鳥越氏は「文春スキャンダル」があったが、ネガティブな口コミを含めて、口コミ量が激増するようなことはなかった。
3.ブログの書き込みがポジティブな内容なのか、ネガティブな内容なのかに着目して評判分析を行った結果、主要3候補の評判は、それぞれ「良い」「悪い」が輻輳している。ただし、選挙戦終盤に近づくにつれて小池、鳥越2候補の評判は、横ばいながら「悪い」方にさがりつつある。増田候補は、選挙戦最終週に入って「良い」方にアタマひとつ抜けた傾向を示している。
(ネットチャートA)
都知事選に関するテレビ報道量が7月22日を境に縮んだ原因には、明らかに「文春スキャンダルに対する鳥越陣営の刑事告発」という動きがある。スキャンダルを暴露した方・された方両方のコトの真偽・良し悪しにかかわらず、法的な手続きがとられてしまうとテレビは報道しにくくなる。
そこに「ポケモンGO」という軽くて食いつきがよく、かつ広がりもあるトピックが登場してしまっては、政治は負ける。
さらに週明けに「障碍者施設での大量殺人」という重大事件が発生してしまって、ますます都知事選の報道量が抑圧された。7月26日と27日の相模原事件の報道量は、総報道量の47%、50%を占める巨大な集中報道となり、人々の関心のほとんどはこの事件に向いたはずだ。
■「誰でもいいや」になっている!?
今回、ルグランの泉社長にはネット口コミをブログとツイッターに分けて分析していただいた。一般にブログはある程度考えた結果がテキストに反映していると言われており、一方ツイッターは、反射的・衝動的な発言が多いとされている。
先に示した都知事選期間前半と後半の比較では、ツイッターに顕著な減少傾向が見られた。小池氏は前半のツイッター口コミ量に対して後半は40.2%減少。鳥越氏もほぼ同水準の38.8%減少。増田氏は22.8%の減少だった。
私は、これと同様のクチコミ数減少トレンドを2回経験している。一度は2011年に、当時の民主党・菅総理が「支持率1%でも辞めない」と政権維持にしがみついたとき。もう一度は2012年に同・野田総理が「近いうち」と言いながら解散を引き伸ばしたとき。どちらのときも数10日の単位で政治に関するネットアクティビティが右肩下がりになる大規模な変化が起こった。
こういう時は情報の伝搬力自体が小さくなるので、爆発的な人気上昇も下落も起こりにくくなる。したがって、ネットに書き込まれたテキストの内容を分析して「ほめているのか/けなしているのか」「評価しているのか/批判しているのか」で評判分析してもなかなか明白な結果は出にくくなる。
それでも、毎日の書き込みについて評判分析をしたトレンドチャートを作ってみると、一定の傾向が見えてきた。ネットチャート2をもういちどごらんいただきたい。
このチャートは、ホットリンク社のツール「クチコミ@係長」の、ネット口コミを「ポジティブ(良い)」「ニュートラル(ふつう)」「ネガティブ(悪い)」に分類する機能を使って抽出したデータからニュートラルな書き込みを除き、『ポジティブもしくはネガティブな内容と分類された書込数の合計を100として、それに対するポジティブな書込数の割合を指数化した値』を折れ線グラフに表現したものだ。
注意してみると、小池、鳥越両氏の評判は、もつれ合うようにしながら、選挙戦終盤に向かって徐々に下がっている。増田氏の線は、相対的には前二者の上にクビをもたげるように立ち上がっているが、それでもやっぱり下がっていく。やはり有権者の「まあ…どの候補にしてもなあ…」といった気持ちが表れているように見えないか…。
ネットチャート3(↑のチャート)は、ツイッター上の評判を分析したものだ。ツイッターについてもブログの書き込みとほぼ同じ傾向が表れた。
選挙戦終盤の28日木曜夜にはニコニコ動画で「全候補者演説会(全候補者に出演要請したが全候補者は出ていない。主要3候補は出た)」が開かれ、4時間の生放送で6万5000弱の視聴者を得た。この演説の模様を含む都議選の終盤状況が翌日の朝のテレビニュースに反映し、29日金曜朝は、都知事選報道は約1週間ぶりに報道量トップに返り咲いた。
とは言うものの、2位の相模原事件のトピックとほぼ変わらない報道量であり突出したトップではない。ニコニコ動画の視聴数は、平時の国会の本会議のナマ中継並みくらいの水準で、多いとも少ないとも言えない微妙なレベルだ。
都知事選第2週末(7月23日-24日)に大手メディアなどが実施した都知事選世論調査の結果もバラついていた。ある社の調査ではトップ候補者と2位候補者の得票数に10:6もの差がついているかと思うと、別の組織の調査では、10:9くらいに迫っているといった具合だった。
おそらく調査対象の母集団がちょっと違った結果なのだと思うが、このブレは大きい。しかも、このときの調査に答えた有権者が、現時点でも都知事選に対して同じ強さの関心や投票意思を持ち続けているかどうか、わずか1週間しかたっていないけれども、疑わしい。
さて、いよいよ明日は投票日だが、このような情報傾向が実際の投票活動にどのように反映されるのだろうか。「投票前日の、最後の時刻まで自分に投票してくれるよう訴える」――その熱は、もはや直接伝搬する地上戦でしか伝わらない。人気なのか、意志力なのか、組織力なのか、それらの総合力なのか――。とにかく、最後まで目が離せない戦いになることは間違いないだろう。
小口氏は2012年衆院選、2013年参院選で、自民党の「情報参謀」として活躍した。今回の口コミ動向の分析も、その当時の選挙戦で活用された戦術のひとつだ。自民党はいかにして「情報戦」を制したか、その秘密のすべてがここに記されている。(amazonはこちらから)
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