一応気になったので、山田正彦氏のブログの前半部を引用しておきます。山田氏は五島列島のご出身で、お若い時は故郷で牧場経営の苦労をされたこともあって、離島と農業の問題には深い関心をお持ちだったようです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 改正離島振興法で島は大きく変わる 2012年09月22日 10年前に現在の離島振興法を改正したときには野党として参画したが、今回は与党の座長として同法のこれまでにない、思い切った大改正ができて嬉しかった。それまでには与党プロジェクトチームの事務局長を務めていただいた打越あかし君には大変ご苦労かけて、自民、公明、社民、共産など全会派、全議員が一致して今回の改正離島振興法を成立させることができた意義は大きい。 どのように離島を変えることができるか、法案成立のいきさつを踏まえながらその主な内容について記述する。 1,離島のガソリンの引き下げとこれから引き上げられる消費税への対応 私は20年前にイタリアのコルシカ島に1週間滞在したことがある。島は若い人で溢れかえっていたのに驚いたことがある。日本では離島はどんどん人口が減り続けていてお年寄りの島になろうとしているのに。 聞くとヨーロッパの離島はガソリン税、消費税を減免しているので物価が本土よりも安いからだと答えてくれた。なるほどと思った。日本は離島では平均してガソリンが1リットル当たり30円は高い。 それに物流コストが高い分物価も5%ほど高い。 そこに消費税5%がかかれば、島民は本土よりもさらに高い消費税を負担させられることになる。 なんとかヨーロッパ並みにガソリン税と消費税の減免を実現したい。 そこで「島へ。」の雑誌を創刊、ヨーロッパのマン島、コルシカ島なども取り上げていかに「ヨーロッパの島は住みやすいか」の特集を組んだ。 いまだに、五島に住んでいる今年108歳なった母を社長に隔月刊で発行続けて今年で12年目に入る。 私は野党時代にもガソリン税減免法案を国会に提出したが、審議すらできずに廃案となったいきさつもあって、ようやく政権交代できて張り切った。 なんとか、強引ではあったが、昨年5月から予算措置で離島のガソリンの引き下げを実現することができた。 流通コストにあわせて、五島、壱岐対馬などは1リットル7円、さらに油槽所のない島では10円、15円と下げることができた。さらに今年の6月からはさらに10円、上五島などでは15円、奈留島では25円まで下げることができた。 私にすれば、単なる予算措置などでは、政権交代したらどうなるか分らない不安が残っていた。今回の離島振興法でなんとか、法律上の担保を取って恒久的なものとして残しておきたい。 かなり、抵抗もあったが、改正離島振興法で第1条に「人の往来及び生活に必要な物資らの輸送に関する費用が他の地域に比較して多額であることを改善し」と明文で入れさせることに成功した。これもあって来年度中には政令で離島のガソリン引き下げを制定することにした。 なんとか離島での生活に欠かせないガソリンの引き下げを、一時的なものでなく恒久的な法令化を実現できてさらに充実させていきたい。 もう一つの懸念、2014年4月から消費税が引き上げられることになっているが、そうなれば本土よりも高い税金を払うことになるので離島では暮らしていけなくなる。ヨーロッパ、カナダなどでは消費税には必ず軽減税率を適用して、食料品、生活必需品には消費税をかけないか、もしくは5%に軽減している。日本でもヨーロッパの離島並みに消費税については軽減税率を適用して、そのまま5%に据えおきたい。これを今回の改正離島振興法になんとか盛り込めないものか挑戦した。 これは消費増税法案の審議中でもあってか財務省が頑として承知しない。折衝に随分と時間をかけて最後は財務所の大臣政務官と数回にわたって交渉したが拉致があかない。 それなら、私が改正離島振興法の座長をしているので、この国会で法案を通さなくてもいいと言い張って、ようやくそれと読める条文を入れ込むことができた。 第19条(税制上の措置)のところに「生活環境等に関する地域格差の是正を図るために租税上の特別措置を講ずるものとする」と明文化できたのだ。 勿論これだけでは離島だけ消費税を据え置くことはできない。これを受けて消費税を上げる前に、新たに租税特別措置法を成立させなければならない。 是非、離島の島民、市町村長、議員さんがたから「離島は消費税据え置き」の声を上げていただきたい。 --------------------- (以下略)--------------------- それから、以下は小金井市の方のブログで少し古いですが、こんな記事を見つけました。離島のガソリン税に関することですが、消費税にも触れられています。この記事を読むと離島でどうしてこのような軽減措置が必要とされるのか、具体的によくわかると思います。本土に住む我々にはわかりづらいことですが、これを荒唐無稽などと言ってしまってはいけないでしょう。私自身、こうした事情に関する無知を反省させられた記事でした。 ブログ ノミの目 離島ガソリン税は撤廃を! > http://nomino.at.webry.info/200803/article_5.html ----------------------------------------------------------------- 昨日は北は北海道礼文島や利尻島から南は沖縄県の石垣島等の南西諸島まで、全国各地の離島から離島ガソリン税の撤廃を求める東京行動の支援を行ってきました。私もはじめて知ったのですが、東京の1リッターあたり148円という価格に比べ、沖縄県の石垣島では162円、最高は小笠原の母島では273円します。島では消費税もベースの物価が高いので、同じ5%の税率でも実額では本土の人より高い税金を納めています。また道路建設のために自動車のユーザーが払うガソリン税が当てられるといいますが、島では船に使う燃料に課税されていても、船のために使うことはできません。島は公共交通が成り立たず、車が無くては生活できない状態です。本土ほどの収入も得ることはできない島の人からすれば、暫定税率どころかガソリン税そのものを撤廃して欲しいというのが要望です。「本土との格差は大きく、不平等だ」「離島振興には公共事業よりまず、ガソリン税の減免、撤廃こそ必要」といっておられました。 代表団は小さな島々から集めた約5万人の署名を携え、公明党、自民党、社民党、共産党、国民新党、民主党の各党を廻り、離島部のガソリン税の撤廃、減免を訴えました。離島だけでなく、地方では道路より生活を何とかして欲しいという声が大きくなっています。ガソリン税を下げるために暫定税率の廃止を求める国民の声を活かすことは、「大衆迎合だ」とか「ポピュリズム」だと単純に批判することはできないはずです。1円でも安いガソリンスタンドになぜ人々が行くのか、その背景にある人々の生活を政治に携わるものはもっと深く考えるべきだと思います。 なお一昨日の小金井市議会本会議では、「道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を求める意見書」が賛成多数で可決されました。反対は自民党・公明党・改革連合の10、賛成は「みどりの風」・民主党小金井・共産党・民主党市民会議の13でした。 ------------------------------------------------------------------------------- この記事には石垣島の方からのコメントもあります。近年、「国防右派」のみなさんは、尖閣とかの問題になりますと、石垣在住の漁師さんたちの思いを我がことのように代弁されたりしています。それはそれで良いことだとは思いますが、それならば、こうした本土を遠く離れた島々に住む方たちの経済上のご苦労も、理解してさし上げるべきではないでしょうか?本土を遠く離れた場所に代々住む人々がいればこそ、そこが日本の領土、領海であると認められ、海洋資源の利用権利もあるわけなのですから。島の人たちの生活を守ることは日本を守ることでもあります。東京都の島嶼部の人口は全部合わせても26,000人ほど(大島町は7,500人ほど)だということですが、そうしたところへも出かけて言って、都知事になったら島の暮らしも守ると約束した鳥越さんはやはり、偉いと思いました。このことで彼を笑いものにした人たち、特に御自身も大阪府知事であった橋下氏と大メディアである産経新聞は読者、有権者に鳥越氏に関して誤った情報を与えたという意味でもぜひ謝罪してほしいと思います。
|