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都知事選最重要判断基準は安倍政治の是非
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2016年7月28日 植草一秀の『知られざる真実』
相模原の「やまゆり園」で発生した殺人傷害事件では19人もの入所者が刺殺され、26人が重軽傷を負った。
日本における凶悪事件のなかでも突出して巨大な被害が生まれてしまった。
今回の事件において最重要の事実は、犯人が事前に犯行を予告していたにもかかわらず、その情報が正確に共有されていなかったことである。
犯人は本年2月に衆議院議長大島理森氏に宛てた手紙のなかで、
「作戦内容」
と題して次のように記述していた。
「作戦内容
職員の少ない夜勤に決行致します。
重複障害者が多く在籍している2つの園を標的とします。」
「2つの園」のひとつとして、「やまゆり園」の名称が明記されていた。
「やまゆり園」側では、警戒を強化していたが、「作戦内容」に記述されていた
「職員の少ない夜勤に決行」
という情報が伝えられていなかったようだ。
夜間の侵入者に対する警戒態勢が敷かれていれば、被害をはるかに小さく食い止めることができたと考えられる。
しかし、この事実は、行政権を担う安倍政権の責任問題に帰着する。
このために、この部分の報道が極めて少ない。
夜間の警戒態勢を強化していれば、被害ははるかに軽微に食い止められた可能性が高い。
犯人は本年2月に大島理森衆院議長公邸を訪問し、手紙を手渡している。
この手紙のなかに、上記の
「作戦内容」
が明記されていた。このなかに
「2つの園260名を抹殺した後は自首します」
と明記されており、最大の警戒を払うべきであったことは間違いない。
犯行が行われてしまった現時点で、この問題の徹底的な検証が必要不可欠である。
しかし、例えば、NHKの報道では当初、犯人の犯行予告の内容すら伝えないという現実がある。
安倍政権の責任につながる事実は隠蔽してしまうという姿勢がくっきりと浮かび上がる。
7月31日に投票日を迎える東京都知事選では、反既得権勢力の統一候補者である鳥越俊太郎氏に対する誹謗中傷情報が広く流布されている。
個別事案の真偽を判定することはできないが、選挙期間中のこうした情報流布は公職選挙法第148条が規定する
「虚偽の事項を掲載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」
に抵触する疑いが濃厚なものである。
それほどまでに、既得権勢力が追い詰められたことを示す証左でもある。
主権者は東京都知事選に際して、自己の判断基準を明確にして、選挙権を放棄せずに、一票の権利を行使するべきである。
判断基準は多種多様であると考えられるが、日本の首都東京の首長を選ぶ選挙であるから、どのような都政を求めるかという視点から判断するのが適正だろう。
それを一言で表現するなら、
「安倍政治」
を是とするのか、
否とするのか
ということになる。
憲法を破壊し、原発を稼働し、TPPを推進し、米軍基地建設を強行し、経済の弱肉強食を全面推進する安倍政治。
この安倍政治を是認するのか、それとも、この流れの転換を求めるのか。
これが都知事選における最重要判断基準になるだろう。
日本のメディア報道は歪んでいる。
NHKは安倍首相が私物化している。
民間メディアは運営を支える資金源である大資本の意向に逆らえない。
大資本の意向を反映しているのが日本のマスメディアである。
主権者の立場、利益、目線で報道を展開するメディアは例外的にしか存在しない。
したがって、マスメディア報道に身を委ねてしまうと、判断を誤る。
首都東京の主権者は、安倍政治を是とするのか、それとも、安倍政治を否として、首都東京から政治の流れを転換させることを求めるのか。
この点だけを考えて、一票の権利を放棄することなく、31日の投票に必ず参加するべきである。
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