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都内の自民党本部で質問に応じる安倍晋三首相(2016年7月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News〕
にわかに日本会議を叩き始めた欧米メディア 「日本会議が日本に軍国主義を復活させる」と報じる
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47471
2016.7.27 古森 義久 JBpress
欧米ニュースメディアの一部が、日本の民間政治団体「日本会議」を「危険な軍国主義への復活」を主導する組織として非難する報道を始めている。これらの中には、まるで安倍晋三首相が日本会議と一体になって戦争を始めようとしているかのような論調まで見られるようになってきた。
一方で、この種の論調は欧米人が日本人を見下した偏見に基づいていると批判する米国人学者もいる。米欧ジャーナリズムにおいて、日本会議という存在がここにきて日本以上にクローズアップされている。
■日本会議が明治憲法を復活させる?
欧米メディアの日本会議へ特別な関心は、7月13日に東京の外国特派員協会が主催した日本会議の田久保忠衛会長の記者会見でもみられた。
同会見では、アイルランド人のフリー記者、デイビッド・マクニール氏らが先頭になって、“軍国主義、帝国主義の復活を求める日本会議の危険性”を追及した。マクニール氏は、外国特派員協会を拠点に、安倍氏や自民党政権の統治が独裁的だとして長年批判してきた人物である。
こうした「日本会議・安倍晋三=悪者論」の論調が最も顕著にみられたのは、米国の政治雑誌「ナショナル・レビュー」最新号に載った「日本のファシズムへの回帰」と題する記事である。記事の筆者は、日本関連分野ではほぼ無名のジョシュ・ゲルトナー氏という人物だ。ゲルトナー氏は、安倍首相の率いる自民党が参院選で大勝し、日本会議の支持を得て憲法改正へと進むのは、日本がファシズムの国になることと等しいと断じていた。
同氏はこの記事で、日本会議が明治憲法を復活させ、戦前と同じ天皇制を復帰させて、個人の自由や言論の自由も抑圧しようとしていると記す。そして、安倍氏の主唱する自民党の新憲法草案もまったく同じ趣旨だという。だから日本は安倍首相と日本会議の下に非民主主義的な国家となり、国際孤立の危険な道を暴走していくことになると警告している。
日本会議および安倍首相が日本をファシズムに導くという同様の論調は、ニューヨーク・タイムズや英誌エコノミストなど他の大手メディアの報道でもうかがわれる。
■米欧メディアの誤りを指摘したニューシャム氏
日本会議は、その運動の目標として「美しい伝統の国柄を明日の日本へ」「新しい時代にふさわしい新憲法の制定」「国の名誉と国民の命を守る政治」「日本の感性をはぐくむ教育の創造」「国の安全を高め世界へ平和貢献」「共生共栄の心で結ぶ世界との友好」を掲げている。これらの目標からは、民主主義を否定しようという意図はうかがわれない。
その点については、田久保忠衛会長も前記の記者会見で終始「日本会議の活動目標は、民主主義の範囲内で、日本の安全保障や国家認識などに関する戦後の偏向を是正しようとしているだけだ」と強調していた。
米国でも、知日派の学者によって「日本会議ファシズム論」を否定する論文が発表された。筆者は米国政府の外交官出身で日米安全保障問題などの研究でも知られる、日本戦略研究フォーラム(JFSS)のグラント・ニューシャム氏である。
ニューシャム氏は7月19日、アジア問題専門の英字ネット誌「アジア・タイムズ」に、「日本の保守派の『日本会議』ロビー=心配する必要があるのか」というタイトルの論文を発表した。香港に拠点を置くアジア・タイムズは米国ワシントンのアジア関連の学者や記者、政府官僚らの間でも広く読まれ、東南アジアの識者たちにも届くアジア専門誌として知られる。
ニューシャム論文は以下のような書き出しで始まっていた。
「最近の欧米メディアの『日本会議』に関する記事によると、現在、日本は警察国家となりつつあり、まもなく外国への軍事侵略を始めるかのように思わされる」
ニューシャム氏は、欧米メディアが日本会議について描くイメージは完全に間違っていると指摘する。論文の骨子は以下の通りである。
「日本会議は民間のロビー団体の1つに過ぎず、日本全体がすぐにその意のままに動くことはない。民主主義国では種々の政治団体が政策論を競うのは自然なことである。日本会議の約4万という会員数は、芸能グループ『SMAP』の支持者の30分の1に過ぎない」
「日本会議も安倍氏も、戦前の軍国主義や帝国主義を復活させるなどという政策はうたっていない。安倍政権や自民党の内部でも意見は多様であり、日本会議の主張に同意しない勢力も多い」
「この種の欧米メディアの日本会議や安倍首相についての批判的な論調には、『日本が進むべき最善の道は、日本人よりも我々のほうがよく分かっている』という偏見がちらつく」
「欧米メディアは安倍政権のアベノミクスも頻繁に批判するが、自分たちの国の経済の方がずっと低迷していることを忘れているようにみえる」
日本は、外国メディアが日本をどう描くかについてもちろん知っておくべきである。しかし、その描き方は多様であることも改めて銘記すべきだろう。
これまで日本はこの種の欧米メディアからの批判的な報道には沈黙したままで、反論することが少なかった。たとえ事実関係に大きな誤りがあっても、官民ともに訂正を求めたり抗議することはほとんどなかった。そんな現状の中で、今回は米国人学者が欧米メディアに対して、日本側の実情を伝える反論を公表したというわけだ。
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