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2016年07月25日(月) 高橋 洋一
ジャーナリストをダマした経験のある筆者だからわかる、鳥越氏の「決定的な弱点」
【PHOTO】gettyimages
失速、鳥越氏
いよいよ東京都知事選は残すところあと1週間になった。世論調査では、
<読売新聞>小池・増田氏競り合い、鳥越氏が追う
<日経新聞>小池氏先頭に終盤なお接戦
<中日新聞>小池氏がリード
<JNN>小池氏を増田氏が追う展開
となっている(それぞれのURLは最終ページに記載。以下も同じ)。ちなみに1週間前は、以下の通りだった。
<毎日新聞>小池氏、鳥越氏競り合い 増田氏が追う
<日経新聞>小池氏が序盤先行 鳥越・増田氏が追う
<産経新聞>小池百合子氏、一歩リード 鳥越俊太郎氏、増田寛也氏が急追
<共同通信社>小池氏と鳥越氏が競る 増田氏追走
ここに来て、鳥越氏の勢いがなくなっている。先週の本コラムで、「鳥越氏の化けの皮が徐々にはげていくの
ではないだろうか」と書いたが、その通りになっている。街頭演説の少なさと政策に対する準備不足を指摘し
たが、それが、覇気のなさや若さがないというマイナスイメージが効いているのだろう。
さらに、先週21日発売の週刊文春で、『鳥越俊太郎 都知事候補「女子大生淫行」疑惑』と報じられた。
(http://ch.nicovideo.jp/shukanbunshun/blomaga/ar1071032)。これも、鳥越氏のマイナスイメージを大き
くしている。
実は、この話は、大学関係者ならかなりの人が知っている「都市伝説」である。週刊誌では、有名私立大学と
書かれているが、都市伝説ではその大学とは上智大学とされており、ゆえに上智大学重大事件といわれている
そうだ(実際、このワードはネット上でも散見される)。
こうした情報に疎い筆者でも知っているのであるから、大学関係者では周知の噂話なのだろう。都市伝説では
、上智大学文学部の某教授が、鳥越氏を招いた際に、鳥越氏がその女子学生に迫ったということになっている
。
ただし、これはあくまで都市伝説である。その真偽はわからない。もっとも、当時の関係者の名前はかなりわ
かっているので、取材すれば、どの程度真偽のある話なのかはわかるだろう。
ここまでの話は大学関係者なら誰もが聞いたことがある噂話だが、事情通のマスコミ関係者によれば、鳥越氏
の女性問題はこれにとどまらないのではないか、という。いずれ二弾、三弾の記事が出るのでは、ともいう。
基本的なことができていない
こうした問題は、過去の話であり、今後の都政には無関係として、割り切るのもひとつの考え方である。筆者
はどちらかといえば、女性問題は法に触れなければ、あまり追及しても意味ないという立場である。ワイドシ
ョー、週刊誌で取り上げればそれでいいだろう、と思うぐらいだ。
しかし、今回の鳥越氏の対応について、「基本的なことができていない」という問題点が気になった。
まず、鳥越氏の7月12日の出馬会見を思い出した。政策について「これから考える」と言い放ったことではな
く、女性記者からの「候補者の人間性を知りたい」という質問に対して、「そんなのは2人になったときに言
うもの」と答えたことだ(http://www.sankei.com/politics/news/160712/plt1607120061-n5.html)。
この言い方は、女性に対してよく使っている言葉だと感じた。後日、ある政治関係者と話したときにも、同じ
感想を言っており、そのうち女性問題に関する報道が出てくるだろうと予想していた。やはりというか、その
通りだった。
そして、週刊誌報道に訴訟で対抗し、反論コメントを出さないのは最悪手だ。週刊誌で報じられたことの真偽
は別として、選挙では鳥越氏不利になるからだ。
これは、舛添氏が「第三者の目」とかいいながら弁護士を使って自分を正当化しようとして、墓穴を掘ったこ
との教訓が生かされていない。舛添氏は自分で説明せずに、弁護士を盾として使ってしまい、逃げているよう
に見えてしまった。政治家は逃げたらまずダメだ。選挙期間中ならなおさらである、
最善手は何かといえば、訴訟を起こすのはいいが、記事を書いた文春記者と公開討論を行うことだ。その際、
他のメディアも入れて記者会見方式にするのもいい。
時間無制限で徹底的に行えば、有権者の見る目も違うだろう。しかも、今なら相手は文春記者だけで、記事に
も弱点あるからだ。もし文春記者をやり込めれば、ピンチがチャンスにかわる。ここは千載一遇のチャンスだ
った。
鳥越氏は、そのチャンスを見逃した。鳥越氏は「弁護士に聞いて」というが、それでは政治家としての説明責
任を果たせないだろう。しかも、鳥越氏のやり方は、それまでの彼の主張ともかなり齟齬がある。
彼は、報道の自由を一貫して主張してきているが、今回の例でわかったのは、その報道の自由は「オレには報
道する自由があるがオレを報道したら訴えるぞ」というものだったことだ。これでは、ジャーナリストによく
ある「他人には厳しく自分に甘い」となってしまう。
深刻な勉強不足
週刊誌報道は鳥越氏にとって痛いものとなるだろうが、それ以上に政策についての不勉強は深刻である。
そもそも、参院選の結果を受けて都知事選に出馬したというのがなんともちぐはぐだ。参院選は国政であるの
で、そうであれば、3年後の参院選またはあと2年半のうちに行われる衆院選で出馬すべきだ。
鳥越氏の演説では、憲法改正や原発問題が多く語られている。しかし、それらは国政課題であり、都知事選で
重要なのはより身近な政策課題である。
その典型例が待機児童問題だ。この待機児童問題でも、鳥越氏の基礎知識は危うい。23日、待機児童問題につ
いて母親たちと語りあう懇談会で、馬脚を現してしまった。
鳥越氏の方から参加者に、都立保育園を作りたいといったら、参加者から「都の保育施設には既に認証保育所
もあり、新たに作らずにその見直しでいい」と切り返されてしまった。
保育施設は、認可保育所・認証保育所・認可外の保育施設と大きく三つに分けられている。
認可保育所は、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を
クリアして都道府県知事に認可された施設であり、東京では区立と私立がある。
認証保育所は東京都独自の制度で、東京都は都独自の基準を設定し、都と区が補助している。
認可外の保育施設は、国の認可を受けていない保育施設のことで、広い意味では認証保育所も認可外施設の一
部になる。
新たに保育所を作るとなると、区立はなかなか難しい。都立になれば白紙からとなりなおさらだ。そこで、民
間の私立を活用するのが早いし、対応の柔軟性もある。
こうしたことは、実際に母親のほうが詳しいが、待機児童問題を少しでもかじった人なら、基本の中の基本で
ある。しかし、鳥越氏にはそうした基礎知識がなかったようだ。
ジャーナリストは付け込まれやすい
ジャーナリストは、一見もっともらしいことをコメントするが、筆者の経験では不勉強な人が多く、直前に話
を聞いて、そのままコメントする人が結構多い。
鳥越氏は人の話を聞く耳を持ってるのが特徴と言っているが、逆に言えば、自分では勉強しないようにも聞こ
える。はっきりいえば、耳学問である。こうしたタイプの人は結構ジャーナリストに多い。
そうした人を騙して、意のままに扱うのは簡単だ。筆者はかつて官僚時代に、そうした人にレクチャーして、
役所のいいなりにしたことも少なくない。その種の人は、対外的には格好つけたいので、その心の隙につけ込
んで操りやすいのだ。
母親との懇談会は、鳥越氏の取り巻き支持者がセットしたのだろう。支持者は公務員労組が多いので、鳥越氏
は彼らのいいなりで、公務員の既得権確保のために、「都立」保育園という突飛な話が出てきたのではないか
と疑ってしまうほどだ。
鳥越氏の一件は、ジャーナリスト上がりの首長に対する警鐘になるだろう。ジャーナリストは口で文句を言え
ばいいのであって、実際にプレーヤーになれると勘違いしないほうがいい。
本稿を書いている24日、「候補者ネット討論」に鳥越氏は欠席した。小池・増田氏は出席したにもかかわらず
、だ。これで、鳥越氏の目はなくなったのではないか、と筆者は考えてしまう(冒頭の各種世論調査も参考の
上で、だ)。支持が伸び悩むのは、このあたりに原因があるのではないかと分析する。
小池氏と増田氏のどちらかが都知事になるのかを予測することは難しい。調査によっては、小池氏と増田氏の
差が縮まっているというものもある。
選挙は最後の3日間で決まるというが、まさに、今回の都知事選を言い表した言葉だ。
なお、今回の都知事選と同じと投票日31日に、新宿、台東、大田、渋谷の4選挙区で都議補選が行われる。新
宿区の都議補選では、小池氏の元秘書が出馬しており、小池氏が都知事になった場合には都議会での小池氏へ
の援軍になるだろう。都議会対策も打ちつつあるようだ。
自民党都連は、増田氏以外の応援は「親族も含めて」処分するという締め付けをしており、それがかえって小
池氏の同情を招き、分裂を強いられている。
自民党本部は、小池氏の処分は都知事選後としており、小池氏の勢いもあるので、増田氏一本になりきれてい
ない。
残り1週間で、小池氏と増田氏は死力を尽くして票集めに奔走するが、果たして勝利の女神どちらにほほえむ
だろうか。小池氏にやや分があるか。どちらも大臣経験者で実務経験は問題ない。
(週末の各種調査URL)
<読売新聞>
小池・増田氏競り合い、鳥越氏が追う
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/20160723-OYT1T50117.html?from=tw
<日経新聞>
小池氏先頭に終盤なお接戦
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H25_U6A720C1MM8000/?dg=1&nf=1
<中日新聞>
小池氏がリード
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016072402000071.html
<JNN>
小池氏を増田氏が追う展開
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2828859.html
(先週の各種調査URL)
<毎日新聞>
小池氏、鳥越氏競り合い 増田氏が追う
http://mainichi.jp/auth/guide.php?url=%2Fsenkyo%2Farticles%2F20160718%2Fddm%2F001%2F010%2F244000c
<日経新聞>
小池氏が序盤先行 鳥越・増田氏が追う
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H1I_X10C16A7MM8000/
<産経新聞>
小池百合子氏、一歩リード 鳥越俊太郎氏、増田寛也氏が急追
http://www.sankei.com/politics/news/160718/plt1607180003-n1.html
<共同通信社>
小池氏と鳥越氏が競る 増田氏追走
http://this.kiji.is/127343242197206522
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高橋洋一
2009年(平成21年)3月24日、東京・練馬区の温泉施設 『豊島園 庭の湯』の更衣室ロッカーから、高級腕時計「ブルガリ」や財布など約30万円相当を盗んだ現行犯で事情聴取された。所轄の警視庁・練馬警察署による逮捕はなく[30]、3月30日、窃盗の容疑で書類送検された[31]。
この事実を受けて、当時高橋が教授職を務めていた東洋大学は、「(大学の)品位を傷つけた」として、2009年4月20日付で高橋を懲戒免職とした[32]。東京地方検察庁は4月、有罪を認めた上で反省しており、かつ「被害品はすぐに戻され、既に社会的制裁も受けている」として、高橋の起訴猶予を決定した[31][33]。
その後は公の場から遠ざかっていたが、事件から半年後の2009年11月、テレビの討論番組 『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演[34]、マスメディアでの活動を再開した[35]。
事件について橋は、2009年9月30日に出版された著書『恐慌は日本の大チャンス 官僚が隠す75兆円を国民の手に』で触れており、「事件は私のミスから始まった」と述べ、多くの人に迷惑をかけたと反省しお詫びしている[36]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E6%B4%8B%E4%B8%80_(%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E8%80%85)#.E5.88.91.E4.BA.8B.E4.BA.8B.E4.BB.B6
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