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「3分の2」の意味を知らなかった?!(※イメージ)
室井佑月 参院選で「3分の2」の意味を知らなかった国民〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160721-00000272-sasahi-pol
週刊朝日 2016年7月29日号
作家・室井佑月氏は、週刊朝日で連載中のコラム『しがみつく女』で、現役大臣を落選させたのは共産党の手柄だと讃える。
* * *
参議院選後の記者会見で民進党の岡田代表がこう語っていた。
「がちんこで戦って(3分の2を)取られたら敗北したということだが、(首相が)逃げて逃げて戦いになってない。堂々と議論すべきでなかったか」
この言葉を、見苦しい言い訳という人もいるだろう。けど、あたしはこれが真実なのだと思う。
今回の選挙は争点がよくわからなかった。なにしろ、岡田代表が言うように、かみあっていない。与党側は争点を経済・景気・雇用とし、野党側は改憲阻止を訴えた。
安倍自民の念願は、憲法改正だ。だから、野党側が改憲阻止で纏(まと)まって戦った。だが、そのことを知っている国民は、どれほどいたか。
7月11日付の毎日新聞電子版「改憲ライン『3分の2』認知浸透せず」という記事。
<毎日新聞が10日、全国の有権者150人に街頭でアンケートを実施したところ、6割近くにあたる83人がこのキーワードを「知らない」と回答した>
アンケートは投票した人と投票しなかった人75人ずつに聞いた。投票した人のうち29人が、投票しなかった人では54人が「知らない」と回答したらしい。
7月5日付の高知新聞電子版にも「【参院選 土佐から】改憲への『3分の2』高知で83%意味知らず」という記事が載っていた。こっちは8割超えだ。
本来なら選挙のかなり前からマスコミはこういった調査をし、投票日までに、今回の選挙の意味を国民に伝えるべきだった。
憲法が変わるということは、この国が変わるということでもある。そういう大事なことを国民に伝えるのが、マスコミの仕事だろう。
選挙前、新聞には「改憲勢力、3分の2超えか」とたくさん書かれていたが、国民がその言葉を理解していないなら意味がない。
影響の大きなテレビでは、開票後の選挙番組で、ようやく「3分の2」の説明が解禁になったように、どこもそのことを大々的に扱っていた。
が、それって開票後にすることなの?
ま、全国に32あった1人区では、「3分の2阻止」を訴え、野党共闘で11勝した。沖縄と福島では、現職大臣を落選させた。
これは真っ先に野党共闘を訴え、1人区に候補者を出さなかった共産党の手柄だ。
安倍自民は選挙中、アベノミクスのホラ話みたいな自慢と、共産党の悪口に徹した。共産党というより、共産党と組んだ民進党に揺さぶりをかけるような言い方だった。
民進党内にも、グズグズと共産党のことを悪く言う人はいた。
願わくば、今後の選挙では、民進党内のそういう人たちを追い出してほしい。
岡田さんは「共産党ではなく、我々は国民の気持ちと組んだ」って言い方をする。だとしたら、選挙後の総括はそこからはじめるべきだ。野党を応援する国民は、それを望んでいる。
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