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過熱する都知事選・候補者の質は、この「3つの質問」で見抜けばいい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49199
2016年07月18日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■体力も重要な判断基準
都知事選は、先週14日(木)直前まで誰が立候補するのかですったもんだしたが、事実上、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏、小池百合子氏の三つどもえになった。鳥越氏は民進党、共産党、社民党、生活の党、増田氏は自民党、公明党、日本のこころを大切にする党が推薦している。
過去の都知事選により東京都知事になった人は8人。安井誠一郎(57)、東竜太郎(66)、美濃部亮吉(63)、鈴木俊一(68)、青島幸男(62)、石原慎太郎(66)、猪瀬直樹(66)、舛添要一(65)。括弧内ははじめて都知事になった年齢である。安井氏を除き60歳代だ。
主要3候補は、鳥越俊太郎(76)、増田寛也(64)、小池百合子(63)。初めての知事年齢という点からみれば、小池氏、増田氏は普通であるが、鳥越氏は初めての70歳代となる。
夏の選挙は、炎天下での演説を強いられるため、この年齢になると過酷だ。都知事の健康は重要なので、選挙戦を戦えるかどうかはその試金石になる。たとえば17日の日程をみてみる。各候補者は、それぞれのfacebookで演説時間、場所を書いているので、それから拾い上げてみよう。
鳥越氏は2カ所(https://www.facebook.com/torigoeshuntaro/?fref=nf)
11:00 町田駅北口デッキ
15:00 吉祥寺駅北口
増田氏は9カ所(https://www.facebook.com/masuda.hiroya.tokyo/?fref=nf)
8:00 東久留米駅西口
9:00 清瀬駅北口
12:30 選挙事務所→JR立川駅北口
13:00 JR立川駅南口
14:30 昭島駅北口
15:30 満留寿前
17:00 聖蹟桜ヶ丘駅
19:00 町田POPビル前→町田109前
19:40 町田109前
小池氏は6カ所(https://www.facebook.com/yuriko.koike.96/?fref=nf)
10:30 後楽園ラクーア前
11:00 ウィンズ後楽園前
13:00 JR秋葉原駅 電気街口前
15:00 浅草雷門前
16:30 砂町銀座商店街入口
18:00 豊洲ららぽーと前
となっている。一日だけの例であるが、こうして「どれだけ演説で回ったか」は候補者の体力を知る一つの指標にはなる。
■ネットとテレビで分かれる鳥越氏への評価
実は17日朝7:30−8:55放送の『報道2001』(フジテレビ)で、三者はテレビ出演するはずだった。出演していた猪瀬直樹氏によれば、「鳥越氏が出演を断ったため増田氏、小池氏が出られず、都知事選がテーマから外された」(https://twitter.com/inosenaoki/status/754502927373312000?lang=ja)とのことだ。
これでは、有権者は政策判断をする機会が失われている。なお。猪瀬氏はネット上で、テレビや新聞では腰が引けて報道できないような爆弾発言を続けている。特に自民党都議を名指しで批判したものは強烈だ(https://twitter.com/inosenaoki/status/753145883055710208?lang=ja)。
さて、テレビとネットの両方をみていると、鳥越氏に対する見方はかなり違っているのに気がつく。テレビでは、同業者のよしみなのか、鳥越氏に好意的な意見が多いが、ネットでは批判的だ。
話は変わるが、16日朝、大阪のテレビ出演のために前日から大阪入りしていた筆者は、朝のCNNニュースを見てびっくりした。トルコでクーデターが起こったというのだ。朝の段階では、クーデターだったのか、反乱だったのかわからなかった。そのうち、エルドアン大統領が生存していて、スマホのfacetimeで国民に「反乱勢力と戦え」と指示を出している映像が出てきた。
これまでのクーデターであれば、テレビ局が制圧されて、クーデター成就というパターンが多かった。今回でも反乱分子はテレビ局を制圧して、クーデターが成立とかの情報を流していたが、なんとネット上でエルドアン大統領の映像と声が流れている。これが、体制側の反転攻勢のきっかけであったという。結局、クーデターは未遂となって、反乱分子は、大統領の殺害に失敗した、ネットの威力に負けてしまった、と言ってもいいだろう。
今回の都議選でも、ある選挙関係者は、東京都知事選は空中戦になるので、テレビなどの既存メディアよりもネットの影響力は大きいという。参院選が終わったばかりなので、組織選挙はかなり不利だ。選挙運動は、基本的にマンパワーを要する肉体労働であるが、参院選でもうヘトヘトになっているうえ、猛暑に入っていることもあり、従来の組織力はあまり機能しないだろう。
■あまりに準備不足な人
カギを握るのは圧倒的な浮動層である。この意味で、これまでの都知事選では知名度の高い人が後出しじゃんけんをして勝ってきた。鳥越氏は、究極の後出しじゃんけんであり、その意味で有利だ。しかも、民進党、共産党などの統一候補でもあるので、それも有利に働くだろう。
ただし、あまりに準備不足だ。しかも、3候補がそろって行われた記者会見を見ていても、鳥越氏は予備知識が不足していて、まともな発言がすくなかった。
例えば、「ガン検診100%」を公約として掲げたのには、「あれっ」と思った。「日本は30%ぐらいしかない。東京都もそういう低いレベルです」というが、東京都の検診率は40%程度である。
都福祉保健局のサイト(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/gan/toukei/data/jyusinsuii01_01.html)をみると、胃がんなど5種類のがんについて、いずれも40%前後となっている。ガン検診を目標に掲げるのなら、東京都の実情くらいはしっかり頭に入れておくべきだろう。鳥越氏は数字が苦手なのだろうが、それで大丈夫なのか。
また、出馬を表明していた宇都宮健児氏が出馬辞退となったが、宇都宮氏は「自分の公約はすべて取り入れられると鳥越氏は言った。特に築地の問題は念を押しておいた」と、記者会見で自身の辞退の経緯を説明した。ところが、宇都宮氏の「築地市場の移転中断」などは、鳥越氏の公約に盛り込まれていない。宇都宮氏からみれば鳥越氏に騙されたわけだ。
さらに、「築地市場の移転中断」について、鳥越氏は、13日の報道ステーションで、予算を執行しているので力業ではできないが、「ゼロベースで考えていきたい」といっている。
かつて、新国立競技場建設問題で自民党内が揺れていたとき、安倍首相は「白紙撤回して、ゼロベースで検討」すると明言した。この用法でわかるように、「ゼロベース」は問題の撤回、中断である。
これまでの言動を聞く限り、鳥越氏は「築地市場の移転」を白紙撤回して、中断する気はないのだろう。しかし、出てきた言葉は「ゼロベース」だが、公約には「築地市場の移転中断」を掲げていないという、なんともちぐはぐな行動だ。
日本のジャーナリストによくあるタイプで、言葉がよく定義されていないで、そのときどきで変わる、横文字でかっこつけているタイプだ。
■それではバレてしまいます
実は、筆者も鳥越氏の言動矛盾を感じたことがある。これは、2015年12月28日の本コラム「「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした〜それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!この国のバランスシートを徹底分析」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47156)にある。
筆者が「借金1000兆円というのは政府バランスシートの右側をみているだけで、左側の資産を考えればたいしたことない」と話したとき、鳥越氏は「資産は売れない」といったのだ。これは、財務省の定番の反論でもある。それに対しては資産の大半は金融資産だから売れる、という反論と、国債の中にも借換債を発行して事実上返さないものもある、という反論がある。
私はテレビでは前者で反論したうえで、休憩の時に「資産を売れないというと、政府関係法人の民営化や事業縮小をしないで、天下り先を温存することになる」と伝えたら、天下りには厳しいそぶりをジャーナリストはよくするので、鳥越氏は困った顔をした。
都知事選は、はじまったばかりであるが、各種世論調査では、鳥越氏と小池氏が競っており、増田氏が追う展開という。鳥越氏のほうが小池氏より少し上だが、僅差だという。
しかし、テレビのドタキャンなどのネガティブな話が増えたり、街頭演説が少ないと、鳥越氏の化けの皮が徐々にはげていくのではないだろうか。準備不足と、ジャーナリスト・テレビコメンテーターのいい加減な部分が次第にでてくるからだ。
テレビ等の既存メディアで報じなくとも、ネット上で東京都民は十分な情報を入手して、結局はバレていくような気がする。
■この質問に、答えられますか?
筆者も関係している「NPO法人万年野党」では、近々都知事選に出られる候補者に、有権者の情報提供になるように、公開質問をする予定だ。
3候補の公約は、それぞれ鳥越氏(http://www.shuntorigoe.com/pg_tochiji.html)、増田氏(http://www.h-masuda.net/assets/common/images/top/poster.pdf)、小池氏(https://www.yuriko.or.jp/senkyo/kouyaku.pdf)と公表されている。
ただし、それらは比較できるようになっていない。たとえば、3者ともに、待機児童を解決するというが、
「現在、東京都の保育サービス利用児童数は24万8千人ほど(2015年4月現在)。2014年12月に舛添要一前知事が策定した『東京都長期ビジョン』によれば、平成29年度末までに、さらに約3万4千人の受け皿を用意し(2017年度末の利用児童数の目標値は27万5千人ほど)、東京都の待機児童問題を『解消する』としているが、この計画の目標値以上を目指してやるのかどうか」
という質問に対する答えをみれば、おのずと3者の意気込みがわかる。また、
「東京都の2014年度財務諸表(各会計合算)によれば、固定資産:約32兆円、うちインフラ資産:約14兆円、行政財産:約8兆円、公営企業会計出資金:約2兆円となっている。運営権売却など資産売却、民営化を進め、これを財源に保育・介護の充実、都市競争力強化などを進めることに賛成か」
という質問で、財源に対する意識や官僚の天下りへの対応もわかる。さらに、外国人参政権への取り組みも聞きたい。これは候補者の政治スタンスの差をみるのは格好の質問である。
これらの質問に3者がどう答えるのか。読者のみなさんも注目していただきたい。
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