http://www.asyura2.com/16/senkyo209/msg/518.html
Tweet |
捏造する新聞、政党を信じれば国は良くなるか
気温が50度を超える過酷な地でのPKO活動を体感して
2016.7.15(金) 森 清勇
南スーダン、停戦維持も避難民3.6万人、国民の7割超が要人道支援
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/d/1/600w/img_d1bd890005a128cf5d8d59dcf3da292e129942.jpg
南スーダンの首都ジュバにある教会に避難した人々(2016年7月12日撮影)〔AFPBB News〕
毎日のように「真夏日」や「猛暑日」が続いており、テレビからも「熱中症に気をつけるように」という丁寧な注意喚起が行われている。しかし、この摂氏30度や35度が一時的に涼しく感じられた。
それはエジプトから帰ってきた直後の数日間のことである。それもそのはず、当該地では連日45度前後であったからである。
これよりもっと厳しい南スーダンやソマリア沖アデン湾などで国際社会の安定や当該国の国造りのために勤務している自衛官がいる。
そうしたことを知りながら、自衛隊をいまだに「海外で戦争する」組織と煽り、取り消したとはいえ「自衛隊の予算は人殺しのためだ」と公言してはばからない暴言と欺瞞の政党がある。
「海外で戦争する国にさせない」のからくり
「海外で戦争する国にさせない」は、日本共産党の近年のキャッチフレーズである。安保法案が提出される前から一貫して主張していた。「海外で戦争する国にさせない」ということは、放っておけば「海外で戦争する日本」であると言っているに等しい。
日本が外国に侵略戦争を仕かける意図があるかのようにあえて国民に誤解させ、日本共産党はそれに反対し平和を愛する政党である、また若者を戦争に巻き込まない政党であるという印象操作を強く意識したもので、過去数次の選挙でも功を奏してきた。
徴兵制についても政府・与党は自衛隊創設以来、否定してきた。しかるに、安保法制で戦争する国になるとか、必ずや青年たちが徴兵制でかり出されるかのように喧伝してきたのは日本共産党をはじめとする野党である。
そして、母親たちには息子が戦争に取られる、悲しいことだと言わんばかりに、ないことを有るかのように虚構で組み立て、支持者を集めてきた。
しかし、今次の参院選で、共産党は目論んだほどには伸びなかった。民主党に至っては敗北である。国民が虚構に目覚めたことに加え、新しく選挙に参加した18歳19歳の半数以上が自民党支持だという現実を見せつけられた。
「わが国は憲法のもと、専守防衛を防衛の基本的な方針とし、実力組織としての自衛隊を保持し、その整備を推進し、運用を図ってきている」(27年版防衛白書)のである。
特に9条の趣旨から、「他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」「文民統制を確保する」「非核三原則を守る」ことを基本政策としており、自衛隊がこの原則のもとにあることは言うまでもない。
しかし、共産党や朝日新聞には何でもありである。共産党の町議や運動員が安保法制への反対署名を小学校の児童にさせていた(産経新聞28年6月14日)という、反対のためなら物事の判断ができない児童さえ利用する、信じられない行動が明らかになった。
昨年の安保法案成立翌日(2015年9月20日)の朝日新聞「天声人語」は、首都圏の某小学校2年生が、「安倍首相に届けてください」と校長室に6通の手紙を持ち込んだと書く。
続いて、「あの子たちはテレビニュースを見たのだろうか。(中略)ひらがなの多い文ながら戦争や平和について考えを懸命に書いていた」と言い、「17日の参院特別委の採決は、(中略)あの子らには見せたくない言論の府の醜態だった」と述べる。
小学2年生の総理への貴重な意見具申であり、優秀な学童の名前が知りたい。高山正之氏は、「社長の渡辺某は(中略)取材にカネをかけるなと強く言った」由で、「天声人語もその成果か」と褒め、「7歳の子が国会の論争をじっと見て志位和夫の話に感動するだろうか」と疑問を呈する(2016.7.14付週刊新潮「変見自在」)。
自衛隊が派遣されるところは
現役時代に自衛隊の海外派遣が始まり、カンボジアPKOの派遣には少々関係したが、当該地の状況を自ら体験するには至らなかった。そうしたこともあって、退官後は隊員が派遣された場所や近傍に行き、後追いで厳しさだけでも味わいたいと思ってきた。
そこで、カンボジアを訪ね、イスラエルではゴラン高原の近くまで行き、また、南スーダンには行けないが、エジプト南端のスーダン国境まで行き、またペルシャ湾上空からタンカーの列を俯瞰する飛行経路を選定したりしてきた。
エジプト南部の砂漠では蜃気楼(右の写真)が忘れられない。延々と続く砂漠であるが、あたかももう少し行けば湖があるかのように島々が湖水に浮かんで見える。
正午から3時くらいまでは外を歩いている人は少ない。室内にいても、乾いた空気は冷房が効いていない限り無情に顔を火照らせる。
顔面に正面から吹きつける熱風には圧迫感がある。横から眼前を横切っていく熱風が目尻をヒクヒクさせる感じは、今まで経験したことのない暑さの「感覚」に思えた。
陸上自衛隊が勤務する南スーダンはエジプトのさらに南約1500キロのところにある。隊員が駐屯する首都ジュバは北緯5度付近の赤道直下と言ってもいいところである。シンガポールとほぼ同緯度であるが、マンゴなどが生い茂るどころか、荒漠たる砂漠で、気温は50度を超える厳しい環境である。
南スーダンから東の方へ約1500キロのところがソマリア沖のアデン湾であり、ここでは海上自衛隊がジブチ(北緯10度)を基地として海賊対処に従事している。
艦艇の甲板は摂氏70度にもなる状況下で、触れば手がシュンと焼けつくほどだと聞いた。こうした煉獄と言っても過言でない環境で、日本を代表して派遣された隊員たちは半年間勤務している。
国際社会の安定と当該国の国造り、さらには平和の維持に努力している自衛隊であるが、日本共産党をはじめとする多くの野党は全く理解していない。
いやあえて欺瞞の言辞で曲解させ、自衛隊とこれを派遣する安倍政権に、「ノー」を付きつけようとしている。
現地で働く隊員たちの声
今では、南スーダンに派遣された陸自隊員や海賊対処に当たってきた海自隊員、彼らを輸送する任務に当たった空自隊員も多くいる。しかし、その勤務環境の実体はほとんど語られていないので、国民に実情は伝わっていない。
共産党は「科学的」という言葉を多用するが、いうまでもなく自然科学的ではなく「社会」科学的の意味であるように、自然のままに物事を見ることをしないで情実で語りかける政党のようだ。
炎熱下の砂漠の中で、国づくりに努力する当該国民の手伝いをしている陸自隊員を見ながら、「海外で戦争する」「人を殺す予算」という日本共産党は、炎熱下の大気のゆがみである蜃気楼を見ているに等しい。
また、割れば目玉焼きとなる甲板で監視しながら海賊対処に当たる海自隊員の姿は、あまりの暑さで口さえききたくないに違いない。
安保法案審議で、共産党はイラクに派遣された部隊の教訓集らしき部内資料を示しながら、「戦争」にも等しいものであったというような表現を手玉にとって舌鋒鋭く追及した。
隊員たちが勤務する場所は、一時のドンパチどころか、現場にいるだけで50度、60度、70度の熱湯に長時間いるも同然である。日本にいる感覚では理解できないことばかりだ。
実際、イラクに持ち込まれた隊員用迷彩服や小銃、トラックなどは、日本仕様のままででは役に立たず、多くの改修が行われイラク仕様に改変された。
多国籍連合任務部隊(CTF151) に参加した田尻裕昭一等海佐は「気温が50度を超え、湿度が100%に近い日も多い過酷な環境の中で、海上交通の安全を維持し、わが国の安定と発展のため、また国際社会の平和と安定に寄与するために、海賊対処行動に従事しました」(27年防衛白書)と淡々と述べる。
また、現在南スーダンで道路の補修・整備に奮闘する西谷剛三等陸曹は「直射日光の下、50度を超える暑さと砂埃(すなぼこり)が舞い上がる過酷な環境ではありますが、(中略)我々の活動が南スーダンの国造りにつながるよう、精一杯頑張っていきたいと思います」(「朝雲」28.5.26)と抱負を述べている。
気温50度超とは、足元は紛れもなく60度を超えているであろう。隊員たちの心身も、文句なしに現地仕様に改修されているに違いない。
安保法制の成立過程を振り返って
昭和21年(1946年)8月21日衆議院本会議に置いて共産党代表の野坂参三は9条の平和主義を「空文」、交戦権の否認を「民族の独立を危うくする」として厳しく非難した。共産党は唯一憲法9条に反対した政党である。
その日本共産党が、若者に共感を与え、選挙を有利にするという当面の目的だけのために、国際社会の平和と安定に貢献しようとする政府・与党を、ただただ立憲主義に反する安倍強権政治と難じ、「防衛費は人を殺すための予算」などと公言してはばからないのは虚言もいいところである。
自衛隊が行った海外での国際平和協力活動は既に4半世紀に及んでおり、国際平和協力業務(PKO)だけでも10以上のミッションに参加している。
イラクをはじめとした人道復興支援やテロ対策への協力・海賊対処行動、さらには大規模災害に対処する国際緊急援助活動などを含めると、延べ5万人近くの隊員を派遣している。
日本は当該国の目線に立って、ニーズに応える対応と現地人の技能の向上などに尽力し歓迎されている。日本が邪まな考えを持たないことの理解に加え、派遣される隊員が現地に溶け込む努力を惜しまないからである。
こうした実態を十分に知っているであろうと思われるにもかかわらず、日本共産党は先の安保法案審議で取り上げたように、現場は戦争と思えるほど厳しいという趣旨の内部文書を手玉に取り、あたかも海外で戦争する国を目指しているかのように詰問した。
日本共産党はそもそも自衛隊を存続させたいとは思っていないが、野党共闘で政権を取るまでの方便として、存在する自衛隊には活躍してもらうという意識である。そうした考えを図らずも政策責任者が暴露したのが先の「人を殺すための予算」発言であった。
安保法制が「専守防衛」という基本方針のもとで成立したように、海外で戦争できない大前提が厳然として存在する。
仕かけられた戦争に「自国を守る」ために止むを得ず戦う自衛しか認められないわけで、「海外で戦争する」という発想自体があり得ない邪悪な言いがかりでしかない。
終わりに
自衛隊が戦争ではなく平和構築に努力してきたこと、そしていまも頑張っていることに日本共産党や朝日新聞などは思いを馳せようとしない。反対のためには記事の捏造も厭わない。
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏がカンボジアPKOは税金の無駄遣いであったと数年前に主張し、外交評論家の岡本行夫氏と論争していた。この発言を契機に、筆者は直接カンボジアを訪ね、数人の市民からではあったが「国造りに役立った」との言葉を聞いた。
その後のPKOやイラク人道復興支援なども同様で、派遣部隊が作った道路や給水、あるいは衛生施設などが使い続けられていることは望ましいが、それらのハードはいずれ使用不能となる。自衛隊が蒔いた「国造りの精神」が生き続けるかどうかこそが核心である。
批判する人たちは、形而下的なものの見方しかしていないようである。どの国とも違ったやり方で自衛隊が当該国などに残している文化的なものや精神的なこと、言うなれば形而上的なことが支援の本質であるということを忘れているように思えてならない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47353
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK209掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。