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地位も名誉もなげうった小林節氏「落選」の理不尽
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185544
2016年7月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
今井絵理子氏(左)は当選、小林節氏は落選した/(C)日刊ゲンダイ
最低にして最悪の結果が招かれた。ずいぶん多くを書きもし、語ってもきたが、何もかも無駄だったらしい。
国民は安倍晋三の強権と戦争、巨大企業の万能、さらなる階層間格差拡大、監視社会、言論統制等のいっそうの徹底を望んだ。世論調査では憲法“改正”賛成の割合が自民党の支持率より低い、だから与党の圧勝は民意の反映ではないという表現がよくあるが、果たしてそうか。
不公正な選挙制度やマスコミの堕落はわかりきっている。だが、どれほど権力べったりのイカサマ“報道”がまかり通ろうと、そんなものにやすやすとだまされる人々や、宗教活動の一環ないし勤務先の業務としての“ぐるみ選挙”を恥じない人々に、そもそも有権者の資格があるのだろうか。
選挙結果に示された“民意”の方こそが狂っている。好例が比例区での小林節氏(国民怒りの声)と今井絵理子氏(自民)の明暗だ。
憲法学者の小林氏はかねて筋金入りの改憲論者だが、近年における自民党のあまりの独善に憤激した男である。
安保法制の強行は立憲主義を無視するものだとの声明を出した学者らが中心となり、ついには地位も名誉も投げ捨てる覚悟で出馬に至った。最も深くこの国を愛し、かつ最高の知性を備えた憂国の士のひとりであるにもかかわらず、落選させられた。
一方の今井氏は、ただ単に彼女の属性が客を呼べるとの判断で公認された元アイドルタレント以上でも以下でもない。
選挙期間中に朝日と毎日が行った候補者アンケートにも、あらゆる問いを「無回答」で返していた。地元・沖縄の基地問題についても同様で、要は党の振り付け以外には主張すべき言葉などありませんと公言したにも等しい人が、なんと開票9分後には当確を決めていた。
もはや右や左の問題ではない。誰も彼もが、自分の頭で考えるぐらいなら死んだ方がマシだとばかり、権力の腐臭にすり寄っていく。自衛隊ならぬ“国防軍”が米軍の下で中東やアフリカを侵略し、国内ではNHK朝の連ドラ「とと姉ちゃん」にも登場した隣組長や国防婦人会のような手合いが、隷従しない者に「非国民!」の怒号を浴びせる光景が、もうじき日常化することになるだろう。
この国はもうダメかもしれない。それでも、一日も早くやり直すための努力を重ねよう。
しばらくは個人の人生観次第だ。最後まで魂を湛えた人間であり続ける生き方と、操られるだけの生き方の、どちらを選ぶのか――。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ早大商卒業、英国・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。『日本工業新聞』入社後、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経て独立。弱者の視点に立ち、権力者の横暴を徹底的に批判する著作を出し続けている。消費税の逆進性を指摘する著作も多数。「機械不平等」「安心のファシズム」「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」「ちゃんとわかる消費税」など。
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