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≪直感≫ 安倍晋三、敗れたり。
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16年07月11日 永田町徒然草
参議院の選挙区選挙の結果は、出た。比例区選挙の、残り5議席の結果を待っているところだ。さまざまな見方があると思うが、安倍首相本人はたぶん臍(ほぞ)を噛んでいると、私は思っている。今回の参議院選挙で、安倍首相がいちばん狙っていたのは、憲法改正を発議できる参議院議員の3分の2を確保することだった。参議院の定数は242議席であり、その3分の2の議席は161議席である。
マスコミが改憲勢力としているのは、自民党・公明党・おおさか維新の会・日本の心を大切にする党の、4党である。現在のところ、おおさか維新の会を11人、日本の心を大切にする党を3人とカウントして、非改選議員と合わせて157人が当選した。しかし、公明党とおおさか維新の会の代表が選挙期間中および選挙後に言明したところによれば、安倍首相が狙っている憲法改正に賛成する可能性は、とうてい期待できない。
安倍首相があれだけ口汚く罵(ののし)ったにもかかわらす、野党共闘で臨んだ32の1人区の勝敗は、21勝11敗だった。野党共闘を実現していなかったならば、とうてい望める結果ではなかった。野党全党は、それを肌身で知った筈である。だから、3年後の参議院選挙前に実施される衆議院総選挙においても、必ず野党共闘を模索する。そうなったら、衆議院総選挙において、自民党が過去2回のような勝利を収めることは、絶対にできなくなる。
「何だか分からないが、とにかく選挙に強い」というのが、安倍首相が自民党の中で大きいな力を持っている原動力であった。ところが、今回の選挙の結果、このカリスマ性がもう通用しなくなる。これが、安倍首相の政治力を一挙に削ぐことになるのは、明らかである。アベノミクスの化けの皮が剥がれるのと相俟って、安倍首相のこれから先は、茨(いばら)の道となる。
以上が、いま私が、政治家として感じていることである。詳しくはいろいろなデータをみた上で検証するが、政治にとって大切なのは、直感である。私の、この直感は間違っていないだろう。困難な中で、必死に戦った皆さんの努力が、日本の政治の新しい展望を切り拓いたのだ。心から敬意を表する次第である。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。
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