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参院選の総括と今後の方向性
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2016.07.11 きっこのブログ
10日投開票の参院選は、このブログを書いてる11日の早朝の時点で、ようやく結果が出そろった。ご存知のように、参議員の任期は6年で、ぜんぶで242議席、3年ごとに半数ずつ選挙を行なう。だから、今回の参院選でも、任期が切れる121議席の議員だけが選挙を行なったワケだ。
で、今回の参院選では、与党の自民党が55議席、公明党が14議席、合わせて69議席を獲得した。一方、野党は、民進党が32議席、日本共産党が6議席、おおさか維新の会が7議席、社民党が1議席、生活の党が1議席、日本のこころを大切にする党、新党改革が0議席、無所属・その他が5議席、合わせて52議席だ。
そして、これに、今回は選挙がなかった非改選の与野党の議席を足すと、与党の非改選は76議席だから145議席、野党の非改選は45議席だから97議席になる。ちなみに、改選前の議席数は、与党が135議席、野党が107議席だったので、与党は10議席増やし、野党は10議席減らしたことになる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この獲得議席数だけを見れば、「与党が大勝」とか「野党が惨敗」とかってレベルまでは行かないけど、「与党が勝って野党が負けた」ってことにはなる。だけど、もっと細かく分析してみると、そうとも言い切れない事実が見えてくる。
たとえば、今回、1つ増えて全国32になった1人区だ。1人区では、共産党が候補者を立てないようにして、野党共闘が行なわれたけど、その結果、与党が21議席を獲得、野党が11議席を獲得した。ようするに、与党側から見ると「21勝11敗」という結果だけど、はたしてこれが「与党の完全勝利」と言えるのだろうか?
だって、前回の2013年の参院選では、全国31の1人区で、自民党と公明党の与党は「29勝2敗」だったんだよ。それが、今回は「21勝11敗」になったんだから、与党が8議席も減らした一方で、野党は9議席も増やしたことになる。その上、野党が勝った9議席の中には、安倍政権の現職の大臣を落選された選挙区が2つもある。それは、沖縄県と福島県だ。
沖縄県では、安倍政権の現職の島尻安伊子沖縄北方担当相に10万票以上の大差をつけて、辺野古への基地移設に反対する伊波洋一氏が初当選した。これで、沖縄には選挙区選出の自民党議員は1人もいなくなり、衆参6人の議員が全員、辺野古への基地移設反対派となった。
また、福島県では、これまた安倍政権の現職の岩城光英法務相を破り、民進現職の増子輝彦氏が勝利した。福島県いわき市に生まれ、いわき市議会議員、福島県議会議員、いわき市長、参議院議員と進み、ついに大臣にまで上り詰めた「おらが町の大臣さま」に、福島県民が「NO!」を突きつけたのだ。
福島県だけでなく、青森、秋田、岩手、宮城、福島、山形の東北6県では、福島と宮城で改選数が2から1に減った中、統一候補を擁立した民進、共産、社民、生活の野党4党が5議席を獲得、自民は改選前の5議席から大幅に減らし秋田の1議席しか獲得できなかった。被災3県を取材したTBSラジオの記者によると、多くの有権者が安倍政権の復興政策の酷さに怒っていて、投票先を与党候補から野党候補に変えたという。
もちろん、トータルで見れば、与党は議席を増やし、野党は議席を減らしたんだから、「与党が勝って野党が負けた」ということになる。だけど、野党共闘をせずに、これまでと同じように候補者を乱立させて足の引っ張り合いをしてたとしたら、1人区で11もの議席を獲得することは難しかっただろう。
選挙の直前まで、グダグダと党内調整をしていた民進党と違って、いち早く野党共闘の重要性をアピールして積極的に動いた共産党の志位和夫委員長は、今回の参院選の結果について、「最初のチャレンジで32の1人区すべてで野党統一候補を実現し、11で勝利を勝ち取った。これは大きな成功と言っていい。野党がバラバラで戦った場合、かなり厳しい結果が出たことは間違いない」とコメントした。
あたしも、ホントにその通りだと思う。そして、民進党がもっとテキパキと動いてくれていたら、それぞれの1人区での準備に時間を割くことができたワケで、もっと多くの議席を獲得していたんじゃないかと思う。「共産党なんかと手を組むとスポンサーの労組に見放される」とか、この期に及んで最後までグズグズしてた一部の民進党幹部たちは、少しは自分たちの置かれた立場を客観的に見てほしい。
志位委員長は、「今後も野党共闘を続けていきたい。衆院選小選挙区での協力の話し合いをぜひ進めていきたい」ともコメントした。頑固一徹で絶対に主義主張を変えなかった共産党が、安倍政権の暴走を止めるために、ここまで柔軟な姿勢に出てるんだから、とりあえず民進党は積極的に協力してほしい。
‥‥そんなワケで、参院選にばかり目が行っちゃうけど、同日の10日に投開票が行なわれた鹿児島県知事選でも、民進・社民両党の支援を受け、共産との候補1本化で出馬した無所属の新人・三反園訓(みたぞの さとし)氏が、自民・公明の推薦で4選を目指した現職・伊藤祐一郎氏を破り、初当選した。三反園氏は終始一貫して「川内原発の停止」を訴えたけど、この主張に、多くの無党派層と自民党支持層が流れたと報じられた。
参院選や衆院選などの国政選挙だけでなく、このように、地方選挙でも野党共闘は力を発揮する。鹿児島県知事選で初当選した三反園氏の得票は42万6471票、敗れた伊藤氏の得票は34万2239票、その差は約8万4000票だ。もしも共産党が独自の候補者を擁立していたら、その候補者が8万4000票以上を獲得していたら、現職の伊藤氏が4選を果たし、川内原発は今後も危険なまま推進されていただろう。
前回2013年の参院選で安倍政権が大勝し、衆参の「ねじれ」という良識の歯止めが消滅してしまった時、マトモな有権者の多くが絶望的な気持ちになった。これでは、政権与党のやりたい放題になってしまうし、何よりも二院制の意味がなくなる。だけど、そんな時、文化放送「飛べ!サルバドール」にゲスト出演した落合恵子さんは、次のように言った。
「3年後まで国政選挙がないからといってガッカリしていてはダメ。それまでにも地方選挙があるのだから、安倍政権が真っ黒にしてしまったオセロを1枚ずつでも白にして行きましょう!」
そう!その通りだ!だけど、この時点では、まだ野党はバラバラだった。地方選挙でも野党がそれぞれの候補者を乱立させるから、「反与党票の分散」という足の引っ張り合いになってしまい、結局、与党候補が「漁夫の利」を得ることになるケースが多かった。でも、今は違う。今回の参院選の1人区を見ても、鹿児島県知事選を見ても、野党共闘が一定の効果をあげている。
‥‥そんなワケで、今回の参院選での野党共闘は、志位委員長の言う通り、「最初のチャレンジとしては大きな成功」だったと思う。そして、これは、次の衆院選に向けての第一歩だと思う。総理大臣には「解散」という必殺技があるワケだし、事実、前回の衆院選も「消費税増税の延期の信を問う」とかいうバカ丸出しの理由のために、突然、解散総選挙が行なわれた。参院選が終わった直後に「次の臨時国会から憲法改正をきちんとやっていく」などと言い出した安倍晋三首相のことだから、衆参両院で3分の2の賛成を得られたとたん、国民投票をすっ飛ばして解散総選挙に打って出る可能性だってある。だから、安倍政権の暴走を止めようと思ってるマトモな野党の皆さんは、直前になってから慌てないように、今から野党共闘のための綿密な打ち合わせをしておいてほしいと思う今日この頃なのだ。
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