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2016/07/08 17:02
<安倍政権が打ち出した消費増税延期。参院選を控えていたからでしょう、与党も野党も消費税を上げないことに賛成しました。与野党で増税するまでの期間がただ違うだけというのは情けないかぎりです。
問題は、選挙で高齢者の票が逃げることを恐れ、社会保障費(年金、医療、介護など)の削減をタブー視していることです。社会保障費を削ると政府が言えば、有権者は怒って政府に投票せず、選挙でボロ負けします。それを恐れて歴代の政権与党社会保障費の改革は避けてきたのです。
国の借金は1000兆円を超えており、毎年の国家予算(2016年度は96兆円)で半分以上は国債(借金)を発行してやりくりしている。予算のうち医療や介護などの社会保障費は3分の1の32兆円を占めますが、この分野は毎年増え続けている。それだけ国民の借金が増えているということです。消費税を上げないのであれば、社会保障費の削減を打ち出すことは必須です。今の日本の国債発行に全面的に依存した財政状態からみると、消費税を上げるか、歳出を抑制するかという選択肢しかないのです。
ドイツは違いました。2005年、ドイツのシュレーダー首相は大胆な構造改革を断行しました。労働市場改革や年金給付水準の抑制を通じて、次のメルケル政権の65歳から67歳への年金支給開始年齢引き上げに結びつけたのです。年金支給開始年齢が2歳上がれば、その分支払わなくていい年金額が浮くので、年金財政の負担が軽くなります。しかし、当然ながら国民の不評を買うことになります。実際、シュレーダー氏の社会民主党は次の選挙で敗北しました。しかし、シュレーダー首相の構造改革がなされたおかげで、現在のメルケル政権がEUの中で指導的な位置を占めていられるのです。
安倍政権も比較的支持率が高いいまの状況なら、参院選後、次回の衆院選(2018年12月)まで時間もあるので、年金支給開始年齢を他の先進国並みに67〜70歳へ引き上げられます。これができれば、この先も確実に年金が受給できる。逆に、いま手をつけなければ、やがて社会保障費の原資である国債の買い手がいなくなり、年金財政が破綻してしまいます。そうなれば、もっと大幅な社会保障費の削減が避けられなくなる。そうした深刻な状況を伝えたうえで、必要な改革を国民に説得すべきです>(以上「年金開始を65歳から67歳に引き上げるのが安倍政権の仕事だ」八代尚宏・昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授の論評より抜粋)
さすがは第1次安倍政権で経済財政諮問会議議員をつとめた御仁だけのことはある。政府の借金をモノの見事に「国の借金」とすり替えて、国民一人一人が返済すべき借金を背負っているかのような錯覚を国民に与えている。このブログで何度も指摘したことだが、国は借金大国ではなく海外債権350兆円を保有する世界一の純資産国だ。
借金をしているのは政府であり、その借金の大部分の借入先は国民が預貯金をしている金融機関からだ。つまり国民が金融機関を通して政府に貸し付けているのだ。勘違いしてもらっては困る。
学者面をしていかにも年金支給開始を67才に先延ばしすれば年金会計の問題器解決するかのように言っている。しかし根本的な年金の格差については全く言及していない。70才支給開始になろうがいつになろうが、方や月額30万円を超える年金を手にする人がいれば、方や満額ですら月額一人6万5千円しか手に出来ない人たちがいる。
そうした年金制度そのものの格差を論じないで、年金支給開始年齢を引き揚げればすべて問題は解決する、という能天気な発言をするとは流石は第1次安倍政権で経済財政諮問会議議員を務めただけのことはある。
消費増税を先延ばししたのは良かった、ではなく、先延ばしするに到った原因は何であり、それは誰の政策によるのか、という論考がなければ学者の言葉としてあまりに不適切ではないだろうか。
いや、学者で政府委員に任命される人たちには共通した傾向が見られる。竹中氏にしてもそうだが、国民でも貧困層の人たちは眼中にないようだ。竹中氏などは「構造改革」が道半ばだから貧困が発生しているなどと馬鹿な発言すらしている。構造改革を徹底して行えばどういうことになるのか、それは彼らがお手本としている米国社会を見れば明らかだ。
消費増税を先延ばししたのが良いのではない。消費税を5%から8%に引き上げたのが間違いだったに過ぎない。それは財務官僚による「税と社会保障の一体改革」というマヤカシの殺し文句で引き揚げられたが、その全額が社会保障に回されているのではない。
しかも徴収率が60数%と低下の一途をたどっている。これほど国民の需要削減効果による景気悪化と、と税制として酷い税はない。そのことは多くの経済学者が指摘していたところだが、残念ながら彼らは官僚の御眼鏡に適わなくて、決して政府委員にはなれない。つまり政府が広報する「学者発」の主張はすべて御用学者のものだけという惨状だ。御用学者とは何か、とよくよく知りたい人はこのブログの上段、引用の部分を精読されれば良く解るはずだ。
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