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JICA協力隊員撤収を報じた毎日新聞の大スクープ
http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/07/06/post-4885/
6Jul2016 天木直人のブログ
バングラデッシュ犠牲者の無言の帰国を大きく報じる大手新聞の記事の中で、きょう7月6日の毎日新聞が一大スクープ記事を飛ばした。
JICAは、昨年10月に農業関係の事業に従事していた邦人が路上で銃撃され、死亡した事件を見て、現地に派遣していた青年海外協力隊員ら48名のスタッフを急きょ帰国させていたというのだ。
この邦人はJICAとは関係のない邦人だった。
しかし、イスラム国が犯行声明を出したのを見て、JICA事業に従事していた邦人を一斉に帰国させていたのだ。
ところが、JICA職員と、JICA発注プロジェクトに参加するコンサルティング会社関係者は帰国させなかった。
JICA職員の駐在継続は仕方がない。
JICA職員まで撤退させては、バングラデッシュへの援助打ち切りになるからだ。
JICA職員は、その安全性に万策を講じ、日本大使館と一体になって駐在させたのだ。
問題は民間コンサルティング企業関係者・専門家だ。
身の危険を察知していたのだから、本来ならば帰国を命じなければいけないところだ。
しかし、援助プロジェクトを継続させる必要から、帰国させるわけにはいかなかった。
その一瞬のためらいが、今度の犠牲につながったとすれば悔やんでも悔やまれない。
私は、35年の外務省勤務の中で経済協力を担当する期間が長く、JICAとは、その設立の時から、組織が拡大する過程まで、ともにかかわって来た。
当時は今の様なテロは考えられなかったが、それでも紛争当事国への援助には慎重だった。
いつしか経済協力が、我が国の安全保障政策や産業政策と深くかかわるようになり、危険な地域への援助も行われるように変貌し、JICA理事長も、安全保障政策を重視する国際政治学者の天下り先になっていった。
その行き着く先が今度の事件であったとすれば、そしてその犠牲者が結果としてみな民間人となったことは、政府・JICAの責任である。
この検証は、今後の日本の援助政策を考える上で避けて通れない。
その事を迫る毎日新聞の大スクープ記事である(了)
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