「今回の信用収縮恐慌は二番底・三番底なので底が深い」 1929年末のニューヨーク株式大暴落は,1929年末のニューヨーク株式市場大暴落の前後を振り返った記録は沢山ある。どの記録も、経済指数が過去の記憶を塗り替えている。バブル崩壊の前兆は全く見えなかったという点で一致している。2007年末の東京株式大暴落は、ゼロ金利の円が迂回し投機資金化。世界の投機資金が間接的に大流入。外国企業・個人が約75%取引寡占したことが影響した。しかも関税をゼロにし、自国の農業や中小企業を壊滅させても、世界信用収縮恐慌の再発は絶対に防止すべきだと信じているのだ。 そのために政府日銀には世界信用収縮恐慌を発生させる世界機軸通貨の交代は見えない。そして、迫りくるバブル崩壊のインジケーターの足音が振り切れるタイミングも予知できない。そのために間違った対処をするのです。2007年末の東京株式大暴落には,2017年前後に二番底・三番底が発生することが分かっていた。しかし政府日銀にはその妖怪の姿が認識できないのです。 そして日銀は、金利の上下動や、金融緩和,貸出枠を開閉すればコントロールできると信じている。このコントロールは、政府高官の口先介入と同じ一時的な効果しかない。政治は、その時その時の対症療法で、根本治療のタイミングを遅らせ、朝令暮改を繰り返すだけである。 すべての経済現象は、結果から観察すると、需要と供給の均衡と不均衡で説明できる。だが、ナゼ需要と供給は、均衡と不均衡の景気循環を発生するのだろうか?すべての経済学者は、この謎解きのために努力した。
アダム・スミスは「神の手」だと解いた。マンガ経済教科書はダーウィンの進化論ばりに「生存競争と淘汰によって需要と供給は自然に均衡されるので、景気は自動的に回復する」と解いた。このような競争と淘汰の常識をもっている大蔵大臣は「貧乏人や中小企業は首をつって死ね(そうすれば淘汰され景気は早く回復する)」と、常々思っているために、ついついホンネの失言をしてしまう。 どんな大企業、どんな国家といえども、人工的・人為的にブームをつくることはできない。だが、経済の予知科学の発見した対立要素と周期により、その反転のタイミングにジャストミートさせれば、ロングランの大ヒットが可能となる。 これまでの経済学の常識・経験則・既成概念では、バブルは崩壊しないとバブルだと認識することができない。その理由は、第一章で証明したように、バブルを発生させる思考と行動と、日常の経済常識による思考と行動とを、区別できないためである。 1929年のニューヨークと2007年の東京株式市場を比較しておこう。共通しているのは、以後十年以上にわたる世界信用縮小恐慌がスタートする号砲として記憶されることだ。その遠因が、基軸通貨がキンとの交換を停止し、通貨の為替交換を自由(フロート)化したことにあるということは、経済学には、未だに全く見えていない。
基軸通貨のフロート化で、歯止めを失った世界の通貨は膨張し、株や土地を中心に信用膨張バブルを発生させる。その空前のバブル景気を謳歌した米国と日本が、株暴落と通貨の切り下げと切り上げを経験し、新基軸通貨体制に移行するまで、収束復元できないのだ。 経験則だと「戦争以外に世界信用収縮恐慌からは脱出できない」ということになる。経済学者は腹の中で、そうは思っているが、倫理観に束縛されて、そう主張する人はマレである。だが、朝鮮戦争とベトナム戦争の特需で、劇的に景気を回復した日本と、戦争ごとに景気を回復する米国の軍需産業の指導者には、戦争景気待望論は根強い。 地球を破壊させることが確実な第三次世界大戦を避けるためには、世界信用収縮恐慌を収拾するため、国益エゴを捨て、とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用し、固定為替システムに戻し、通貨を安定させるべきだ。次に、キンに頼らずに世界の信用を維持するシステムを構築し、バブルの行動と正常な行動を峻別すべきである。 戦後、世界の基軸通貨はポンドからドルに実質移行し、自然発生的(国際協定なしに)に第二次金本位制(ドルをキンの代理とする為替固定制に移行した。その後、為替表示がポンドからドルヘ完全移行するのに40年もかかった。このことからも、通貨・為替の慣習・既成概念が、いかに強固なものであるか分かる。 「日銀の仕事」 80 から90 年のバブル期、日本の民間の金輸入量は、米国の保有金の25%を越えた。しかも天皇家の埋蔵キンもある。そこで、33 年のルーズベルト大統領にならい、金の輸出輸入を国家管理にし、原価百円の1万円札紙幣で、国民から金価格相場にプレミヤムを付けて買上げると、円は間違いなくドルとユーロと共に、25%の金を保有して、第三の基軸通貨となる。 そして、現在進行形の第二次世界恐慌は、今回はドル・ユーロ・円が、世界の75%の金とリンクすることで収束できる。政府と大企業は産業革命を前倒しすることである。だが今の自民党・公明党政権と安倍政権は絶対にしない。そのために日本は古今未曽有の地獄絵図化を体現する。楽しむことだ。
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