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ダッカの悲劇は今後も続く “人質よりも改憲”が政権の本性
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184972
2016年7月4日 日刊ゲンダイ 文字起こし
警戒に当たるダッカの警官(右は菅官房長官)/(C)AP
いったい、国民の命をどう考えているのか。これが安倍政権の“本性”なのだろう。
バングラデシュの首都ダッカで起きたテロ事件。日本人7人が犠牲になってしまった。実行犯は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫びながら銃を乱射し、コーランを暗唱できない者を容赦なく殺害したという。武装勢力「イスラム国」は、「十字軍の国民を狙った」と犯行声明を出している。
事件が起きたのは、日本時間の2日(土)午前0時半。菅義偉官房長官は朝8時30分、緊急会見を開き「人質に日本人が含まれている可能性がある」と伝えている。恐らく、官邸には日本人が人質になっていること、命の危険にさらされていることなど、緊迫した情勢が刻一刻と入っていたはずである。
ところが菅は、会見を終えると官邸を離れ、参院選の選挙応援のために新潟に飛んでいるのだ。新潟で2カ所の演説をこなし、東京に戻るまで8時間半も官邸を留守にしている。さすがに、公明党幹部が「えっ、選挙応援に行っちゃったの?」と驚いたらしいが、当たり前だ。
日本人の命がどうなっているのか分からないのに、官房長官が官邸を空け、街頭演説するなんて、ありえない話である。官房長官だけではない。中谷元防衛相も選挙応援を優先し、東京を離れている。
安倍首相は二言目には「国民の生命と財産を守る」とエラソーに口にし、「国民を守るためだ」と戦争法案も強行成立させている。なのに、日本人の命が危険にさらされているのに、官房長官や防衛大臣が選挙を優先するとは、どういうつもりなのか。本当は、国民の命など、どうでもいいのではないか。
「安倍政権の正体を見たと思いましたね。安倍首相は“血を流してこそ日米同盟はホンモノになる”と口にするような政治家です。国民の犠牲を軽く考えているフシがある。本気で国民を守ろうとしているのか疑問です。実際、シリアで拘束されているジャーナリストの安田純平さんの救出に動こうともしません」(政治学者・五十嵐仁氏)
■テロの標的になってしまった日本国民
ダッカのテロ事件で分かったことは、もはや日本人にとって安全な場所は、世界中どこにもないということだ。日本人7人が犠牲になった惨事は、起こるべくして起こったと考えた方がいい。
バングラデシュでは、昨年10月にも、北部在住の日本人男性が犠牲になっている。その時、イスラム国は「イスラム国と戦う有志連合の一員である日本の国民を狙った」と声明を出している。
今回のテロも、日本人を含めた外国人が狙われたのは間違いない。襲撃されたのは、日本人客に人気のある高級レストランだった。
かつて、日本人は中東諸国から尊敬され、日本人とわかれば危害を加えられないともいわれたが、もはや日本人であることをアピールしても何の役にも立たない。40代の男性が英語で「私は日本人だ」と英語で3回叫び、「どうか撃たないでくれ」と懇願したが、実行犯に店内に連れ込まれている。
「日本人がテロの標的になっていることは間違いない。昨年1月、安倍首相がエジプトまで足を運び『イスラム国と戦う国に資金を提供する』と演説したことで、日本は敵だと見なされてしまった。その後、イスラム国は『アベよ、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する』と宣告しています。イスラム国は、世界中のシンパに対して『それぞれ自国の中で有志連合に打撃を与えよ』とテロを呼びかけている。もう、日本人は世界のどこに行っても安全は保障されないと覚悟した方がいいと思う」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)
「テロに屈しない」で国民は犠牲に(C)
国民の命よりアメリカのご機嫌
これ以上、犠牲者を増やさないために、日本は「テロとの戦い」から上手に距離を置いた方がいいのではないか。そもそも、欧米各国と違って、一度も中東を侵略したことがない日本は、彼らから恨みを買う必要はないはずである。イラクに侵略戦争を仕掛け、イスラム教徒から恨まれているアメリカとは違う。「テロとの戦い」に深入りせず、国益を最優先するのが、賢い外交というものだ。同盟国とはいえ、国民を危険にさらしてまでアメリカに従うことはない。
なのに安倍首相は、日本人が何人、犠牲になろうが「テロに屈しない」と、アメリカと運命をともにするつもりだから狂気の沙汰だ。すでに「戦争法案」を成立させ、“集団的自衛権”の行使を可能にしている安倍は、イザとなったらアメリカと一緒に中東で戦うつもりだろう。
そうなったら、日本人の犠牲者は際限なく増えていく。
「イスラム国と戦う国に資金援助すると表明しただけで、日本はテロの標的にされています。たとえ後方支援でも、アメリカと一緒になって戦闘に加わったら、日本国内にテロを呼び込む恐れがある。パリの同時多発テロや、ベルギーの連続爆破テロについて、イスラム国は『有志連合の軍事作戦に参加したからだ』と犯行理由を表明しています。心配なのは、日本はソフトターゲットになる場所がいくつもあることです。あるいは、海外に進出している現地の日本企業が狙われるかも知れません」(孫崎享氏=前出)
安倍に国民を守る気持ちはないのだろう。あるのは、アメリカに認められたいということだけだ。このままでは、ダッカの悲劇は何度も起きてしまう。
■国内テロに乗じて改憲へ
もし、国内でテロが起き、犠牲者が出たら、日本はどうなるのか。
「テロとの戦いから手を引くべきだ」とはならず、「治安を強化すべきだ」という声が噴出するに違いない。安倍は、その声に乗じて一気に国家による統制を強め、改憲を推し進めてくる可能性が高い。立正大教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「あのフランスでさえ、パリの同時多発テロの後、緊急事態だとして、国民の基本的人権を犠牲にしてまで治安強化を優先しています。たとえば、令状がなくても逮捕できるようにしている。もし、日本でパリと同じようなことが起きたら、フランス以上に強い国家統制を求める声が広がりかねない。少なくとも、安倍政権は、国民をその方向へ引っ張っていこうとするでしょう。それは、自民党の憲法草案を読めば一目瞭然です。〈個〉を弱め、〈国家〉を前面に出している。憲法13条の〈すべて国民は、個人として尊重される〉は、個人ではなく人に書き換えられ、前文の書き出しも〈日本国民〉から〈日本国〉へ変えられています」
かつて自民党の長勢甚遠元法相は、「国民主権、基本的人権、平和主義の3つをなくさなければ、本当の自主憲法にならない」と言い放っている。これが自民党議員のホンネなのだろう。
その一方、集団的自衛権を行使するためにも、安倍は改憲を急いでいるとみられている。
「戦争法案の成立によって、自衛隊は集団的自衛権を行使できます。でも、実際に行使したら、必ず違憲訴訟が出てくるでしょう。地裁によっては、違憲の判決も出てくると思う。政権にとっては大打撃です。スムーズに集団的自衛権を行使するために、安倍首相は改憲したいはずです」(金子勝氏=前出)
7月10日の参院選で「改憲勢力」に3分の2を与えたら、安倍首相は間違いなく改憲に突っ走ってくる。日本人が人質になっているのに、選挙応援に血道を上げているのも、参院選で圧勝するためだ。国民の命を守るつもりのない政権を勝たせていいのか。有権者はよく考えるべきだ。
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