http://www.asyura2.com/16/senkyo208/msg/734.html
Tweet |
安倍政権の黒幕「日本会議」のナゾと、支配されたマスコミの危機〜「憲法改正」に向かう不気味なものの正体
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49024
2016年07月03日(日) 中島丈博 現代ビジネス
■女性官僚の靖国参拝に感じる違和感
安倍政権の次の課題は憲法改正であって、この政権で改憲ができなければ、この先いつできるか分からない。ラストチャンスだと思っていると、元谷外志雄アパグループ代表は長尾敬衆議院議員との『Apple Town』誌上の対談で語っている。
長尾敬議員は自民党の若手議員らの勉強会「文化芸術懇話会」で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」発言の大西英男議員や作家の百田尚樹氏が沖縄の新聞二紙を批判して物議を醸したときに同席していて、同様意見を吐いたひとりとして記憶に新しい。
菅野完著『日本会議の研究』を読み進めると、そこで示された、日本会議が改憲のために立ち上げた「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のパンフレットには元力士の舞の海秀平さんやジャーナリストの櫻井よしこさんらとともに百田尚樹氏の顔も並んでいるし、長尾敬議員は「極めてあけすけに、かつて自身が日本会議の前身である日本青年協議会の構成員であったことと、いまだにこの右翼団体にシンパシーを抱いていることを表明してしまって」おり、「文化芸術懇話会」は日本会議とズブズブに繋がっていると書かれてある。
かねてより私は安倍政権の女性閣僚や女性党幹部が喜々として靖国参拝に訪れるさまをテレビのニュースで目にする度に、何とも奇態な妖怪の一群を見るが如き違和感と不可思議感に襲われて仕方がなかったが、本書は「日本会議国会議員懇談会」にも属している彼女らの何人かの出自来歴をも明解にして、その謎に答えを与えてくれる。
安倍政権の反動ぶりも、ヘイトの嵐も、『社会全体の右傾化』によってもたらされたものではなく、実は、ごく一部の人々が長年にわたって続けてきた市民運動の結果であることを立証することが本書の目的だと著者は書いているのである。
■これはまるで青春群像劇だ
内閣総理大臣補佐官の衛藤晟一、日本青年協議会会長であり日本会議の事務総長でもある椛島有三、安倍政権の筆頭ブレーンで日本政策研究センター代表の伊藤哲夫、中国による南京事件のユネスコ記憶遺産登録に反対する意見書を作成した保守的言論人である高橋史朗、集団的自衛権は合憲であるとする官邸側のイデオローグ憲法学者の百地章、それらの「一群の人々」の来歴を洗い出していく著者の筆致は一種スリリングでさえある。
彼らのルーツが70年代の「生長の家学生運動」や長崎大学での左翼学生のバリケードに抗しながらの学園正常化運動に身を挺する民族派学生たちという原点に辿り着いたとき、なにやら壮大な青春群像劇に接しているような錯覚さえ呼び起こさせる。衝撃的な一書であると言うべきだろう。
それにしても、自民党は参院選挙で憲法改正の争点化を避けて相も変わらぬ経済政策推進の是非で誤魔化すらしい。このような擬態は日本会議の正体隠しと相似を成すものかもしれない。
今般の公選法改正の成果をどうやら安倍政権は期待しているのではないだろうか。上杉聰著『日本会議とは何か――「憲法改正」に突き進むカルト集団』は、それに関連しての日本会議の教科書運動を取り上げている。
憲法改正に向け国民投票の賛成票を増やす工作として中高生への教育が大きな位置を占めるとして、日本会議は「日本教育再生機構」なる組織を発足させて育鵬社から中学校向けの歴史、公民の教科書を発行している。
憲法問題についての記述は歴史教科書に、「大日本帝国憲法のほうが素晴らしい、現在の憲法はGHQの押しつけであった」などと強調してあり、それらは日本会議の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が発行した巨大チラシとまったく同様の主張なのである。
「戦後、主要国で憲法を改正していない国はありません!」「自衛隊の存在を憲法に明記しよう!」
日本会議のチラシには安倍首相が繰り返す憲法改正の必要性とも同じ文言が躍っており、育鵬社発行の公民の教科書は「日本会議の宣伝チラシ化」しているというのであるから、安倍政権の反動ぶりはこうした日本会議の『市民運動』と連動していることを如実に示していると言わねばならない。
それでも安倍内閣の支持率はなぜか下がる様子を見せない。
この疑問にはマーティン・ファクラー著『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』が答えてくれるだろう。著者はニューヨーク・タイムズ前東京支局長で、安倍政権のメディア・コントロールは実に巧妙だとしている。
安倍首相自らが大手テレビ局の幹部や新聞社幹部と頻繁に会食し、戦略的に懇親会を利用して、アメとムチをドライに使い分けメディアを制圧している。安倍政権への批判を真っ向から展開することもなく、コントロールされっぱなしの日本のメディアに、著者は強い危機感を示している。
自民党以外の選択肢がないとする有権者が多い中、メディアがこのていたらくでは支持率は安定したまま保持されることになる。ここにきて舛添ショックで些かの低下を見たけれど。
参院選の結果はどう出るのだろうか。
なかじま・たけひろ/'35年京都市生まれ、'45年より高知県中村市。NHK大河ドラマ『草燃える』『元禄繚乱』ほか、映画『津軽じょんがら節』『祭りの準備』等脚本多数。監督作品に『おこげ』等。'07年旭日小綬章。『牡丹と薔薇』など昼ドラも多く手がける
※この欄は中島丈博、堀川惠子、熊谷達也、生島淳の4氏によるリレー連載です
『週刊現代』2016年7月9日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK208掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。