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これが争点だ バクチに溶けたGPIFと郵貯マネー15兆円
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/184621
2016年6月29日 日刊ゲンダイ 文字起こし
国民の資産を犠牲に(C)日刊ゲンダイ
これは参院選の重大な争点だ。国民の虎の子の金をバクチに突っ込むような暴挙は、今すぐやめさせなければならない。
英国のEU離脱ショックで、世界の株式市場は不安定な状態が続いている。週明け27日も、欧米主要市場の株価は軒並み下落。それを受けて、28日の日経平均も全面安で取引が始まった。前場には下げ幅が一時、前日比300円を超える場面もあった。
「ところが1万5000円を下回ると、株価指数先物にすかさず買いが入る。後場も内需株を中心に買いが入り、終値は前日比13円93銭高の1万5323円14銭と、辛うじて1万5000円ラインを死守しました。公的年金資金の買いが相場を押し上げたとみられます」(市場関係者)
いまだに「アベノミクスを進めるか否か」とか言って、ありもしない経済政策の成果をアピールする安倍政権としては、何としても参院選の投票日まで、これ以上の株価下落は避けたいところ。公的資金で必死に買い支えているのだろうが、年金の運用損が膨らむ中、さらに年金を市場にブッ込むなんて常軌を逸している。国民の大切な資産が株価操作の道具に使われていいのか。国民はもっと怒らなければダメだ。
安倍政権は14年10月、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用比率を変え、リスクが高い株式投資を50%にまで倍増させた。その結果、巨額の運用損を出している。
英国のEU離脱ショックで株価が暴落した24日は、国内株式が1.9兆円、外国株式は1.7兆円の運用損を出したという試算もある。たった1日で3.6兆円の損失だ。昨年度の想定損失と合わせれば8.6兆円である。
■株安による損失ではなく「人災」
民進党は早速、調査チームを立ち上げ、「EU離脱による株価暴落で、どれだけの年金が失われたのか」と問いただしたが、GPIFの担当者は「年金の積立金の運用は長期的な観点から行うものなので、短期的な動向に過度にとらわれてはいけないと考えている」とノラリクラリ。長期的な観点から見て年金に影響がないのなら、具体的な数字を公表すればいいのだ。公表できないほど巨額の損失が出ているのかと、ますます国民は不安になる。調査チームの山井和則衆院議員が言う。
「アナリストの試算によれば、昨年度だけで5兆円の運用損失が出ている。さらに、英国ショックで損失が膨らんだ可能性が高い。問題は、これが単なる株安による運用損ではないことです。ポートフォリオ(資産構成割合)を変えていなければ、損失はほとんど出ていなかった。株安になっても、国債が上がっている分でトントンになったはずだからです。だからこそ、我々は安倍首相がポートフォリオを変えて株式などのリスク資産の比率を上げると言った時に反対した。今回の損失は紛れもない人災です。目先の株価底上げのために、国民の年金を犠牲にした。これがアベノミクスの本質なのです」
民進党の長妻昭衆院議員が14年12月に提出した質問主意書で、08年のリーマン・ショックと同様の経済状況におけるGPIFの想定損失額について質問したところ、政府の答弁は、何と「約26・2兆円」というものだった。リーマン・ショック当時の損失は9兆円。運用比率を変えたことで、3倍もの損が生じる可能性があるわけだ。
1日で3・6兆円が吹っ飛んだ(C)日刊ゲンダイ
「消えた年金」ならぬ「溶かした年金」が最大の焦点
さすがに安倍もヤバイと思ったのか、27日にフェイスブックでこう釈明していた。
〈「株価下落により、年金積立金に5兆円の損失が発生しており、年金額が減る」といった、選挙目当てのデマが流されています。しかし、年金額が減るなどということは、ありえません。このことを明確に申し上げたいと思います〉
だが、これこそが悪質なデマというべきだ。
「5兆円の損失というのは昨年度だけの話で、今回の英国ショックによる株価暴落の影響は加味されていない。しかも、独法通則法によって、今月30日までには塩崎厚労大臣に昨年度の運用実績を報告することになっているのに、公表するのは7月29日だという。なぜ1カ月も空けなければならないのかと聞くと、GPIFは『精査する必要がある』と言った。精査すれば数字が変わるんですか? 14年5月に安倍総理はロンドンの金融街シティーで講演し、年金の運用実績を“フォワードルッキング”で見直すとブチ上げた。ダボス会議でも、年金資金を成長戦略につぎこむと宣言した。年金の株式市場への投入はアベノミクスそのものなのです。選挙でアベノミクス加速の信を問うと言いながら、参院選後まで運用実績を公表しないのは、年金損失隠しでしかない。安倍政権はその上、年金制度改革法案を国会に提出している。これは、ひと言で言えば年金給付引き下げ法案です。国民の年金を株式市場に突っ込み、損が出たら給付を削る。株式投資は本来、自己責任なのに、安倍政権は国民にリスクを押し付けて、ギャンブルをやっている。9年前は『消えた年金記録』が問題になり、安倍首相は退陣に追い込まれましたが、今回は記録ではなく、本当に年金が消えてしまった。バクチでスッてしまったのです。アベノミクスの加速を問うのなら、溶かした年金が何兆円に上るのか、政府は早急に公表する義務があります」(山井和則議員=前出)
言うまでもなく、年金は国民の資産だ。安倍のものではない。ところが安倍は、今年2月の衆院予算委でシレッとこんなことを言っていた。
「想定の利益が出ないなら、当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」
つまり、株式運用で損が出れば、年金給付の減額もあり得るということだ。年金保険料は今年も上がった。国民は誰も虎の子の年金をバクチにつぎこめとは頼んでいない。独断で株式投資の比率を上げておいて、損が出れば国民にツケを回す。こんな身勝手が許されるのか。
■ゆうちょマネーも巨額損失
アベノミクスの罪深さは、株式投資で巨額の損失を出しただけではない。GPIFは株式投資への比重を高めながらも、国債で安定利回りを確保するリスクヘッジをしていたのだが、マイナス金利政策まで踏み込んだことで、国債の運用も行き詰まっている。年金制度は完全に崩壊してしまった。このことこそが、参院選の最大の争点ではないのか。
「GPIFだけではありません。国民の貯金であるゆうちょマネーも相当の損失を出している。株式や外債のリスク資産比率を高めることについて、15年当時の井澤元社長は猛反対しましたが、政府の意を受けた日本郵政の西室前社長(当時)が押し切り、17年度までにリスク資産を60兆円まで増やすことを決めた。郵政現社長の長門氏はこれを前倒しで進め、さらに枠を広げようとしています。今のポートフォリオだと為替が円高に10円振れるだけで、5兆〜6兆円の損が出る計算です。現状では株式投資でも損が出ているはずですから、損失は6兆円以上に膨らんでいると思う。英国のEU離脱による株価暴落が続けば、10兆円近い損失が発生してもおかしくない。問題なのは、ゆうちょ銀行の自己資金が8.5兆円しかないということです。現時点で債務超過に陥っている可能性もある。それに、株式と合わせて60兆円に広げた外債のほとんどは米国債ですから、力関係からいって日本は絶対に売れない、つまり、国民の資産を60兆円も米国に献上したも同然で、犯罪的です。国民に対する重大な背信行為であり、逮捕者が出てもおかしくない事態ですよ。政治の安定などと言う前に、責任を取って落とし前をつけろと言いたくなります」(経済アナリスト・菊池英博氏)
GPIFの損失と合わせると約15兆円だ。これ以上に膨らむ可能性もある。
過去、年金の積立金で大きな損失を出してきたことは社会問題になった。社会保険庁が運営してきたサンピア事業の損失が、約1兆2000億円。GPIFの前身である年金福祉事業団のグリーンピア事業の損失が約3700億円。アベノミクスによる巨額損失は、比べ物にならないほど甚大だ。それでなお、「今後も自分たちに任せろ」と言うのは盗人猛々しい。国民の資産にこれだけの損失を出した以上、謝罪して、総辞職が筋ではないのか。有権者は参院選の投票先をマジメに考えないと、ツケが自分に降りかかってくる。
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