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英国EU離脱決定で安倍政権経済環境急変ー(植草一秀氏)
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24th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
英国の主権者がEU離脱を決断した。
僅差での決定であるが、民主主義のルールは討論の末に多数決で決定するというものである。
僅差でも決定は決定である。
参院選でも、僅差になる選挙区が多数出現する。
このときの一票の重みは計り知れない。
必ず選挙に行って投票しなければならない。
英国のEU離脱は、
「グローバリズムの退潮の始まり」
を意味する。
「グローバリズム」
とは、
強欲巨大資本が世界市場から収奪し尽くすためのスローガン
である。
「グローバリズム」
によって利益を得るのは強欲巨大資本であって、
市民は被害者になる。
「商品を安価に入手できる」
ことで市民は騙されてしまいやすいが、
「商品を安く入手できる」
背後に、資本による市民=労働者からの収奪=搾取がある。
「商品を安く入手できる」市民自身が搾取の対象になることを忘れてはならない。
英国のEU離脱を決定したのは英国の主権者である。
この問題の論議に際して、残留を主張していた中心は
資本家
である。
資本の利益を追求する者がEU残留を求めた。
しかし、英国の主権者はEUからの離脱を求めた。
EU離脱を求める理由として
「移民の増加」
が例示され、
「移民の増加を嫌うEU離脱派は外国人排斥派である」
とのレッテル貼りが横行した。
これは、グローバリズムを推進する強欲巨大資本による情報操作である。
EU離脱の根本精神には、
「自国のことは自国の主権者が決める」
という民族自決の原則の尊重がある。
第2次大戦後に世界中で広がった国家の独立は、
「自国のことは自国の主権者が決める」
というものだった。
この考え方が、正当に、そして当然の主張として、表面化しているに過ぎない。
EU離脱派が「他国人排斥者」であると決めつけるのはあまりにも短絡的である。
安倍政権が国民を欺いて参加しようとしているTPPは、
「日本のことを日本の主権者が決められなくなる条約」
である。
TPPがもたらすものは、
「日本のことを強欲巨大資本=多国籍企業が決める」
という多国籍企業主権体制
である。
日本の主権者が賢明であるなら、
こんな国家主権、国民主権を放棄する条約に加入するなどという選択はあり得ない。
欧州ではこれから、ギリシャのユーロ離脱、南欧諸国のユーロ離脱などの動きが活発化するだろう。
デンマークやオランダでも、自国の独立を重視する主張が勢いを増すことになる。
英国のEU離脱は、多国籍企業=強欲巨大資本による政界制覇戦略に対する、
主権者の反攻の開始を意味する極めて意義深い決定である。
世界は大資本のために存在しているのではない。
世界は、世界に生きる、それぞれの地域の、それぞれの人々のために存在する。
それぞれの地域の人々が、それぞれの地域のことを、自分たちで決めようとするのは当然のことだ。
多国籍企業が世界を支配する正当性など、どこにも存在しない。
独立国同士が話し合って、契約、条約を決めることはあるだろうし、肯定もされる。
しかし、独立国が主権を放棄して巨大資本の支配下に入ることほど、馬鹿げたことはない。
しかし、馬鹿げた政府が存在すると、それぞれの国の主権者に害を与える、
馬鹿げた条約に加盟してしまうことが起こり得る。
安倍政権は2012年12月の選挙で、
「TPP断固反対」
のポスターを貼り巡らせて戦った。
それにもかかわらず、選挙から3ヵ月も経たない2013年3月15日に
TPP交渉参加を勝手に決めて、2016年2月には最終文書に署名してしまった。
このような売国行為を主権者は許してはならないのである。
6月16日付ブログ記事
「日本だけはリーマンショック時に似た危機にある」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-f8a2.html
に記述したように、
日本だけは、リーマンショック時と類似した状況にある。
サミット参加の主要国はリーマンショック時と類似した状況にないが、
日本だけはリーマンショック時に似ているのだ。
円高=株安の流れのさなかに置かれている。
安倍政権は
「インフレ誘導」
の看板を掲げて、2年間でインフレ誘導の公約を実現すると言ったが、
3年半たったいまの状況は、
「完全なるデフレへの逆戻り」
である。
その日銀が、ついに6月16日の金融政策決定会合で何も決められなかった。
日銀の投降、白旗の掲揚である。
この失態を映して円が103円/ドルに急伸、株価が15434円に急落した。
安倍政権の経済政策=アベノミクスの破綻が明白になった瞬間だ。
安倍政権はアベノミクス破綻を隠蔽するため、
「英国のEU離脱問題での株価下落」
という情報統制を敷いた。
マスメディアは
「アベノミクス破綻」
の事実を一切報道していない。
そんな、戦前と変わらないいかがわしい国であるというのが、いまの日本の実情だ。
英国のEU離脱決定で、円高・株安の流れを止めることが難しくなった。
このことが7月10日の参院選に大きな影響を与えるはずである。
詳細は
『金利・為替・株価特報』
http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html
の6月27日号
「英国EU離脱決定で安倍政権経済環境急変」
に記述したので、関心がある方はご高覧賜りたい。
1%の資本主義対99%の民主主義の戦い
は新しい局面を迎えることになる。
1%の資本がすべてを支配する時代に反旗が翻された。
日本の参院選でも、1%の資本主義に対して
99%の民主主義の力をはっきりと見せつけてやらねばならない。
51対49で勝つか、49対51で負けるかが、大きな違いをもたらす。
51対49で勝つには、最後の一瞬まで力を抜いてはならない。
念には念を入れて、絶対に投票所に足を運ばねばならない。
この意思と執念が強い方が勝利を収める。
参院選勝利に向けて、市民が大同団結しなければならない。
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