★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK208 > 362.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「参院選の争点は「国家」対「国民」「マガジン9」:森永卓郎氏」
http://www.asyura2.com/16/senkyo208/msg/362.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 24 日 00:06:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「参院選の争点は「国家」対「国民」「マガジン9」:森永卓郎氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/20246.html
2016/6/24 晴耕雨読


2016年6月22日up森永卓郎の戦争と平和講座第71回 参院選の争点は「国家」対「国民」から転載します。
http://www.magazine9.jp/article/morinaga/28634/

 今回の参議院選挙の争点は、ひとことで言うと、国家主義と国民主義の戦いだと思う。もちろん、自民党の政策が国家主義で、野党の政策が国民主義だ。

 自民党は、安全保障関連法案で集団的自衛権の行使を推進しただけでなく、憲法を改正して、国防軍を創設しようとしている。また、国家のエネルギー安全保障のため、原発を全稼働させる方針だ。そして、資本を拡充して、経済成長を図ろうとする。まさに、殖産興業・富国強兵策なのだ。「女性が輝く社会の実現」と表面では言っているが、その実態は、「女は出産・子育てをしたうえで、フルタイマーとして働き、さらには在宅で介護までしろ」という、まさに「国家総動員」体制を構築しようとしているのだ。

 「そんなひどいことはないだろう」と思われるかもしれない。そこで、法人企業統計を用いて、安倍政権下で経済に何が起こったのかを検証していこう。最近発表された2016年1〜3月期のデータと、安倍政権発足直後の13年1〜3月期のデータを比較するのだ。

 まず、全産業(金融・保険業を除く)の売上高は3年前より1.6%増えた。一方、経常利益は9.4%と大きく増えている。なぜ売上の伸びをはるかに上回る利益の拡大が生じているのか。それは、企業がコストを削ったからだ。実際、最大のコストである従業員給与は、1.9%減っている。つまり、アベノミクスの下で、企業は大きく利益を増やし、労働者は所得を減らしたのだ。ちなみに毎月勤労統計によると、実質賃金は昨年度まで5年連続のマイナスを記録している。

 アベノミクスは、経済のパイを拡大するのには成功したが、その成果は資本にだけ分配され、労働者には一切分配されなかったのだ。分配がうまく行っていないのだから、普通だったら、企業から税金を取って、国民に再分配するというのが当然の経済政策になるはずだ。ところが、安倍政権は国民より国家を優先した。こともあろうに、国際競争力を維持するためと言って、法人税率を引き下げ、その財源として消費税を増税したのだ。その結果、何が起こったのか。それが、内部留保の爆発的拡大だ。

 法人企業統計では、内部留保を「利益剰余金」と表記しているが、この額が今年1〜3月期は、3年前より29%も多い366兆円に達したのだ。しかも、これは金融・保険業を除いた数字だ。金融・保険業を加えると、内部留保の総額は418兆円にも達するのだ。国栄えて、民滅ぶ。これを国家主義と呼ばずに何と呼ぶのだろうか。

 「国家主義」対「国民主義」という理念の観点でみると、今回の参院選は、与野党の対立が明確になっていて、私は意味のある選挙だと思っている。しかし、私が一番気になっているのは、野党が掲げる理念と彼らが掲げる政策の間に大きなギャップがあることだ。その典型が消費税だ。

 民進党は、選挙公約で消費税率の10%への引き上げを2年先送りするとした。安倍政権の掲げる2年半先送りよりも短い期間だ。民進党が格差是正を掲げるなら、なぜ2年だけの先送りなのか、意味が分からない。むしろ、消費税率は5%に引き下げると主張すべきなのだ。

 こうした私の主張に対しては、「消費税を引き下げて、社会保障の財源をどうするのか」という疑問がすぐに提起される。しかし、その分は、企業からとればよいだけの話だ。いま日本の法人税の実効税率は29%台まで下がっている。これは米国の税率を11ポイントも下回る低い水準だ。欧州とは、ほぼ同水準だが、欧州は社会保険料(年金や医療)の企業負担が日本よりはるかに大きい。例えば、スウェーデンの社会保険料は、労働者の負担率が日本の半分で、企業の負担率が日本の2倍になっているのだ。つまり、いまの日本企業は、国際的にみて、とても低い水準の税・社会保障負担しかしておらず、労働者は、世界でトップクラスの重い負担をしている。それを、せめて世界標準レベルに戻すべきなのだ。

 そしてもうひとつ、野党が強く主張すべきは、タックスヘイブン課税の強化だ。国際決済銀行の統計によると、タックスヘイブンに置かれている金融資産の4分の1が、日本の資金になっている。これは、米国や英国を抜いて、世界一だ。タックスヘイブンに流れた資金は、単に税を逃れているだけでなく、あらゆる非合法資金として流通する。麻薬や売春資金のロンダリング、商品投機、テロリストへの兵器提供、北朝鮮の核開発資金の提供などだ。闇資金だからこそ、高い利回りが実現しているのだ。そのタックスヘイブンから引き上げた投資収益に、いまの日本の租税特別措置は、一定限度までの益金不算入、すなわち非課税措置を採っている。こんなバカげた税制はあり得ないだろう。

 また、これは少し論点がずれるかもしれないが、財源の手当てなしに消費税率を引き下げたとしても、いまの日本は、少なくとも数年先まで、財源問題をまったく心配しなくてよい環境に置かれている。それは、財源不足で国債を少々追加発行したところで、日銀がすべて買い取ってしまうことができるからだ。すでに現時点でも、日銀は毎月8〜12兆円程度を基本として、国債の買い入れをしている。消費税率を5%に引き下げることによって、不足する財源、すなわち国債の追加発行額は、最大でも毎月5000億円程度だ。つまり、現在の日銀の国債買い入れペースからみたら、誤差のようなものなのだ。

 疲弊する国民とこの世の春を謳歌する大企業や富裕層、どちらの味方をするのかというのが、参議院選挙で問われるべき「国民主義」対「国家主義」の対立軸なのだ。

※記事を引用する場合は出典の明記「マガジン9:http://www.magazine9.jp/」をお願いします

←「マガジン9」トップページへ   このページのアタマへ↑
マガジン9

Copyright 2005-2013 magazine9 All rights reserved

森永卓郎

もりなが たくろう:経済アナリスト/1957年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒業。日本専売公社、経済企画庁などを経て、現在、独協大学経済学部教授。著書に『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)、『年収120万円時代』(あ・うん)、『年収崩壊』(角川SSC新書)など多数。最新刊『こんなニッポンに誰がした』(大月書店)では、金融資本主義の終焉を予測し新しい社会のグランドデザインを提案している。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 人間になりたい[60] kGyK1ILJgsiC6IK9gqI 2016年6月24日 01:41:49 : vew34TeHNk : O3QpYgKaGX8[62]
全くその通りだと思います。ただ参院選の争点は「国家」対「国民」というと何か国家は悪いものだというような印象を受けますが、国家に良いも悪いもありません。国家を私利私欲のために悪用するために利用しようとする勢力に乗っ取られると悪い国家になります。そういう意味では安倍とその天カスに乗っ取られた今の日本は悪い国家です。今この国に起きている争点の本質は「人間」対「人間になれない人」との対立です。小沢一郎と山本太郎と志位和夫がなぜ共闘できるのか、人間だからです。考え方の違いは多少あるかもしれませんが人間の社会を作ろうということでは一致したからです。自民党と公明党がなぜ共闘できるのか、人間ではないものどうしだからです。自民党や公明党は政党ではありません、カルトです。日本会議と同じです。日本会議成立のきっかけを作った生長の家は安倍政権と日本会議を否定する声明文を発表しています。宗教は本来人間をつくり、人間性を目覚めさせるためのものです。カルトは人間を縛り奴隷に貶めるものです。生長の家がどういう宗教団体かはよくわかりませんが、まともな宗教活動をしたいのであれば安倍政権や日本会議を否定するのは当たり前のことです。

2. 2016年6月24日 02:11:59 : KzvqvqZdMU : OureYyu9fng[-345]

馬鹿が、企業優遇と国家優遇とは意味が違うだろが

大企業にもっと税金をかけて、国庫に納めさせにゃいかんのだ。

国家をおろそかにして、大企業を優遇するから、国庫は空っぽ。

  馬 鹿 卓 郎



[32初期非表示理由]:担当:アラシコメントが多いので全部処理

3. 2016年6月24日 21:45:33 : 2FbCg9vijk : ylRMDBXhDG8[189]
思わせろ マジで庶民の 味方だと

4. 2016年6月25日 23:48:25 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-9643]
2016年6月25日(土)
「軍事研究しない」
科学者の決意 支えは市民
シンポ

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-25/2016062514_02_1.jpg
(写真)天文学者と市民が平和を語り合うシンポ=23日、東京都武蔵野市

 シンポジウム「天文学者と語りあう平和」が23日夜、東京都内で開かれました。安倍政権のもとで科学研究の軍事への動員の動きが加速するなか、「軍事研究をしない」という科学者の決意を市民が支えようと、180席の会場を埋めた天文関係者や市民が誓い合いました。

 参加者は、映像による“宇宙旅行”で、ふるさと地球の大切さを共有。争うことの無意味さを確認しました。

 天文学の池内了・名古屋大学名誉教授は、軍学共同の急進展に対して最近、新潟大学や琉球大学などが軍事研究をしないと決めたと紹介。「こうした決議は、皆さんの支えがあって継続される」と訴えると、会場は大きな拍手で応じました。

 志田陽子・武蔵野美術大学教授は憲法学の立場から講演。研究の自由や市民の知る権利が踏みにじられ、「統治者が守るべきルールが守られず、科学の筋道が変わろうとしている」と告発しました。ナチスドイツ時代の科学者の例を引いて、成果がどう使われるのか、科学者自身が「血の通った想像力」をもつ大切さを強調しました。

 パネル討論では、市民・学生が、科学者と意見交換。軍事と科学の歴史や社会とのかかわりを討論しました。

 戦争・平和と地球をテーマにしたミュージカルを手掛ける松本MOCOさんは「軍事研究のことも、研究者の迷いも初めて知りました。自分で考えて世界に向けてどう行動すればいいのかわかった」と話していました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-25/2016062514_02_1.html



  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK208掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK208掲示板  
次へ