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産経ニュース
2016.5.27 13:12更新
http://www.sankei.com/affairs/news/160527/afr1605270013-n1.html
選挙への出馬時に納付が義務付けられている供託金は憲法の保障する立候補の自由に反するとして、埼玉県川口市の自営業の男性(56)が27日、国を相手取り、慰謝料など300万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。
訴状によると、男性は平成26年12月の衆院選で無所属で出馬しようとしたが、小選挙区の供託金300万円が用意できず、立候補届が受理されなかった。
弁護団によると、過去にも地方議会選挙などで供託金の違憲性を問う訴訟が2件あったが、ともに「供託金は候補乱立などによる混乱を防ぐためのもので、金額設定も国会などの裁量権の範囲内だ」などと違憲性は否定されているという。
男性は同日、東京都内の司法記者クラブで会見し、「供託金が支払えないという理由で立候補できなければ、低所得者層の代弁を誰がするのか」と話した。
弁護団長の宇都宮健児弁護士は「海外では供託金の廃止が進んでいるが選挙の混乱は起きていない。日本は現在、国民の低所得化が進んでいる。仮に供託金が合憲と判断されたとしても、金額の妥当性や公平な選挙のあり方などを世に問いたい」などと話した。
*----(関連ニュース)-----------------------------------*
弁護士ドットコムNews
2016年05月27日 17時00分
https://www.bengo4.com/other/1146/n_4701/
「選挙供託金は違憲」と提訴、宇都宮弁護士「少数派の政治参加を妨げている」
2014年の衆院選で、供託金300万円を用意できず立候補が認められなかった埼玉県の自営業男性(50代)が5月27日、立候補に必要な「供託金」制度は違憲だとして、国に慰謝料など300万円を求め、東京地裁に訴えを起こした。提訴後、男性と弁護団長の宇都宮健児弁護士らが、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「供託金制度が、少数派や社会的弱者の政治参加を妨げている」と指摘した。
訴状などによると、男性は2014年の衆院選に立候補しようとしたが、供託金を用意できず、立候補届が受理されなかった。
供託金は公職選挙法で定められた制度で、立候補する際に、衆院選、参院選ともに、選挙区なら300万円、比例区なら600万円を法務局に預ける。選挙後、一定の得票数に達していれば返還される。弁護団は、「供託金」制度は、立候補の自由を保障する「憲法15条1項」と、「立候補の資格を財産または収入によって差別してはならない」と定めた「憲法44条」に反すると指摘した。
●供託金ゼロで売名候補は増えるか?
供託金制度は従来、売名候補や泡沫候補の立候補を抑制するものと考えられてきた。宇都宮弁護士は、アメリカ、ドイツなど供託金が存在しない国や、イギリスなど低額の国の例をあげ、次のように語った。
「売名候補者を供託金で防ぐことが民主的なのかどうか。その判断を有権者に委ねるべきではないか。日本はおそらく世界一高い。供託金がゼロの諸外国で売名候補が乱立しているとは聞いたことがなく、説得力がない」
2013年には、供託金の違憲性をめぐって争われた訴訟で、東京地裁が「供託金制度は候補者の乱立を防ぐ手段としては合理的。金額も低くはないものの違憲とは言えない」と判断している。しかし、宇都宮弁護士は、格差が広がる日本ならではの問題を指摘した。
「供託金制度は、地盤・看板・カバンを持つ既成政党、既成政治家に有利。莫大な供託金を確保できる政党しか、政治的権力を持てない。低所得者は、投票はできても、立候補はできないということなら、多様な国民の声をどうして国会に送れば良いのか。(裁判所には)再考を促したい」
裁判では、供託金制度の是非だけでなく、金額の高さの違憲性を追及するという。
*------(投稿者コメント)--------------------------------------*
日本に議会制民主主義を根付かせるためには、「世襲政治」の打破が必要です。
法外な金額の「供託金」制度は、議会への代表権において、世襲政治家と大政党・大組織代表に差別的・特権的な優位性を与え、若者や弱者の意見が政治に反映されることを困難にしています。
供託金制度を廃止して、若者と弱者の代表の「代表権」=「立候補できる権利」を獲得する運動をすすめましょう。
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