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安倍首相に完全に潰された外務省の動かぬ証拠−(天木直人氏)
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22nd Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
きょう6月発売の週刊文春6月30日に注目すべき記事を見つけた。
その記事はフリー・ジャーナリスト山口敬之(やまぐちのりゆき)氏の
「安倍・麻生・菅の亀裂を深める『ロシア解散』」という記事だ。
その要旨は、消費税増税延期、
同日選挙見送りをめぐって亀裂した麻生・菅の対立は、いったんは手打ちされたが、
ロシア解散を巡って再び安倍政権は波乱含みだ、と言う内容だ。
つまり、安倍首相が解散を見送った理由は、
選挙情勢や経済情勢によるものだとされているが、
もう一つの理由はプーチン訪日と北方領土問題進展という外交成果を果たした上で
解散に踏み切るという安倍首相の野心があった。
しかし外交は水物だ。失敗すれば解散できず終わる、
やれるべき時にやっておくべきだったとする麻生副総理と、
安倍・菅コンビの亀裂は深まるばかりだ、という内容だ。
安倍一強と思える政権の、危うい内情を伝える興味深い記事だ。
しかし、私が注目したのは別のところにある。
一つは麻生と菅の仲を取り持ったのがあの甘利だったという事実だ。
すなわち
「イギリスのEU離脱と舛添都知事の後継者選びが新聞紙面を飾っていた6月18日土曜日の夕方」だというから、
ほんの数日前だ。
甘利が麻生と菅をレストランに誘って極秘裏に手打ちさせていたというのだ。
収賄疑惑で捕まってもおかしくない甘利が、安倍政権内部で完全復権していたという事である。
舛添どころではない。
国民感情から言えば許せない権力の不正義である。
そして、もうひとつ、これが私がもっとも注目したところだ。
なんと、あれほど安倍首相の覚えがめでたいと思っていた斎木外務事務次官が、
対ロシア外交の意見の違いで安倍首相の逆鱗に触れ、更迭されたという。
その理由を山口氏は次のように書いてる。
つまり岸首相に出来なかった事を成し遂げたいと考えている安倍首相の悲願は、
憲法改正と並んで北方領土問題解決だという。
しかし、対米配慮を最優先する斎木外務事務次官は、
そんな安倍首相の熱意を読み間違って安倍首相の前のめりを止めようとして、逆鱗に触れたという。
本来なら駐米大使や谷内正太郎NSC局長の後任に転じておかしくない斎木次官は
それを棒に振って静かに霞が関を去ったというのだ。
これが事実なら衝撃だ。
もはや外務官僚は誰も安倍外交に異論を唱えられない。
かねてから私はそう見ていたが、
ついに外務省という組織は、安倍首相の強権人事の前に完全に組織崩壊させられてしまった動かぬ証拠だ。
日本外交は危ういと言わねばならない。
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