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マイナス金利で「安定資産」ではなくなった日本国債 金子勝の「天下の逆襲」
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2016年6月21日 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授 日刊ゲンダイ 文字お越し
(C)日刊ゲンダイ
今年2月、日本銀行はマイナス金利を導入した。それ以来、日本国債の流通利回りもマイナスに転じ、満期5〜40年まで幅広く過去最低を更新している。これでは、銀行は満期まで保有していれば、損失が出てしまい、利回りでは稼げない。
それでも金融機関が国債を引き受けているのは、購入した時の金額よりも、日銀が高い額で買ってくれるからだ。
しかし、損失が生じてしまう国債を、わざわざ日銀が高い額で買いつづけているという状況には無理がある。
逆に言うと、日銀が損失覚悟で国債を買いつづけないと、金融機関は国債を引き受けてくれない。
日本政府は、借換債も含めて毎年170兆円前後の国債を発行しているが、いずれ日本の金融機関は、国債を引き受けなくなるのではないか。日銀は損失を抱えながら国債を買いつづけなければならなくなる恐れがある。
すでに大手銀行にとって国債は、長期保有の対象ではなく、買ったらすぐに売る、キャピタルゲイン狙いの株のような商品になり、もはや国債は「安定資産」ではなくなりつつある。三菱東京UFJ銀行が近く、国債入札に特別な条件で参加できる「国債市場特別参加者」の資格を国に返上するのは象徴的である。4%以上を応札しなければならない義務を嫌ったのだろう。金融機関の国債離れが起きている。
では、日本国債を買わず、金融機関は何を買っているのか。ひとつはアメリカ国債である。アメリカ国債は金利がつくので魅力的なのだろう。
もうひとつは不動産投資である。金融機関の不動産融資は大きく膨らんでいる。ただし、都心の商業地と地方の中核都市の一等地に限定した不動産融資である。ミニバブルが起きている。バブルはいずれ崩壊し、残骸を残していくだけだ。
日銀が導入したマイナス金利は、日本経済に大きな歪みを生じさせている。しかし、一度、マイナス金利に足を踏み入れたら、簡単にはやめられない。やめた時の反動が大きいからだ。
いつまで日銀は、損失覚悟でマイナス金利の国債を買いつづけるつもりなのか。
いずれ日銀が抱えている巨額な含み損が表に出てくるだろう。アベノミクスには出口がない。
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