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舛添氏を辞任に追いやった、テレビメディアの「底力」〜そして怒りは全国に広がった 前代未聞「レポーター主導」の辞職劇
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48956
2016年06月21日(火) 田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
■舛添氏はキラーコンテンツだった
前東京都知事・舛添要一のクビを取ったのは煎じ詰めれば、テレビ局の番組レポーターだった。
テレビの報道内容がこれまでも政治の動きに大きな影響を与えてきたのは周知の事実だ。だが、今回の辞職劇では、毎週金曜日午後2時から開かれている都知事の定例記者会見に、各局のレポーターが出席。競うようにして、私たちなら言葉を選んでしまうような質問を舛添に次々とぶつけた。
この時間帯で生放送している日本(読売)テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」、フジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」、TBS系「ゴゴスマ GOGO!Smile!」の3番組が記者会見の模様をたびたび生中継した。
レポーター主導の辞職劇は、私の政治取材37年間でなかったことだ。テレビ局の方が質問しても、それは報道局に所属している記者だった。今回は芸能人の記者会見のようにレポーターが質問し、弁が立つ舛添との間で丁々発止のやりとりを演じた。その中で面白い部分が繰り返し放送された。
各番組が舛添の公私混同疑惑を繰り返し、何度も伝えたのは視聴率が取れたからだ。舛添を取り上げれば視聴率が上昇し、取り上げなければ下がる――。この結果、各番組とも舛添問題を頻繁に取り上げるようになった。
一例を挙げる。昼の時間帯は夜のゴールデン、朝に次いで視聴率を奪い合う激戦区だ。この時間帯では、舛添問題が起きるまでTBS系「ひるおび!」と日テレ系「ヒルナンデス!」が互角の視聴率争いを続けてきた。
しかし、「ひるおび!」が舛添問題に時間を割くようになった5月連休明け以降、「ヒルナンデス!」に少なくとも1ポイント弱、多い時には3ポイント以上の差を付けた。もちろん、ミヤネ屋、グッディ、ゴゴスマの視聴率も2%程度上がった。
「舛添さんは強力なコンテンツだ。1ヵ月以上にわたって視聴率が取れる素材は過去に類を見ない。元兵庫県議の野々村竜太郎の号泣会見(2014年7月1日)も繰り返し放送されたが、映像はこの一つだけで長続きしなかった」
テレビ局関係者はこう語る。これに対し、舛添は律儀に記者会見を続け、レポーター、記者の質問に内容はともあれ、答えた。しかし、初動から間違っていた。
■流れを読み誤った自民党
「週刊文春」が公用車で神奈川県湯河原町の別荘に出掛けたことを報じた後、舛添は4月28日の記者会見で、「ルール通り」「動く知事室」と強弁した上で、こう言った。
「あのね、政治家っていうのはトップリーダーなんです。先々のこと、大きなグランドデザインをかく作業があるんです」
これが居丈高に映り、印象をかなり悪くした。6月10日の記者会見では上海で中国服を購入したことについて、こんなやりとりを交わした。
レポーター:「中国服の、シルクでどう書きやすいか、ちょっとジェスチャーでやっていただきたい」
舛添:「私は柔道をやっているので、ここがものすごく張っているのです。そうすると、背広というのは、ここがひっかかるというか、非常に、外から見えないのですけれども、腕、ここの筋肉がものすごくあるものですから、どうしても窮屈になるのです。そういうので、こういうのないですから、つるっとしているので、よりスムーズにこう書ける、そういう意味です」
レポーター:「袖がないような服を着ればいいとか、そんなこともないですか」
舛添:「気温が低いときには?(失笑)」
こんな質問は私たちにはできない。しかし、面白い。それが全国で放送された。
TBS系「情報7days ニュースキャスター」では著名な書道家に中国服を着てもらい、書を書いてもらった。それで、袖が開いているのでかえって書きづらいという「証言」を引きだした。
おりから、参院選の公示を22日に控え、各党の議員、候補者が全国で街頭を飛び回っていた。そこで、自民、公明両党には罵声が浴びせかけられた。
「舛添を守るのか! 早く辞めさせろ!」
自民党は当初、「舛添個人の問題だ。東京都議会にとどまる」と読んでいた。しかし、テレビは全国で放送されているので、怒りは全国に広がった。冷静に考えれば、都議会、なかんずく舛添の問題なのだが、テレビによって全国に拡散した。
舛添の珍妙な答えを引きだしたのはテレビ局のレポーターだ。レポーター、恐るべし――。(敬称略)
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