「両親を離婚させるしか…」　介護費倍増、揺らぐ中流
朝日新聞デジタル 6月19日(日)18時41分配信

　両親に離婚してもらうしかないのかも知れない――。東京都内の男性会社員（４４）は、こんなことを真剣に考えている。

　脳出血で半身マヒになった母（８０）は最も重度な要介護５。４年待った末、東京２３区内の特別養護老人ホームで２年前から暮らす。

　その特養からの請求額が昨夏以降、はね上がった。食費や部屋代に介護保険の自己負担分なども含め、月約８万円から約１７万円に倍増。両親の年金は月約２８万円だが、実家の借地料は月８万円近く、一人暮らしをする父（７５）の医療費や社会保険料の負担も重い。男性は毎月４万円の仕送りを始めたが、なお足りない。

　負担が増えたのは、介護保険制度の改正で昨年８月から施設の食費・居住費の補助（補足給付）を受けられる条件が厳しくなったため。母は特養の住所で住民票登録をしており、実家の父と「世帯分離」をしている。これまで非課税世帯とみなされた母は補助を受けられていたが、制度改正によって世帯が別でも配偶者が住民税の課税世帯なら補助の対象外になった。

　自治体の生活相談窓口では、担当職員から「国にはもう財源がない。生活プランを見直して欲しい」と言われ、在宅介護も勧められた。男性は住宅ローンや教育費を抱え、仕送りはギリギリ。両親を離婚させて再び補足給付を受けるしか手段がないと思い悩み、弁護士とも相談している。

　「いくら財政が厳しいと言っても、利用料がいきなり倍なんて尋常じゃない」

　住民税が非課税の世帯も一定の預貯金があれば、補足給付を受けられなくなった。厚生労働省によると、昨年８月末の補足給付の認定数は約９０万件で、前月末の約１２０万件から一気に減った。制度改正の影響が大きいとみられる。

　金沢市で二つの特養を運営する「やすらぎ福祉会」の酒井秀明さんによると、昨年夏の一連の介護保険制度見直しで計１４４人の入居者の３割ほどで負担が増えたという。「中間層でも生活がギリギリになる人がいる。『払える人が負担する』という制度の趣旨を超えている。負担増の線引きがこれでいいのか疑問だ」

　その特養の個室に入居する認知症の女性（８８）も夫（８０）と「世帯分離」をしている。夫の年金収入で補助の対象外となり、施設利用料は月約７万円値上がりして約１４万円に。合計月２３万円余りの夫婦の年金だけでは足りず、貯金を取り崩すようになった。

　２０歳で上京して電線会社で長年働き、定年後に故郷の金沢に戻った夫は「アベノミクスで成長って言われても、こんな負担増が続けばいずれ暮らしが成り立たなくなる」と嘆く。守り続けてきた「中流」の暮らしの揺らぎを感じている。

朝日新聞社

最終更新:6月19日(日)22時22分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160619-00000026-asahi-soci

コメント
1. 2016年6月20日 07:33:24 : 694ENOyseM : Q4rH_gqACJI[137] ▲△▽▼ 全て毟り取りたいのだ。戦争を起こす理由と同じだ。貴金属回収と戦時国債で全てを毟り取り、爆撃で殺して土地の権利も取り上げる。全ては特定の私企業が私物化するためのスキームを提供するために引き起こされた。 取り上げるべき物が無い無産者は戦場で殺し移民させて殺す。 将兵がソ連に抑留されたら、ちょうどいいから当分預かってもらおうと天皇が言う始末。 同じ事をやろうとしている。 もしまた引っかかったとしたらそれはマヌケな国民が悪い。
2. 2016年6月20日 10:25:19 : qyzFFyBmmc : FbMR5gvjH7Q[23] ▲△▽▼ オウム寄宗教学者の島田裕美センセの親捨てって こういう時を想定しているんだけどね。 役所は、完全に足元見てるもの 「こいつ優しい親想いの息子だ。 　んじゃ全部自分で見てね、役所公務員の給料と福利厚生 　犠牲にしてまでおまえの親の面倒みないから。 変に親孝行だから、役所が息子にいろいろ負担するように仕向けるのだよ。 この息子が島田センセのいうように自分の生活で精一杯だし、 過労死する程仕事して収入も自分の子供育てるのにいっぱいだから って言って放置して親をほっとけば、 行政で面倒みざるを得なくなる。 孤独死すれば、まず行政が避難される。 こーゆーことは知っておくべきだ。 だから島田センセは、一石を投じている。 島田センセ、親捨ての方法を教えないっていってるけど、 それは、放置汁ってこと、そんなこと建前で言えるわけないじゃん。 こんな必要以上に親孝行すると、親孝行という美名の元 行政公務員にいいように搾取あしらわれるよ。 ってのが 島田センセの親捨てと解釈して漏れは 一定の評価はしてるんだけどね。
3. 佐助[3566] jbKPlQ 2016年6月20日 16:49:09 : 9zzRTyeBxk : 4eYUJw@wYHY[8] ▲△▽▼ 社会保障に使うと導入した消費税すべて丸のみしたドロボー詐欺国家の首領，自民党公明党の100年安心に騙され，安倍民主主義ルール破壊総理がやったのですよ だが何かよくわからないところがある。 私の98歳のオヤジと，97歳のおふくろが，先日亡くなり49日の法要も終わりました 老夫婦二人の年金は，合わせて月12万5千円でした 母（97歳）は最も重度な要介護５。特別養護老人ホームで5年前から暮らしていました。 父（98歳）は肺ガン・膀胱がん・胆石・膀胱炎などで老人ホームと病院を行ったり来たり。 母（97歳）は特別養護老人ホーム，月10万円+入院費約2万，合計月12万 父（98歳）は老人ホーム(10畳に洗面付き)，月4万円+入院費約4万，合計8万相当 昨年の介護保険制度の改正審査でも預金・年金・など資産など調査結果，そのままでした。 しかし高齢者医療の還付などがあり，入院費(医療)の負担は少なくなった。従って負担額は，(月14万〜月17万程度) 不足分は老夫婦二人の貯金の取り崩しです。 両親は石川県能登に土地・家・畑・田んぼ，があります。 私は関西に住み土地・家があります。勿論この両方の税金負担は私です。 しかも石川県と関西を月半分は往復しますので，旅費・光熱費・生活費・車(2台)がいります。 私は，定年していますので，無職の年金生活です。年金は二人で月約25万円程度です。 そのために食料は肉・魚・調味料以外は自給自足にしています。 そこで問題なのは，冠婚葬祭などの付き合いです。月10万なんかあっという間に消えます。 両親の葬儀代から法要までいくらかかったと思いますか，付き合いとはいえ情けなく思う今日この頃。 だが一度も自分の貯金を取り崩すこともなく，家内の年金は使ったこともありません，しかも北陸と関西を往復生活しています。どこかで年収800万の生活者が，困った困ったと嘆いていたが，人は贅沢すれば何ぼカネがあっても足りない。特に大企業や金持ちの権力者にカネを渡すとろくなことをしない。北陸も過疎化なので，いずれ将来は農業の共存共栄が本格的になろう。私の田舎も大規模農業化の申請をやっと昨年していますが政府・官僚は無視しています。民主主義のルールを破壊させ，1％の富と99％の不幸を構築させるアベノミクスに騙されてはならない。我が国はドロボー詐欺国家でマスコミも政府政権もグル，しかも横やり入れるのが御用聞き活動家の学者や役人やエコノミストやマスコミ，日本の天下国家の国づくりは失敗している。誰も責任をとらない，切腹もしない。この国は一日も速く潰れた方がよい。

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