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来週末は地獄絵? 英EU離脱ショックと選挙への重大影響
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/183867/1
2016年6月18日 日刊ゲンダイ 文字お越し
EU残留を訴えるキャメロン首相(C)AP
とうとう殺人事件まで起きてしまったイギリスの「EU離脱」問題。離脱するのか、残るのか。23日に国民投票が行われる。
もし、EU離脱が現実となったら、世界中に激震が走るのは間違いない。世論調査で「離脱派」が優勢になっただけで、世界の金融市場は混乱をきたしている。すでに「ロンドン発 世界同時株安」のような状況である。投資家が一斉に株式市場から資金を引き揚げ、ニューヨーク、ドイツ、東京と世界的に「株安」が進んでいる。株価急落を警戒する「恐怖指数」と呼ばれるシカゴ・オプション取引所のVIXは、この2週間で42%も上昇している。
その一方、安全資産とされる日本、アメリカ、ドイツの国債に資金が集中し、世界的に長期金利は低下。ドイツの10年物国債の利回りは初めてマイナス圏に突入した。世界中がビクビクしながら23日の投票結果を待っている。
イギリス国民が「EU離脱」を選択したら、世界経済はどうなるのか。「リーマン・ショック」に匹敵する大不況に陥るのは避けられない。
「まず、イギリスが深刻な不況に襲われるでしょう。輸出の50%以上がEU向けなのに、その市場を失ったらイギリス経済はもたない。
消費や投資が手控えられ、失業者が急増してしまう。イギリスはEU加盟国のなかでドイツに次ぐ経済大国だけに、影響はイギリス国内にとどまらない。とくに経済的な結びつきの強いオランダ、ノルウェー、スイスは“人、物、カネ”の動きが止まり、景気が冷え込んでいくでしょう。あっという間に欧州全体に不況の波が広がっていくはずです」(経済評論家・広瀬嘉夫氏)
経済評論家の斎藤満氏はこう見る。
「EUからの離脱は、初めてのケースだけに、なにが起こるか分からない怖さがある。しかも、イギリスはかつての覇権国であり、EUの中心です。離脱した時、欧州各国に与える心理的なインパクトは大きい。不安が強くなれば、消費も投資も落ち込んでいく。ロンドンは世界的な金融市場だから、カネの流れが悪くなる恐れもあります。なにより心配なのは、EU離脱の動きが他国に伝播していくことです。EU内の結束が弱くなれば、経済不安を抱えるギリシャやポルトガルへの支援も弱くなっていくでしょう。すでにギリシャとポルトガルの国債は売られはじめている。イギリスのEU離脱をきっかけにギリシャ危機が再燃することもあり得ます」
イギリス国民は、損得を考えず「主権をEUから取り戻せ」「移民を排除しろ」と、世界経済をドン底に突き落とす、地獄の門を開けようとしている。
次の手はもうない(C)日刊ゲンダイ
危機が起きても打つ手がないアベノミクス
イギリスがEUから離脱したら、もちろん日本も無傷では済まない。無傷どころか、先進国で一番無残なことになるだろう。ただでさえ破綻しているアベノミクスに致命傷を与えることになるのは間違いない。
実際、日本株の下落は、アメリカやドイツより大きい。きのう(17日)の終値は1万5599円と6月以降、1600円以上も下げている。「安全資産」の円が買われ、円高も進行。16日には一時1ドル=103円56銭と、「抵抗ライン」だった105円を簡単に突破してしまった。6月以降、わずか2週間で6円以上の円高である。
イギリスがEUから離脱したら、「円高」「株安」はどこまで進むのか。「円相場は1ドル=90円台、株価は1万3000円台」(斎藤満氏=前出)という見方が根強い。
「世界のどの市場よりも、東京市場は打撃を受けるでしょう。アベノミクスによる“株高”は、実体経済とは関係なく、“円安”がもたらした結果に過ぎないからです。円安にすることで企業業績を好転させ、株価をアップさせた。円高に戻ったら、魔法が解けたように、企業業績も株価も、元に戻ってしまいます」(広瀬嘉夫氏=前出)
輸出企業の採算レートは、1ドル=103円。90円台に突入したら、どんなに輸出しても利益はでない。自動車も電機も総崩れとなる。
ヤバイのは、イギリスのEU離脱が決定しても、日本には打つ手がないことだ。
「3本の矢などと称していますが、アベノミクスの本質は、要するに黒田日銀による“異次元の金融緩和”です。でも、これ以上、金融緩和を拡大することは事実上、不可能です。すでに、日銀は国債を年間80兆円も買っている。マイナス金利を導入したのは、量的緩和を拡大できない裏返しです。かといって、マイナス金利を拡大できるかといえば、これも難しい。マイナス幅を拡大させると、日銀はさらに大きな逆ザヤの国債を抱えなくてはいけなくなる。円高に誘導するための為替介入も、アメリカが許してくれない。日銀に残された手段は、もはや禁じ手である“ヘリコプターマネー”くらいしか見当たりません」(斎藤満氏=前出)
ただでさえアベノミクスは破綻し、日銀は手詰まりなのに「ロンドン発の世界不況」が発生したら、日本経済はひとたまりもない。
■GPIFの運用失敗が選挙の争点になる
もし、イギリスのEU離脱が決まったら、その瞬間から日本も大騒ぎになるだろう。7月10日に行われる「参院選」と、7月31日に投開票される「都知事選」も、EU離脱と世界不況が一大テーマになる可能性が高い。
とくに株価の暴落は、「年金資金」の巨額損失に直結するだけに、争点に浮上するのは間違いない。
安倍首相は人為的に株価を上げるために、野党の批判を無視して、国民の「年金資金」をバンバン株式市場に投入している。その結果、「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は、2015年の7〜9月期には、7兆9000億円もの損失を出している。もし、株価が1万3000円台に下落したら、20兆円近くの「年金資金」がパーになっていておかしくない。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「安倍首相は、年金資金の損失を参院選の争点にしないために、GPIFの運用実績の公表日を例年より3週間遅い“7月29日”にするとすでに発表しています。絶対にGPIFの運用失敗を争点にさせないつもりです。でも、株価が1万5000円を割ったら、さすがに国民から『年金資金に穴があいているのかどうか公表すべきだ』という声が上がるでしょう。その声を無視したら、今度は『なぜ、隠すのか』と批判が強まる。しかも、安倍首相は『想定の利益が出ないなら、当然支払いに影響する』と、GPIFが運用に失敗したら年金支給額を減らすと国会で答弁している。GPIFの損失は、参院選の勝敗を左右することになると思います」
イギリスは本当にEUから離脱してしまうのか。来週末は、世界中が大混乱に陥っている恐れがある。
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