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沖縄は全国でも注目される選挙区に (c)朝日新聞社
基地問題で炎上、沖縄北方相・島尻安伊子の絶体絶命〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160615-00000190-sasahi-pol
週刊朝日 2016年6月24日号
「途方もない逆風との戦いになってしまった」
そう嘆くのは自民党沖縄県連の関係者。沖縄北方担当相で、自民現職の島尻安伊子氏(51)は、翁長雄志氏の支持勢力が擁立する元宜野湾市長で、革新系無所属の伊波洋一氏(64)と激突、事実上の一騎打ちとなる。
島尻氏側の「逆風」とは、うるま市で起きた元米海兵隊員による20歳女性の殺人・強姦致死事件だ。県内の反基地世論が再び激高し、参院選にも大きな影響を与えているのだ。
もともと島尻氏は、国政を目指す元民主党県連代表を夫に持つ主婦。しかし、2004年に自身が那覇市議に当選した。彼女に白羽の矢を立てて参院議員候補とし、自民党に引き入れたのが、くしくも那覇市長時代の翁長氏だった。
「普天間移設問題では、島尻氏ら自民党国会議員も党県連も“県外移設”を公約に掲げた。しかし、第2次安倍政権で辺野古移設容認に鞍替えさせられます。13年11月、石破茂幹事長(当時)との会談後の会見で、島尻氏ら県選出国会議員5人がうなだれながら座らされる光景は“平成の琉球処分”とまで言われました。以来、辺野古推進の旗を振り、いまや基地反対派に敵視される“ヒール役”になった」(地元紙記者)
それでも昨秋に沖縄北方担当相に抜擢(ばってき)されてからは、政府の沖縄振興策を取り仕切る立場となり、保守系の首長や経済界に存在感を示すようになった。
ただ、島尻氏は今年5月、那覇市内での会見で、学童保育について「学校終わった後の、えーっと、何だっけ」とやらかした。2月の会見で、北方領土の「歯舞(はぼまい)」が読めなかった二の舞いを演じている。
1月の宜野湾市長選では、自民が推す現職が、翁長派の新顔を大差で破った。反基地運動が膠着(こうちゃく)状態に陥るなか、再び怒りの炎を燃え上がらせたのが、元米兵による凶悪犯罪だった。
琉球新報などの世論調査では、米軍関係者の事件事故の防止策として「全基地撤去」を選ぶ人が42.9%に。6月5日の沖縄県議選(定数48)では、翁長知事の与党勢力が3議席増の27議席に躍進。自民は1議席増の14議席だった。党県連会長も務める島尻氏は、「県民から一定の評価を得た」と強気だが、参院選への影響を考えると心中穏やかではないだろう。
一方の革新系議員は引き締めに躍起だ。「現職の大臣だけに政府も相当テコ入れし、県経済界も動員を図る。楽観はできない」
沖縄経済界の有力者の一人は「本土メディアは現在の沖縄の怒りの深さを、正確に捉えていない」と語る。その言葉に、参院選での沖縄県民の回答があるのかもしれない。
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