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政治資金流用疑惑で辞職願を提出した舛添都知事(「ロイター/アフロ」より)
舛添「ケ知事」でも刑事責任問われない理由…政治資金を何にでも使える日本の政治家
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15520.html
2016.06.17 文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授 Business Journal
舛添要一・東京都知事が辞任した。週刊誌が、公用車での湯河原別荘通いを報じてから、舛添氏は毎週金曜日の定例記者会見でフルボッコの状態だった。当初は静観していた都議会でも徐々にヒートアップし、ついには今月公示予定の参議院選挙への影響も懸念されるようになり、都議会の自民・公明両党が都知事不信任に転じて万事休すとなった。
ただし、問題を冷静に見ると、都知事時代の公用車での別荘通いや頻繁な美術館通い、正月のホテルでの家族旅行やチャイナ服購入など国会議員時代の政治資金の私的流用は、どれも法律に違反することではない。しかし、公私混同として問題視され、それが都民の怒りを買ったというわけだ。
客観的に舛添氏の仕事を見れば、2020年東京五輪の施設費圧縮、非正規社員の正社員化への国を上回る対策、障害者雇用などは評価できる。前任の猪瀬氏の場合と同様に仕事ぶりはよかったが、仕事以外のカネの部分でケチをつけた格好だ。舛添氏が都知事ならぬ「ケ知事」といわれ、都民から蔑まれる対象になってしまったのは残念である。
スクープした週刊誌の「週刊文春」(文藝春秋)はよしとして、新聞・テレビはただの後追いであり、視聴率が取れるとわかると連日バッシングを続けたが、ちょっと度が過ぎていたようだ。池に落ちた子犬が溺れ死ぬまで見ている感じだった。記者会見で「どうしたら辞めるのか」という質問をした記者に、マスコミの本質を見た感じだ。
■政治資金規正法は、なぜザル法なのか
今回の舛添問題で政治資金規正法が注目されているが、同法については「ザル法」だとよく指摘されている。なぜザル法と呼ばれるのか、法律がつくられた背景、制度をどのように改正すべきか、こうしたことを論じたマスコミはほとんどいなかった。
同法が成立したのは、戦後の1948年7月。その内容は、政党その他政治団体に収支報告を義務付け、寄付の制限を設け、報告書を公開するというものだった。それまで野放しだった政治資金に一定のルールができた。当時、折から「昭電疑獄」が社会問題化して、その摘発もあって同法は国民の期待を集めたが、当時からザル法といわれていた。そもそも、法律名も「規正」であって「規制」ではない。「規正」は正すのであって何が正しいのかは曖昧で、政治資金を制限する「規制」でない。
ザルの典型をいえば、迂回献金である。政治資金規正法では、企業や業界団体が行う特定の政治家個人へ献金を禁止しているが、罰則がなく、しかも政党や政治資金団体への献金を認めている。これでは迂回献金ができるわけだ。
また、政治資金の使途については、同法ではほとんど何も書かれていない。政治資金の運用方法として、金融機関への預貯金、国債証券、地方債証券の取得などに限定されており、株式運用等を行うことは禁止されている。それに、資金管理団体による不動産の取得等の制限があるくらいだ。不動産や株式に使うのはまずいが、逆にいえば、それ以外には何に使ってもいいともいえる。
こうした事情もあるので、政治資金の支出について、政治資金規正法違反で刑事責任を問われた例は、おそらく過去にはない。
■米国法との大きな違い
米国法では、政治資金からの私的な支出は禁止されている。その例として、休暇中の旅行、衣服への支出は禁止されている。つまり、正月のホテル宿泊やチャイナ服への支出は私的支出に該当し違法である。なお、衣服は選挙ロゴ入りの帽子やTシャツは認められている。
舛添問題を、舛添氏の辞任だけで終わらせてはいけない。7月10日投開票の参院選、そして同月に行われる可能性が高い都知事選で問われるべきは、国は政治資金規正法改正で米国法並みに私的支出の制限、都では海外出張経費や公用車使用など都知事活動の見える化、都議会の多額報酬の削減などを公約に掲げる政党はどこかを、有権者はよく精査すべきである。
おそらくマスコミは、舛添氏の辞任で叩き終わったと思っているので、そうした論点は頭にないだろうが、法や条例が常識とずれているなら、法改正や条例改正が必要である。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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