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3年前は秘密法、2年前は戦争法…今度の“争点隠し”は何か
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/183439
2016年6月13日 日刊ゲンダイ 文字お越し
2年前とまったく同じ手法…(C)日刊ゲンダイ
参院選の公示まで10日を切った。安倍首相は連日、応援演説と称して全国各地に出没している。
世耕官房副長官は10日に官邸で開かれた定例オフ懇で、番記者相手に「総理はすっかり選挙モードだ。これから1カ月、毎日どこかで応援演説をする。総理は選挙が大好きなんだ。アドレナリンが出るんだよ」と話していたというが、安倍首相の演説内容がひどい。
例によって都合のいい数字だけ抽出してアベノミクスの成果を誇示し、野党共闘を「野合」と罵って、「4年前の暗い時代に戻していいのか」と民進党をコキ下ろす。
「2年前の2014年の総選挙の時とまったく同じ手法です。選挙では消費増税先送りなどの有権者受けする政策や、アベノミクスの是非を争点にし、大人げなく野党を批判する。そうやって選挙に大勝した安倍首相が何をしたか。全権委任を得たとばかりに、選挙戦ではほとんど触れなかった戦争法に邁進したじゃないですか。アベノミクスは何年経っても『道半ば』で、逃げ水みたいなものです。経済とアベノミクスを隠れみのにして、選挙で多数派を得たら、国民にとっては寝耳に水の軍国化政策を推し進める。それが安倍政権の手口なのです」(政治学者・五十嵐仁氏)
3年半前、安倍首相が政権に返り咲いた12年総選挙もそうだった。選挙戦では経済政策を前面に出し、勝った途端、特定秘密保護法を強引に制定したのは騙し討ちみたいなものだった。選挙戦では秘密保護法の「ひ」の字も出さなかったのに、選挙が終われば、世論の反対が根強い特定秘密保護法をゴリ押しする。それも、思い付きの法整備ではない。何年も前から虎視眈々と狙っていたのだ。
特定秘密保護法は、03年に成立し、2年後の05年に全面施行された個人情報保護法をさらに強化し、国民の知る権利を著しく侵害するものだ。
■「そんなこともあったね」とすることが大事
作家の故・城山三郎氏は、個人情報保護法案を「これは平成の治安維持法だ」と懸念していた。02年4月の「東京新聞」には、氏のこんな言葉が掲載された。
〈「言わせまい、書かせまい」の意図を感じる。スキャンダルを書かれて総理も失脚してしまう。国民を、言わず、見ざる、聞かざるのサルにしてしまおうということです〉
城山氏は当時の小泉首相に会い、個人情報保護法案に異を唱えた。「表現や報道の自由が奪われれば、戦争に突入していったあの時代と同じになる、大変なことになる」と話していたという。
城山氏が警戒した個人情報保護法の上を行く悪法が、特定秘密保護法案だ。12年末の総選挙でアベノミクスを掲げ、衆院で圧倒的議席を得た安倍政権は、国民的議論もないまま法案成立を押し切った。日本版の国家安全保障会議(NSC)の設置も決めた。
経済対策を毛バリにして、選挙で多数議席を取ると、「国民の信を得た」と言って、本来の主張である「戦後レジームからの脱却」を進める。
安保法もそうだったが、法案成立を強行し、支持率が下がって旗色が悪くなると、また経済最優先などと言い出す。その繰り返しだ。
安倍首相は昨年の通常国会終了直前に「安保法案を(強引に)成立させても、来年夏の参院選には『そんなこともあったね』とすることが大事だ」と側近に漏らしたと報道された。あれだけ多くの国民が反対し、日本の未来を大きく左右する安保法ですら、その程度の軽い認識なのだ。国民は完全にナメられている。
また同じことが起きる(C)日刊ゲンダイ
TPP、クビ切り自由、残業代ゼロ、社会保障カット、大増税……
参院選の自民党パンフレットを見ると、公約は「『経済の好循環』をさらに加速」「世界の中心で、動かす外交」「さぁ、一億総活躍社会へ」「地方創生を目指します」と続き、安倍首相が「在任中に成し遂げたい」と明言した憲法改正は、政策BANKの末尾に小さく盛り込まれているだけだ。保険の約款みたいなもので、有権者はそんな小さな文字まできっちり読み込まないが、年頭の記者会見で、安倍首相が参院選の争点として「憲法改正」に言及したことを忘れてはいけない。
参院選に勝てば「当初から憲法改正を掲げて参院選を戦った」「勝って民意を得た」「公約にも書いてあった」と言い出すのは目に見えている。
「今回の参院選だって本丸は憲法改正です。だからこそ、巧妙に隠す。いつもの手です。TPPも国民にデメリットが多いから選挙前に引っ込めた。経済を前面に出しているのは目くらましでしかないし、並べ立てる成果もインチキばかりです。国民を2度も謀ったことについての反省もない。仏の顔も三度といいます。同じ手口で3回も騙されてたまるかと、国民は覚醒しなければなりません。こんなデタラメ政治を決して許してはいけないのです」(政治評論家・森田実氏)
安倍首相が演説でアピールするアベノミクスの“成果”は決まっている。有効求人倍率が47都道府県すべてで1倍を超えたこと。3年で雇用が110万人増えたこと。「正規雇用も26万人増えた」と言う。
だが、有効求人倍率は労働力生産人口が減って分母が小さくなっているに過ぎない。14年から15年にかけては確かに正規雇用が26万人増えたが、12年から15年の安倍政権全体で見れば、非正規雇用が170万人近く増え、正規雇用は36万人も減っている。3年連続の賃金アップだって、一部の大企業だけの話だ。
■数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う
「数字は嘘をつかない」と、安倍首相や自民党議員は手前勝手な数字を並べたてるのだが、その根拠になった英語の格言には“先”がある。「Figures will not lie, but liars figure」――。数字は嘘をつかないが、嘘つきほど数字を使うという意味だ。
「選挙の時だけいい顔をして、公約の賞味期限は投票日まで。それが自民党政権のやり方なのは、周知の事実です。中でも安倍政権は経済を人質にして票を取り、その票で得た権力を使って好き勝手なことをやろうとする。東京都の舛添知事はインチキとゴマカシの連続で都民の信頼を失いましたが、やっていることは安倍首相も同じです。いい加減、国民もこの詐欺師集団の悪辣さに気づくべきです」(森田実氏=前出)
詐欺師は、一度味を占めたら何度でも同じことをやる。しかも、同じカモからしゃぶり尽くす。嘘がバレたら、「新しい判断」とか言って、またペテンにかけるのだ。国民は、何度でも騙されるカモと思われている。前出の五十嵐仁氏もこう言う。
「何度も同じ手法で騙しにかかるのは、国民が安倍政権にバカにされているからです。そこをよく考えた方がいい。1年前のことも忘れているとタカをくくっているのです。安倍政権に支持を与えれば、参院選への悪影響を考慮して凍結された庶民イジメのメニューが、参院選後に復活してどんどん決まっていくのは確実です。TPPもそうだし、残業代ゼロやクビ切り自由の労働改悪、原発再稼働、沖縄の基地問題……。世論の反対が想定される自衛隊の駆け付け警護も参院選後に先送りされました。安倍政権が消費税は上げず、赤字国債も発行しないと言っているのも、社会保障を削って、消費税以外の大増税で賄うという意味です。参院選が終われば、庶民はますます虐げられる。それでも安倍自民に投票するのか。今度の参院選の争点は、安倍内閣の存在自体です」
野党が頼りないのは確かだが、参院選は政権選択選挙ではないのだから、有権者は安心して野党に投票すればいい。国会でねじれでもつくらないと、安倍首相の暴走は止まらない。その被害を受けるのは一般庶民なのである。
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