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自民狼狽 「舛添・沖縄・甘利」の“三重苦”で比例票が減る
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/183383
2016年6月12日 日刊ゲンダイ
10日は奈良で有権者とタッチ(C)日刊ゲンダイ
参院選に向け、連日、地方遊説に精を出す安倍首相だが、内心は不安で仕方ないようだ。世間を騒がすニュースが選挙結果、特に比例議席を激減させかねない情勢になってきたからだ。
「(1)舛添(2)沖縄(2)甘利がいま自民党を取り巻く“三重苦”です。有権者の投票行動にどこまで影響するのか、官邸も党本部もヤキモキしています」(自民党関係者)
もっとも影響が大きいのは舛添都知事の公私混同問題だ。
「『なぜ舛添をかばうのか』『参院選で投票しないぞ』という抗議電話が、都議会や都議の事務所だけでなく、国会議員や自民党本部にまでかかってくる。当初は知事個人の問題だったのに、いまや舛添与党である自公の問題として連日、ニュースで報じられている。都政とは無関係な関西ローカル番組ですら扱われている。批判は都民に限らず、全国に広がっています」(前出の自民党関係者)
このままではマズいと、自民党は集中審議で徹底追及の姿勢を見せる方針。
だが、15日の都議会最終日に共産党などが知事の不信任決議案を提出する見通しで、自民党はこれを「否決」するとみられる。
「そうなれば、『自民党が舛添知事を守った』という世論の批判がさらに高まるでしょう」(都政記者)
■15議席割れを懸念
沖縄問題では、女性遺棄事件の余波が続いている。9日、米軍属が殺人と強姦致死容疑で再逮捕された。
「沖縄だけでなく米軍基地のある全国の自治体にも嫌なムードが広がることを懸念しています」(官邸関係者)
米軍基地の辺野古移転で対立する翁長知事の支持派が県議選で「大勝利」したことも、安倍政権と自民党に影を落とす。
そして、甘利問題は言わずもがなだ。甘利前経済再生相は、説明責任を果たさず、政治活動に復帰。「自民党はズルいという印象で、支援者の評判が悪い」(自民党中堅議員)という。
こうした党イメージの低下は「政党」を選ぶ比例票に直結する。安倍首相周辺は「比例15議席割れ」も懸念し始めた。
「過去5回の参院選のデータを分析すると、自民党の比例の平均は、1740万票、16議席。118万票で1議席となる。最低は6年前の12議席。絶好調だった3年前ですら、1800万票で18議席です。今回ここから400万〜500万票でも減れば、3〜4議席を失う。日頃の付き合いなどを考慮して投票先を選ぶ『選挙区』と、おきゅうを据える『比例』というように有権者は使い分けをするので、15議席割れはあり得ない数字ではありません」(政治評論家・野上忠興氏)
安倍首相は女性票がどこまで減るのかも気にしているらしい。街頭での笑顔は、カラ元気か。
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