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日本だけが大騒ぎしている中国軍艦の接続水域航行の笑止ー(天木直人氏)
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10th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
一夜明けて、中国軍艦の尖閣沖接続水域航行の概要がわかってきた。
それを見ると、昨夜の日本政府とメディアの大騒ぎは、日本のマッチポンプだった事が分かる。
ひとつは、中国軍艦より先にロシア軍艦が航行していたという事実だ。
これについて、中国とロシアの連携プレーだったのか、
それともロシア軍艦を追跡して中国軍艦が接続水域に入ったかは不明だが、
いずれにしても中国が単独で接続水域を航行したのではなかった事が明らかになった。
これは重要な事実だ。
ふたつは、軍艦の接続水域航行という同じ行動に対して、中国とロシアに対し、
安倍政権は異なる対応をしたという事実だ。
その理由を聞かれた菅官房長官は、
ロシアは尖閣領有の主張をしていないからだと答えたらしいが、これは理由にならない。
日本はロシアとの間で北方領土問題を抱えており、そのロシアは北方領土に軍事基地をつくっている。
そして安倍政権はそれを放置したままロシアと関係改善を急いでいる。
中国とロシアに対する安倍政権の対応は対照的であり、明らかに、「はじめに中国脅威ありき」である。
三つ目は米国の対応である。
米国務省の報道官は日本の大騒ぎぶりに釘をさした。
すなわち米国は、「安保条約は適用されるが領有権問題については中立だ」、
というお決まりのコメントを述べるにとどまった。
米国としては見たくない事だとまで語った。
これはすなわち、日本は大騒ぎをするなという警告だ。
それはそうだろう。
軍艦が接続水域を航行してはならないと言うなら、
米国の南シナ海における「航行の自由」作戦はどうなんだと中国にねじ込まれるからだ。
安倍首相は昨晩、米国と緊密に連携するよう指示したらしいが、
おそらくいまごろは、これ以上騒ぐなという命令を米国から受けているだろう。
さっそく、不測の事態を回避するためのメカニズムの運用開始協議が必要だと言い始めた。
それにしてもメディアのマッチポンプぶりも目にあまる。
安倍政権から垂れ流される情報をそのまま流している。
斎木次官が午前二時に程永華駐日大使を呼び出した無礼を、
異例の毅然とした対応だった、と褒め、程永華大使が冷静に対応した事を、
「知らなかった?」と馬鹿にして書く(産経)。
知らなかったのは当たり前だろう。
中国にとっては尖閣諸島沖は領海である。
知らせるはずがない。
斉木次官もお分かりのように、
尖閣諸島は中国の領土だから日本の抗議は受け入れられない。
ただ、こちらもエスカレートすることは望んでいない。
斎木次官の「異例の」呼び出しにこう答えた程永華大使は、決してたたき起こされたから、
寝ぼけていたのではない。
大騒ぎする事ではない、と冷静に斎木次官をたしなめただけだ。
ちなみにロシアは今回の事についてこれまで一切のコメントをしていない。
これを要するに大騒ぎしたのは安倍政権の日本だけである。
選挙の為の中国脅威のプレイアップと言われても仕方がない。
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