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新自由主義からの脱却を問う米大統領選と周回遅れの日本の参院選−(田中良紹氏)
http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/491.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 09 日 12:00:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

新自由主義からの脱却を問う米大統領選と周回遅れの日本の参院選−(田中良紹氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1sop5ra
9th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks


アメリカ大統領選挙の候補者選びでヒラリー・クリントンが勝利宣言し、

「ガラスの天井を突き破り、初めて女性が大政党の大統領候補になった」と演説した。

一方のバーニー・サンダースは「ヒラリーに電話で祝意を伝えた」と述べて

彼女の勝利を認めながら、しかし党大会まで「戦いは続く」と演説して支持者の熱狂的な声援を受けた。

サンダースの「戦い」とは民主党の綱領に国民皆保険など「大きな政府」の主張を反映させることである。

一方でヒラリーと本選挙を戦うことになるドナルド・トランプはサンダース支持層取り込みに力を入れ、

富裕層への課税や最低賃金引き上げを主張している。

ヒラリーも勝利宣言の中で「サンダースの選挙戦は民主党を強くした」と語り、サンダース支持者を取り込む構えを見せた。ヒラリーもトランプも自称「社会主義者」の影響力を無視できないのである。

この予備選挙が始まる前まで全く無名の上院議員バーニー・サンダースは、

こうしてアメリカ政治に地殻変動をもたらす存在となった。

サンダースの主張がなぜ若者を中心に熱狂的に支持されるかといえば、

それが新自由主義とは真逆の思想だからである。

レーガノミクスに代表される新自由主義の経済政策がアメリカ政治に現れるのはニクソン政権時代である。

ただし新自由主義の経済政策はアメリカではなく南米チリで実施された。

ニクソンは「社会主義は暴力革命でしか実現されない」と主張してきたが、

1970年に南米チリは自由選挙で社会主義政権を誕生させた。

その前年にアメリカ大統領に就任したニクソンは自分の主張を覆す社会主義政権を認めない。

1973年にチリ軍部のクーデターを支援して政権を転覆させた。

そして誕生したピノチェト軍事独裁政権にシカゴ学派のミルトン・フリードマンが唱える

新自由主義経済政策をやらせたのである。

国営企業を民営化し、規制緩和と大企業優遇、

また農業の大規模化などを進めるためシカゴ学派の経済学者がアメリカから派遣された。

これが世界で初めてとなる新自由主義経済政策の登場である。

それはチリ経済を刺激し、フリードマンが「チリの奇跡」と喜ぶほどの経済成長を成し遂げたが、

同時に格差を拡大させ、3年後にはマイナス成長に陥る。

最終的にピノチェトはシカゴ学派の経済学者らをアメリカに帰国させ、新自由主義経済政策は失敗に終わった。

次に新自由主義が脚光を浴びたのは1980年代のレーガン、サッチャー、中曽根時代である。

レーガノミクスが注目を集め、民営化による「小さな政府」が世界の趨勢となり、

「弱肉強食」時代が幕を開けた。しかし共和党の本流であるブッシュ(父)はレーガノミクスを

「ブードゥー・エコノミー(怪しげな経済)」と批判した。

ところが「小さな政府」路線はアメリカ社会に定着する。

日本を真似て国民皆保険をやろうとした民主党のクリントン政権は国民の理解を得られず、

「大きな政府の時代は終わった」と宣言する羽目に陥る。

そしてブッシュ(子)政権時代には「ネオコン」がさらにそれを徹底し、

ついに大恐慌に匹敵するリーマン・ショックを招くのである。

そして新自由主義は貧富の格差を拡大し、福祉を切り捨て、若者は学費を借金で賄わざるを得ず、

借金返済のために働く人生を背負うようになった。

それが学費ゼロ、最低賃金引き上げ、国民皆保険などを主張するバーニー・サンダースへの

熱狂的な支持を生む。そして共和党でも「ネオコン」路線とは立場を異にする

トランプが共和党の候補者を次々に蹴散らして指名を確実にした。

こちらも白人貧困層の不満が生み出した候補である。

つまりアメリカ大統領選挙はシカゴ学派の新自由主義政策が40年を経て何をもたらしたかを確認させ、

そこからの転換を問うための選挙なのである。

ヒラリーはクリントン政権時代に「大きな政府の時代は終わった」と宣言した過去と、

サンダースが予想を超える支持を集めた現在とをどうバランスさせるかが問われている。

そのため副大統領候補に誰を指名するかが注目される。

マサチューセッツ州選出の上院議員で「ウォール街を占拠せよ!」の思想的リーダーである

エリザベス・ウォーレンを起用するという噂が流れたこともあるが、

それが現実になればファースト・レディとして「国民皆保険」の実現を目指したヒラリーが、

あの時は挫折したが今度は新自由主義を脱皮する可能性がある。

彼女はファースト・レディ時代にF・ルーズベルト夫人のエレノアを真似ようとした。

エレノアはルーズベルトのニューディール政策、つまり「大きな政府」路線を支え、

リベラルな政策を次々に発案した人物である。

そしてフリードマンの新自由主義はニューディール政策の土台となったケインズ経済学の批判から生まれた。

ヒラリーが大恐慌からアメリカ経済を救ったニューディール政策に思いを馳せれば

新自由主義からの脱皮は全くおかしなことではない。

ところでファースト・レディのヒラリーが「国民皆保険」を目指したのは日本経済を真似しようとしたからである。

当時のクリントン政権は表でジャパン・バッシングしながら、

裏では日本の社会保障制度を真似しようとしていた。

「日本に追いつき追い越せ」が意識されていたのである。

ただし目標とする日本は、新自由主義に感染する以前の、社会保障に手厚かった時代の日本である。

しかし小泉改革以降、現在のアベノミクスに至るも過去の日本経済は否定され、

いまや新自由主義の影響下にある。

安倍総理は来月投票の参院選でまたまたアベノミクスを争点に掲げたが、

柳の下に泥鰌が何匹いると思っているのだろうか。

アメリカで新自由主義からの脱却を争点に選挙が行われようとしているとき、

日本の選挙が周回遅れのように見えて仕方がない。

デフレから脱却するよりも新自由主義から脱却し、将来不安をなくす政治が求められているのではないか。

 

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コメント
 
1. 日高見連邦共和国[1958] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2016年6月09日 12:19:58 : Ihir5pcR5A : _8AvK2G84Zw[154]

“新自由主義”が大成功して、“一般庶民が潤った実例”を誰か言えますか?(笑)


2. 佐助[3556] jbKPlQ 2016年6月09日 12:53:15 : 9WzTFdu8Dw : EvnuAppFUfU[267]
新自由経済システムを取り込んだ,自民党は金持ち優遇,大企業救済,弱者は切り捨て政策なのでベーシック・インカムや民主主義プラウト(進歩的社会主義)は絶対にあり得ない。しかも自民党は産業革命や農業や中小企業も潰している。

新自由主義は民主主義のルールを破壊させ貧富の格差を拡大し、福祉を切り捨て、若者の教育学費まで潰した。そして賃金体系から正社員制度の労働協約まで破壊させ派遣社員化による労災から年金や健康保険まで奪った。

社会の富が大企業や政治家,官庁,族議員に収奪され、無駄な事業や娯楽費に使われている。個人が豊かになってこそ日本の未来があります働いたら働いた分だけ報われるやりがいのある仕事や暮らしを持てないのならば民主的な社会経済のしくみとはいえません。この1%の富のため99%の不幸を「アベノミクス」の円安・株価で格差を助長させ,国民に耐乏を押付けた。

新自由経済システムは金融鼠講が主体で,「開発」や「モノづくり」や「福祉」は排除し,円安株価の上昇で資本家が儲かれば、労働者も富むのだと云うトリクルダウンを進めた。しかしすでに英国で破たんしています。そして株価の上昇で潤うの神話もすでに破綻している。

米国の次期大統領予備選で,トランプ氏やサンダース氏が伸びているのは,そのためです。しかも米国も二大政党制が機能不全となり,三つ巴の大統領選になる可能性が高く,日本は腐敗・不信による一党独裁政権を既得権益で止められずにいる。これだけでも日本は世界の流れに抵抗していることになる。

しかも世界は世界信用収縮恐慌の根因であるドル一極からユーロ・円・元などの多極化に進み,すでに産業革命がスタートしている,しかし日本の政治経済の指導者は既得権益を守るために拒絶し抵抗している。信用収縮恐慌や金融恐慌の認識も出来ない。そのために日本は世界で一番経済の回復が遅れ,銀行の一時閉鎖は避けられない状況にある。

日本もアメリカも懸命に働けば何かを達成できる国だった。でも今はそうではなくなった。ある1部の人間が富を独占しているからです。日本は1975年くらいまでは、プラウト主義経済だったので貧富の格差が少なかった。

米国も日本もこのままでは医療、年金の崩壊や消費の節約モードから環境汚染などで資本主義は爆竹のように弾けて終焉する可能性が高く、弱者を救う黄金の世紀が野党によって開花する、Prout共存共栄(農業)、自給自足(工業)の時代が到来する可能性がある、


3. 日高見連邦共和国[1965] k_qNgoypmEGWTYukmGGNkQ 2016年6月09日 13:25:20 : mFuG9qQlTk : haqrMEPyuI4[12]

あ、あと、ちなみに、“市場経済”を導入せずに大成功を治めてる、
“共産主義・社会主義”の実例もあれば、誰か教えて欲しいっス!

4. 2016年6月09日 19:39:16 : ZL7o43eS1o : dOhFRJJYtdE[202]
>つまりアメリカ大統領選挙はシカゴ学派の新自由主義政策が40年を経て何をもたらしたかを確認させ、そこからの転換を問うための選挙なのである。

サンダース支持者の半分は、理解していると思うが
特にトランプ支持者は、おそらくそんなことは頭にない。漠然とした不満、しかも差別主義に基づいた不満

そこにネオコンが付け入る隙がある

まあ、トランプは元々が隠れネオコンだと思ってるけど(ヒラリーは間違いなくネオコン)

桜井ジャーナル風に言えば、ネオコンとか新自由主義とかはタグに過ぎない
奴らは名前を変え、姿を変えアメリカ政治に蔓延っている
それらしいように


5. 2016年6月10日 04:37:29 : 9gfIivvtuc : m7oobwy12eE[54]
まあ世界中で新自由主義が主流だから

はっきり言って移行に失敗した例を捉えて

移行そのものを否定することは不可能だ

試行錯誤しながら新自由主義的市場経済に世界は変わってゆく

保護主義は消え去る運命だ


6. 安倍を辞めさせる会[235] iMCUe4LwjquC34KzgrmC6Ynv 2016年6月10日 08:14:30 : FAt0kYWxVo : ylcjRTfmBXc[195]
ヒラリーはサンダース支持派を取り込めなければトランプに負けるのは火を見るより明らかである。まさにねじれ現象

7. 2016年6月10日 08:29:32 : jMwtEun93o : 51ypIJMqS5A[76]
トリクルダウンが庶民に利益を還元できず、内部留保を膨らませるだけになっているのが現実である。
この内部留保を税金で取り上げるには内部留保課税しかない

8. 2016年6月11日 02:30:20 : KSxhD8MSc6 : bxfbjmMHK9M[8]
>>5
いまどき新自由主義が主流なんて日本などアジアぐらいのものだろ。
むしろ周回遅れの考えだよ。

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