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政策基軸に考えれば共産躍進は理の当然ー(植草一秀氏)
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5th Jun 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
7月10日の参院選まで1ヵ月余り。
公示は6月22日の見込みである。
わずか18日間の選挙戦である。
事実上、選挙戦は始まっているが、事前運動についての取り締まり当局の定義は不明確である。
総務省は事前運動の定義を国会答弁でも明らかにしたが、これと警察・検察当局の判断は同一でない。
何を違法として、何を違法としないのか。
あるいは、同じ行動があっても、摘発する対象と摘発しない対象とが区別されている。
日本の警察・検察・裁判所制度は前近代にあるため、市民は安心して暮らすことができない。
政治的な弾圧はいつでも実行される。
TPP批准阻止国会行動で、かむろてつさんが安倍政治の真髄を述べた。
安倍政治「真・三本の矢」
である。
かむろさんが挙げたのは、
戦争・搾取・弾圧
である。
これが安倍政治の「真・三本の矢」
極めて的確な指摘である。
今回の参院選では、安倍政治の是非が問われる。
安倍政治=YES!
なのか、
安倍政治=NO!
なのか。
これを主権者が判定する。
32の1人区では、
安倍政治=NO!
の陣営が候補者を一人に絞り込んだ。
したがって、主権者は上記の二つの選択肢のなかの、いずれかを選び、投票すれば良い。
分かりやすい選挙になる。
それ以外の選挙区と比例代表選挙では、
主要5争点に対する公約を基軸に、投票する対象を定めるべきだ。
主要5争点とは、
原発、憲法=戦争法、TPP、基地、格差
だ。
主権者が投票行動の基軸を明確に定めるなら、安倍自公は大幅に後退するはずである。
安倍政治3年半を総括すると、
集団的自衛権行使容認で戦争推進を明確に打ち出した。
これが第一の矢の「戦争」。
成長戦略とTPPは1%の大資本の利益を極大化するための施策である。
一方で、一般市民、普通の労働者は新しい貧困に突き落とされている。
これを推進しているのが安倍政権である。
これが第二の矢の「搾取」。
そして、安倍政権は特定秘密保護法制定、
刑事訴訟法改定
などの弾圧法制を激しい勢いで整備している。
6月3日の静岡地方裁判所における、斎藤まさしさんに対する有罪判決など、
民主主義の活動をする市民に対する弾圧以外の何者でもない。
これが「弾圧」だ。
戦争・搾取・弾圧
が安倍政治の真髄であることを、すべての主権者が正確に認識するべきだ。
そして、安倍政権が目指す憲法改定は、
「個人のための国家」から「国家のための個人」への転換
人権の制限
戦争の推進
の三つに主眼を置く。
つまり、現行憲法の
国民主権
人権尊重
平和主義
という三大原理を、そっくり破壊しようとするものである。
この安倍政治を存続させるのか、それとも退場させるのか。
決めるのは主権者国民だ。
7月10日の投票日に向けて、安倍政権はマスメディアを総動員して、事前運動、選挙誘導を実行するだろう。
その戦術は、
1.投票率の引き下げ誘導
2.与党勝利予想の流布
3.アベノミクス大宣伝
を中核とし、
4.共産党を含む野党共闘攻撃
5.重要争点隠蔽
というものになるはずだ。
メディアは自公勝利予想を流布して、主権者の戦闘意欲を削ぐ行動に出るだろう。
しかし、自公勝利予想に何の意味もない。
自公を勝利させるために、創作して流す情報だ。
そして、メディアは、人々の関心を政治からそらす情報を流布するだろう。
頻繁に利用されているのが、有名人の麻薬事案の摘発だ。
当局は弾を温存している。
その弾を政治日程に合わせて表に出す。
参院選に向けても、次の弾を出してくる可能性がある。
また、2012年12月総選挙の際には、突然PM2.5の報道がメディアを占拠した。
7月選挙に向けても、人々の関心を引き付ける工作が展開されるだろう。
選挙の争点としては、
「アベノミクスを加速するのか否か」
という、空虚な言説が巻き散らかされるだろう。
アベノミクスは普通の財政金融政策と規制緩和のことで、固有名詞をつける意味がないものである。
金融緩和はやり続けてきたが成果は上がらなかった。
財政政策は2013年は積極、2014年から2016年は超緊縮である。
規制緩和は推進されており、その結果として格差拡大が加速している。
金融緩和をやり続けるのか。
消費税増税をやめて積極財政を実行するのか。
消費税再増税再延期はないと断言しておいて再延期することをどう評価するか。
格差推進の規制緩和を強化するのか、中止するのか。
これらを主権者が判断すれば良いだけのことだ。
ただ、これだけははっきりしておかなければならない。
それは、第2次安倍政権発足後の3年半の日本経済が、超停滞したという事実だ。
四半期成長率の平均値は+0.7%で、民主党政権時の+2.0%を大幅に下回る。
安倍政権は企業収益が過去最高で、株価が上がったと言うが、東証第1部上場企業はわずか1900社。
日本の法人数全体の0.05%にも届かない。
成長率が低下して、一握りの大企業の収益だけが史上最高。
これは、零細企業と労働者の分配所得が減ったことを意味している。
失業率が下がり、有効求人倍率が上がったと言うが、
小さくなったパイを分け合う人数が増えたわけで、
1人当たりの所得が著しく減少してしまったことを意味している。
だから、アベノミクスは全体として
大失敗に終わった
というのが真実である。
安倍首相は共産党を含む野党共闘を攻撃するが、
野党共闘が野合なのではなく、
民進党が野合なだけだ。
民進党は、
「自公対峙勢力」と「隠れ自公」の混合物だ。
これが「野合」であって、
安倍政治に対峙する公約を明示する共産党とそれ以外の同調勢力の共闘は野合ではなく正当なものだ。
共産党が躍進して民進党はさらに衰退する。
32の1人区は主権者連合が投票を支えるから、仮に勝利したとしても、それは民進党の勝利ではない。
主権者は民進党の「水と油」が一刻も早く分離することを求めている。
日本政治刷新のために、民進党の分離は必要不可欠である。
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