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公明の参院選公約
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52808611.html
2016年06月04日 在野のアナリスト
公明党が参院選にむけて重点政策を発表しました。『希望が、ゆきわたる国へ。』がスローガンですが、霞ヶ関文学でいうと『希望が』の後に句読点を打つと、一旦そこで文章が切れる、となります。つまり『ゆきわたる国』の主語に別の言葉をもってきてもいい。そこには『創価学会の教えが』という文言が隠れていそうです。そもそも、希望は叶えるものであって、希望がゆきわたるだけで終わり、と望みがあっても叶わないとの印象すら受けます。公明党はあくまで自民の補完勢力であり、希望を抱いたとしても実現するかどうかは分からない、という読み解き方をするなら、かなり自虐的なスローガンともいえます。
4つの重点政策を掲げ、1つは『景気に力強さを。実感を「地方」「中小企業」「家計」へ』とします。しかし『実感を』というぐらい、実感がないことを自覚する中で、地方へは観光と農林水産業の所得向上、とありきたりな話しかない。中小企業には取引条件の改善のみ。家計には収入アップとして同一労働同一賃金や、非正規の待遇改善、正社員化、最低賃金1000円などと自民とほぼ同じ内容を掲げますが、同一労働同一賃金は本来当たり前なのに、これまで出来ていない。その道筋を示さず、やりますというだけで説得力がありません。非正規の待遇改善をすすめるなら、非正規の正社員化をする必要がない。これは同一労働、同一賃金も同じです。しかもこれまで自公は働き方の多様性をもつ、として非正規の拡大を容認してきた背景がありますし、安倍首相は最低賃金を上げて、待遇改善した、と成果を語っている。増えた非正規の票をとりこみたい、としてニンジンをぶら下げても、これまでとの言行不一致と道のりを全く示さない中で、希望が抱けるような提案にはならないでしょう。軽減税率の円滑な実施、とこっそり書いていますが、それこそ希望的要請なのかもしれません。
2つめは『若者・女性が活躍できる希望社会へ』ですが、これこそ『希望』だらけで、これまで実現していないものの羅列です。仕事と子育て、介護の両立や、待機児童ゼロ、返済不要の奨学金、など実現性も不確かなバラマキ政策のオンパレードです。野党案の丸呑みも多いですが、与党としてその実現性について何も示さないのは、むしろ無責任との批判もうけそうです。希望ではなく、実現にむけたプロセスを示す必要があるのでしょう。
3つめは『保育・介護に安心できる社会へ』ですが、2つめと被るためか、あくまで人材確保に重点がおかれています。4つめは『東日本大震災、熊本地震からの復興へ』ですが、災害につよい国づくりとしてインフラの長寿命化を掲げるなど、自民と似た政策を示す。また福島第1原発の廃炉・汚染水対策などをかかげますが、これまで公明がこの問題で積極的にかかわった形跡がない。むしろ傍観者然として、提言すらしてこなかった。学会から突き上げられ、盛り込んではみたものの、中身の薄っぺらさは否めない部分もあります。
全体として、自分の頭で考えたとは思えない。自民をはじめ、野党の政策をそのままぱくり、羅列しただけで、具体策ゼロ。やる気ゼロ。与党なのに法案提出のタイムスケジュールもゼロ。重点政策としていても、言葉と態度の軽さばかりが目立つ公約です。少なくともこれまで出来てこなかったこと、手をつけていなかったのなら、その反省と出直しに向けた決意、ぐらいはきちんと示さないと、冒頭に書かれた「責任をもって政策を前に推し進めます」と書かれていることすら、責任とは何か? という根本から問われることになるでしょう。
まさにこの参院選の公約は、公明の『希望的観測』を羅列しただけに過ぎず、実現にむけて何の確約もない、期待ももてない、となるのでしょう。そもそも日本が抱える現状は、この重点部分以外にも多くの問題が顕在化しつつあるのです。子育てや介護の話はあっても、少子高齢化への具体策はない。安保の話はゼロ、憲法改正の話もゼロ。露骨な争点隠しは、この公約が重点なのか、軽点なのかすら不明にします。『希望がゆき、わたる国へ。』と、句読点の位置を変えると、希望がもてなくなり、その日暮しで綱渡りをする国とも読み変えるられますし、人手にわたる国、とも読み変えられます。公明の考える『希望』は、決して国民の総意ではない点に、この公約の問題のすべてが集約されている、と云えるのかもしれませんね。
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