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消費増税延期だけではどうにもならぬ経済無策政権の惨状
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/182456
2016年5月30日 日刊ゲンダイ 文字お越し
サミット議長会見で「リーマン・ショック」を連発(C)AP
ご都合主義にも程があるというものだ。安倍首相が28日夜、麻生財務相、菅官房長官、自民党の谷垣幹事長と会談し、来年4月に予定している消費税率10%への引き上げを19年10月まで再延期する方針を伝えた件である。
「14年の前回総選挙で、安倍首相は消費税増税の延期を表明し、同時に『17年4月には必ず増税する』『増税できる好景気にするためにアベノミクスを続けることの信を問う』と言っていました。消費税の引き上げができなくなったということは、アベノミクスが失敗したということに他ならない。マネタリーベースを2年で2倍にして2%の物価上昇と言っていたのに、今ではマネタリーベースは3倍以上ですが、物価は下落傾向でデフレ脱却は程遠い状況です。増税延期は結構ですが、明らかな公約違反なのだから、まずは政策の失敗を詫びて、即刻退陣が筋ですよ」(経済アナリスト・菊池英博氏)
そもそも、つい最近まで安倍は国会で「アベノミクスの成功」を強調していた。「有効求人倍率が上がっている。賃金が上がっている。だからアベノミクスは成功しているのだ」と。本当にそう思うのなら、公約通り堂々と消費税を上げればいい。
ところが安倍は、サミットで唐突に「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」と言いだして、増税延期を世界経済のせいにした。自らの失敗を糊塗するのにサミットを利用したのだ。
「これまで『リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、増税を実施する』と言い続けてきたこととの整合性をつけるために、リーマン・ショックという言葉を持ち出してきたのでしょうが、勝手に世界危機を偽装してわめいていた。各国首脳は『こいつは何を言っているのか』と呆れ返ったに違いありません。日本の恥ですよ。もちろん、危機の認識について各国の同意は得られず、首脳宣言にはリーマン・ショックという言葉も使われなかった。宣言に『下方リスクが高まってきている』と記されたのは、議長国の顔を立てて、せめてもの花を持たせてくれたのでしょう」(菊池英博氏=前出)
■「怪文書」で世界経済危機を捏造
20、21日に行われたG7財務相会議でも、世界経済は最悪の状況を脱しつつあるという認識で一致していた。リーマン・ショックなどと危機をあおっているのは安倍ひとりで、誰も賛同していない。それなのに、サミット終了後の27日の会見で安倍は「リーマン・ショック」を連発。国内向けの印象操作の意図がミエミエで、自作自演もいいところだ。
23日に日本政府が発表した月例経済報告でも、世界経済は「全体として緩やかに回復している」とあった。先行きも「緩やかな回復が続くことが期待される」としている。月例経済報告を決める会議には安倍も出席した。その席では「リーマン・ショック」に言及することはなかったという。それが、わずか4日で「リーマン・ショック前夜」になってしまったわけだ。
安倍が各国首脳に提示した「リーマン・ショック前に似ている」ことを裏付けるデータも、どこから出てきたのか分からない代物だ。民進党のヒアリングに対して、外務省の担当者は「直前に初めて見た」と言い、各種経済データを作成する内閣府の役人も「聞いていない」と驚いていた。稲田政調会長も「見ていない」という。こうなると、ほとんど怪文書の類いだ。そんな怪しげなものが首脳会議の場で唐突に提示され、世界経済はリーマン・ショック前の危機にされてしまう。
そうやって危機を捏造してでも、アベノミクスの失敗を認めない。サミットを増税延期のアリバイに使い、保身を図る。こんな破廉恥漢は見たことがない。
打つ手なしの黒田日銀総裁(C)日刊ゲンダイ
租税回避を取り締まれば消費税なんて必要ない
「G7参加国の中で、世界経済危機という認識を持っている国はないでしょう。米国は現在、景気回復を背景に利上げをうかがう状況だし、15年の経済成長率を見ても、米国や英国は2%台、他も1%台を確保していて、日本だけが0・5%と突出して低い。国際通貨基金(IMF)が最近発表した経済見通しでは、日本経済は16年も0.5%の低成長とされています。世界経済が順調に回復しているのに、日本だけが悪いのは、やはり、どう考えても間違った政策運営の結果ということになる。消費税を上げられる状況にないからと増税を延期したところで、不況の根本原因であるアベノミクスそのものを見直すか、安倍政権が退陣しない限り、経済の好転は見込めません」(経済評論家・斎藤満氏)
サミット終了後の会見で、安倍は「世界経済は分岐点であり、対応を誤ると危機に陥るリスクがある」とかしたり顔で言っていたが、「お前が言うな!」なのだ。対応を誤っているのは自分じゃないか。アベノミクスで大企業だけが潤い、庶民の実質賃金は下がり続けて、その結果、消費の落ち込みが続いている。これが景気低迷の原因なのは明らかだ。
異次元緩和は弾が尽き、苦肉の策のマイナス金利も悪影響しかなく行き詰まっている。円高を抑えるための為替介入をしようにも米国から「監視リスト」入りでプレッシャーをかけられているし、サミットでも「通貨安競争回避を順守せよ」と釘を刺された。揚げ句に、安倍の経済危機認識に誰も同調せず孤立では、もう八方塞がりだ。
■「ヘリコプターマネー」の恐怖
デフレ脱却がインチキだっただけでなく、アベノミクスで日本経済はメチャクチャにされ、この先に打てる手も限られてきた。
「そんな中で、日銀が対価を取らずに貨幣を発行する『ヘリコプターマネー』の現実味が囁かれ始めています。政府と日銀が結託し、こっそり大量の紙幣を刷って、政府はカネを使いまくる。異次元緩和が進むことも退くこともできなくなったため、出口戦略を諦めて、国債を買って保有し続ける方針に変えるということです。日銀がいくらでも国債を引き受けてくれるから、政府はバンバン財政出動できる。ただし、そんな悪魔的手法にいったん手を染めれば、本当に取り返しがつかなくなる。インフレが加速し、国民生活はますます窮乏化する。財政規律も金融の基本原理も完全にブッ壊されてしまいます。禁じ手中の禁じ手なのですが、目先の人気取りと保身のためなら何でもアリのこの政権ならやりかねないという懸念が広がっています」(斎藤満氏=前出)
ただでさえ、無謀な金融緩和で日本国債は格下げされ、暴落の可能性が高まっている。アベノミクスを撤回せず、消費税増税だけ先送りすれば、日本と円への信認が揺らぎ、急激な金利上昇を招きかねない。さらに破れかぶれでヘリコプターマネーなんて最悪だ。
大体、安倍がリーマン・ショック級の危機が迫っていると言うのなら、今やるべきは増税延期ではなく、大型減税ではないのか。パナマ文書で明るみに出た租税回避の実態を知ると、むしり取られる一方の庶民にしてみれば怒りが込み上げてくる。しかも、パナマ文書はほんの一端で、ケイマン諸島にはもっと多くの資産が隠されているといわれる。
日銀が公表している国際収支統計によると、課税逃れはケイマン諸島に移された分だけで約14兆円に上るという。こういう租税回避をキッチリ取り締まれば、消費税なんて必要なくなるのだ。そこには手をつけず、消費税増税とセットだったはずの議員定数削減にも頬かむりしたまま、目くらましの増税延期で国民を欺くデタラメ。これ以上、この政権に日本経済をオモチャにされたら、行き着くところは大惨事しかない。
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